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バスに揺られて  作者: かんな
1/1

きっかけは

他の道をね、考えた方がいいと思う


紗耶香が入社してから3ヶ月目、そう言われた


《1》きっかけは


 沖縄の修学旅行、高校最後の思い出。

すっごい楽しかった!

美ら海水族館、サトウキビを絞る体験、沖縄料理。

いろんなことを見て

体験して

みんなで笑った。

その中でも忘れられなかったのは、バスガイドさんだった。

笑顔で沖縄の案内をしてくれて、心理テストで盛り上がって、お茶目で。

キラキラしてた。

あ、いいなって。

バスガイドに憧れた瞬間だった。


 「紗耶香、卒業したらどうすんのー?大学行くー?」

「んー、就職かなぁ。だって、大学学費高いんだもん。やだやだ」

紗耶香は興味のある大学はあったが、800万という現実を突きつけられ進学をやめた。

「明日香はどうすんの?」

「専門学校よん♪」

「絵ぇ書くの好きだもんねー」

さぁ、どうしようか

高校はありがたいことに、企業からうちの会社に来ませんか?と候補がまとまってくる。

その中から行きたいとこを選んで、就職試験に望むのだ。

そろそろ今年のが来るはずだ。

どっかいーとこないかなぁ。

「紗耶香ー?」

「ん!?なになに?」

「今、ちょー変な顔してた」

「うるっさい、もう」

そう言って笑う

「どーしよっかなぁ…」

漠然と未来の事を考えてた


あれから、2ヶ月たった。

修学旅行というビッグイベントを終えて、真剣に大学行く人は受験勉強。

就職したい人はいくとこを決める。

そういう、ピリピリした雰囲気を醸し出してた。

「あ…」

やっと来た、今年の求人を見ていた紗耶香の手が止まった。

「バスガイド」

3つの会社から求人があった。

バスガイドに…なれる。

高卒でもなれるんだ、バスガイド。

一瞬、あの時のバスガイドさんのように

みんなの目の前に立って、マイクを持って案内してる自分が思い浮かんだ。

介護、自動車の部品製造、事務…全ての求人を見ても紗耶香の頭にはバスガイドしか残らなかった。

「富田さん。どっか、いいとこあった?」

「…先生」

「?」

「私、バスガイドになりたいです」


 先生の反応からして、私がバスガイドを希望したのは意外だったらしい。

どちらかというと大人しめ。

趣味読書。

級長みたいに、みんなをまとめるような性格ではない。

うん、うん。

まぁ、確かにそうなるかも。


第一志望に、あい観光バスと書いた。

第二・第三は、少し通勤が遠くなるバス会社を書いた。




 











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