戦後…
外伝を書いてみました。
お眼に留まれば、読んでやって下さい。
完結した本編は、 http://ncode.syosetu.com/n9041dp/ 。
良かったら、読んでやって下さい。
私は、ハインデリア第一皇女ローゼス。
異界人のユキヒトを、私達の世界へと連れて来た者。
その彼は、厄災を祓う一年前の戦いで行方不明に成った…………。
私達は、かれが元の世界へと飛ばされたと推測。
私は、それが真実か否かを確かめる為。
もし真実ならであったなら…………。
彼を連れ戻す目的で、彼が日本と呼んだ世界へと赴いた。
そして……、彼は居た━━━━!。
再び彼を連れ、今私達の世界へと帰還の途に着いている。
「おいっ! 、又俺を落としたりするんじゃ……」
「そんな事っ! 、できないわよっ!。…………」
そう、一年半前。
最初に彼を連れ出した時に、私は途中で彼を落とした……。
あの失態のせいで私は……。
「ってかロゼ……、この一年間、一体何を?」
「聞きたいの?。それは……」
「それはねぇ、の後は何だよ?」
「…………」
「はああ?………、何だよ全く」
一年前………………。
ハルの暴走で、私達は時を越えた━━━━。
そこでは、死んだ筈の二人がまだ生存していた。
二人を救い、敵の城へと侵入する……だが、敵の待ち伏せに遭ってしまう。しかし、第三の魔女ラクテルが私達より先に城へ潜入していた。彼女が人質の皇后である母と入れ代わっていた事で、私達は窮地を脱する事ができ、皇帝を追い詰め御父様を救出に向った。
ユキヒトは、皇帝が身体に神殺しの刀を隠し持っていると推測し、切り払う。
両断した身体から、神殺しの刃を抜き皇帝を斬った……。
皇帝ベルトーゼは、次元の彼方へと永久に消え去り、私達は勝利した。
崩れ去る七夜城から脱出する為、私が転送魔法を使おうとした時。
ハルの時間移動の力も発動、その場の全員は別々に飛ばされてしまう。
五人とは、直ぐに再会を果たした。
しかしユキヒトの姿を…………、その場で確認する事は無かった。
そして……。
七夜城が闇の彼方にきえてから、三日が過ぎた…………。
私達七人は、首都の宮殿跡に居る。
第二の魔女、ラケニスから連絡が有り、ズグロは一人遠くへと飛ばさていると聞いていた。その彼女も、じきにハインデリアの首都へと戻ってきた。真っ先に、私達が居る宮殿跡地へ駈け付け、無事な姿を見せてくれた。
ズグロは、宮殿跡地で私を見つけ、唐突にユキヒトの所在を尋ねてくる。
一人でこの世界へと戻り、最初に気に成る事は予想が付く。
当然、その通りの事を尋ねられる。
しかし、その質問に私は……、顔を曇らせるしかない。
この場所にユキヒトは居ない、彼は戻って来て居ないのだ……。
「そうか、主殿は戻られて居らぬか……」
「でも、大丈夫よきっと、あの場に残った全員戻ってる事だしね」
ズグロの姿を見て、他の五名も集まって来た。
彼女達は、跡地の整備や怪我人の救護を、手伝ってくれている。
時を越えた先での勝利は、飛んだ時間以降の事象を、良い方へと書き換えていた。首都からは敵が消え、蹂躙され破壊された街も無い物と変わっていた。私達が、脱出の際に犠牲と成った騎士や衛兵達、そして大臣達も無事に生き延びて、今は焼跡の整備と宮殿再建に向けて奔走している。
そう、宮殿は焼き落ちた常態は変わっていない。
書き換えられたのは、私達が時を越えた時点以降だけに限られている。
「うむ、あの馬鹿者も遠くへと飛ばされた口だろう」
アネスは不思議と楽観的な、見解をしている様。
「それにしても、ユキヒト様は何処まで飛ばされたのでしょう?」
マリネの疑問には、誰も見当がつく者は居ない。
「大丈夫ですっ! 、きっとお腹空かしたら帰ってきます」
「ちょっハルさん、そんな子犬じゃあるまいし……」
「いえ、きっと『腹減ったぁ』っと、這って来ますよっ!」
イリスが、冗談とも本気とも言えない言葉を言った。私達は、彼が地面を這いずり街へ辿り着く姿を想像してしまい、有り得そうな光景だけに大笑いした。彼のその姿を見たアネスが、情けない姿を見せるな馬鹿者っ! 、と言う場面までしかりと入っていた。
あれから三日……。
空腹なのは違いないけど、怪我で動けないとしたら?。
私達は、内心で彼の無事を願い、各々が動き始めた。
有難うございました。