この女性は、ピンクのオーラが嫌いです。
はろはろ~~~~~~。ちょっと、更新頻度上がってる藤原です。楽しんでください!
話を終えた俺と冬華は、さっきの受験会場に戻った。だが、受験会場には誰もいなかった。
「あっれ? おかしいな。もしかして遅刻扱いとか?」
「もしかしてそうなちゃってるわけ?」
こっちに顔を向けてくる冬華の目は赤く腫れておりおり、なんだか目を合わせられなかった。
「で、でも受験って言っても俺は推薦もらってるからなんとかなるよ、多分」
「あれ? 推薦ってこれだよね」
そう言って、ポケットの中から四つ折りされた紙が出てきた。
実際出てきたのは俺と同じ推薦状だった。ちょっと、その推薦状の扱いがぞんざいじゃないか?
「ってなんで持ってるんだよ……!? まさか!」
あるひとつの推理に行き着き、俺は背中のバックの中にあるクリアファイルを引っ張り出した。
「取ってなんかないわよ!? 失礼ね! ほら、ここに名前、『冬華』って書いてあるでしょ!」
一度顔を上げて冬華が出した紙を見る。そこには確かに名前が書いてあった。
とりあえず、クリアファイルの中身を確認と。……ある。
「っふふ。クリアファイルの中に大事そうに紙をしまっている魔王なんて……ふふ、笑えるわね」
「う、うるせぇ! 普通、大事なもんはファイルに入れるだろ。じゃあ、お前はガサツ勇者だな!」
「女の子にガサツとか言わないでよっ!」
ピクリと反応したあと、驚くべきスピードで魔法陣を出し召喚した聖剣を首筋に当てられた。
「ご、ごめん。ってか、未だに聖剣使えるんだな」
「だって、この剣は私の魂と繋がってるんだから。私が記憶という魂を残していたら使えるのが普通でしょ? それに魔力も現役のままだから、召喚の時の魔力も余裕で足りるんだ」
やっぱ、こいつも魔力残してたか。だとすると……。
「……そろそろはいってきてもいいぞ~っ」
「誰かいるの?」
「俺たちに気を遣って入ってこなかったんだよ。ま、運良く探知結界、張ってただけだけどな」
「あんた、そんなことできるようになってたの?」
「昔から出来たよ、だけど、昔は結界張ってまで守る奴がいなかったからな」
みんな強かったし、俺は何もしない主義だったしな。
「え? それって、私を守ってるってこと、だよね」
「う、まぁそうなるな」
なに、ニヤニヤしてんだよ。恥ずかしくなってくるじゃねぇか。
「ま、別に守られるほど弱くないんだけどね~」
となりで何か言っているが、無視だ。それより。
「お~い、来ていいぞ~」
さっきよりも大きめな声で言うと、扉の隙間から、ひょこっと女の人が顔を出した。
「あの~、ホントに入っていいですか? 私、その甘ったるい恋人同士みたいなピンク色の空間が苦手なんですよ」
うぉ!? すごくだるそうな人が入ってきた! てか、恋人!?
「俺たち恋人じゃないですよ!」「私たち恋人じゃないですよ!」
意図せずハモってしまった。
「そう……ところが……言って……けどな」
「え、なんですか?」
小さい声でぶつぶつ言ってるから、全く聞き取れなかった。
「ちっ、とりあえず、説明させていただきます」
舌打ちが聞こえたけど、これ以上怒らせるのはまずいから、とりあえずスルー。
「君たちが残ってる理由は――」
俺は女性の声を遮るように言葉をかぶせた。
「――俺たちが推薦もらうほどの魔力を持ってるからだよな~」
「えっ!? そんなことで推薦もらえるの?」
気づいてなかったのか? 何もないところで探知結界なんて張るわけないだろ。
「俺の憶測から行くと、ここは日本の魔術師を育てる学校だろうな。さっきから、お前の放ってる魔力オーラがそれを物語って――」
「よくわかりましたね、その通りです。この学校は日本に8校ある魔術師を育てる学校です」
台詞取ってまで言ったんだから最後まで言わせてっ!
「それより冬華は気づかなかったのか? こいつものすごい殺気の混じったオーラ放ってたのに……」
「優耶のが大きすぎて釘付けだったのよ、もうちょっと調節しなさいよ」
そんな恥ずかしそうに言うな! モジモジするな! 最初のほうがエロい感じに聞こえるだろっ! ていうか、女性のオーラがハンパなくでかくなってるッッ!!!
「し、仕方ないだろっ! 探知結界張るの結構魔力使うんだから」
探知結界は範囲を広げるほど魔力を喰らう。さっきのでだいたい100メートルくらい広げてたから、ちょっと疲れたかな。普通の魔術師なら、100メートル範囲を広げたら、一時間でカラだろうな。
「とりあえず、魔力測定が異常じゃなかったかどうか調べるので、タッグマッチをしてもらいます」
「お? 俺達とやるのか? 言っとくけど、『最狂』タッグだぜ?」
「せめてそこは普通に『最強』にしてよ……」
呆れ顔で言ってくる冬華に笑いかける。
「こちらも言っておきますけど、戦うのは私じゃありませんよ」
え? この人結構強そうでワクワクしてたのに。
「二人とも出てきてください」
女性は言うと、手早く両手を広げ魔法陣を出した。ちなみに熟練すると、さっきの冬華のように一秒ほど陣を出すことで召喚できるようになる。
だが、十秒たっても何も出てこない。
「慣れてないんですか? 召喚」
「え、えぇ。二人を呼び出すのはちょっとキツいですからねぇ」
意地でも、苦手と認めたくないようだ。
そして二分後……。
「あ、繋がった」
その無機質な一声で、二人の男女が魔法陣から出てきた。
「やーやーどーもー」「こんにちは子猫共」
一人は怠け声な男性。もう一人はなにやら言葉遣いが荒い女性。
「彼らが君たちの相手です」
「えー、僕たちーとできるほどの相手なんですかー?」
失礼だね、とっても失礼。目の前に魔王と勇者がいるのに。
「とりあえずやればわかります」
挑発的な意味を込めて、鋭く睨んだ。
「やだなー。そんな睨まないでよー」
挑発には乗ってこない。ただし男の方はだが。
「なんだてめぇ? 喧嘩売ってんのか?」
女の方はやけに応戦的だった。だいぶ目つきが鋭い。こりゃ結婚はまだだろうな。
「どうせやるんですから喧嘩くらい売っときますよ、ハハッ」
こうなら、徹底的に喧嘩売ってやる。あの女の方は手ごわそうだが、男の方はひ弱そうだからな。どうせ俺は男と戦るんだろうからな。
「じゃ、審判やるわね」
――えッ!? 冬華さん? 俺にタッグじゃなくて、一人でやれと……?
「ちょ、ちょっと、待て冬華! これはお前の入試でもあるんだぞ」
「あ、そうだったわ」
忘れてたのかよ……。
誤字脱字あれば言ってもらえると幸いです。
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