戦争を止める方法を考え中なんです。
「一番、火。二番、雷。三番、水。四番、火。五番、土。六番、風…………」
すでに終わっているテストの結果を幸先生が読み上げていく。ちなみに葉の番号は一五だ。
「一一、風。一二、水。一三、適正なし。十四、火」
ちょっと待ってくれ。適正無しなんてのもこの学校にはいるのか。
一三番の方を向くと余裕そうに目を閉じて笑っていた。
(なんの余裕だ? 属性位以外の力が強いのか?)
と、次は葉の番号だった。
「一五番、火、風。二属性適合です」
おぉぉぉぉおお、とクラスが湧いた。俺からしてみればあまり凄いことではないのだが。
「やったぞ、優耶! 俺、せんせーと同じで二属性使えるんだとよ」
いやいや、適応してるだけで使えるかどうかはその人のセンスと努力じゃないか? と言いそうになったが、親友の喜ぶ顔をみて言うのをやめた。
「失礼ですが、適応してるというだけで使えるかどうかはわかりませんよ? ただ、相性がいいというだけで」
言っちゃったよ、この人。せっかく空気読んで言うのやめたのに。
心の中でため息をつきながら葉の方を向くと、
「お前は個人的に指導してやるから。お前の適合属性、一色くらいなら新しい属性も追加できるだろ」
「おぉ! ありがとう、親友! やっぱ持つべきものは友だよな!」
一旦暗くなりかけた葉の表情は明るくなった。それと同時に幸の顔が暗くなった。
「ちょっと、どういうことですか? 個人的指導とは」
「え? 俺は生徒として言っているんですけど。ちょっとできる優等生ができない親友に勉強を教えるのと同じですよ」
「ぐっ……」
俺の言葉に幸は詰まった。だが、幸はこれで終わらなかった。
「……最後に答えてくれませんか? 優耶臨時教師。属性魔法の適合を増やすにはどうすればいいの?」
そうか。この世界には未だに二種類の属性適合しか確認されていないんだった。
「どうしようか? 冬華。結構高い情報じゃないか?」
「そうね。せん――んんっ。戦いのためだけに利用するならこれは教えないほうがいいわ」
戦争という言葉だけは避けたようだ。俺たちは知ってるからな、戦争で死ぬ人の数を。
「あなたたちはこの国を有利にしたくないのですか!?」
先生いきなり俺たち二人を怒鳴りつけた。だが、自分の国を安全に優位にしたいと思うのは普通のことだろう。それだけ喧嘩を売ってくることがなくなる……つまり抑止力になるからだ。
「……いや、まず俺の国はここじゃなかったからなぁ」
「ちょ、優耶ぁ! それ言っちゃ」
「あ? そうだっけ?」
「それってどう言う意味ですか?」
「もういいや。しらばっくれなくて。俺、転生したんです。こいつは勇者で、俺は魔王でした。よろしくね」
最後にキュピンと音が出そうなピースを向けると俺はそのまま表情を真剣なものに戻した。
「ま、信じなくてもいいさ。いずれわかるだろうからな。葉、お前は絶対にこっちにこい。魔法をみんなのために使いたいなら」
「……本気で、魔王なのか。たまげたぜ。……だけど、親友の頼みってんなら俺はお前の方につくぞ」
「あなたたちなにを喋っているのですか! 授業中ですよ」
ありがと。お前と敵対するつもりは毛頭ないんだ。初めて出来た、対等の友達だから。
「そうでしたね。みなさん、静かにしてください。あ、武力行使などはするつもりはありませんので。みんなも気軽に頼むよ」
俺の隣には絶句した冬華と席を立って俺のもとへきた葉がいる。
さて、どうやって戦争を止めようかな。俺たち三人で。




