第6話事件と怒り
教室では今朝の商店街の事件の話で持切りだった。
多少興味のあったリオンはケータイのゲームをやりながら近くにいた2人組み女生徒たちの会話を聞いてみる。
「ねぇねぇ。今朝、商店街見た?」
「もちろん。家の近くだもん」
「そうなの?じゃあ商店街で何があったか知ってる?」
質問された女生徒は「ふあぁー」となんともお下品な大きな欠伸をした後に、
「何があったかは知らないけど、朝5時ぐらいにパトカーがうるさくて目が覚めちゃった」
「警察があんなに来て商店街を封鎖するなんて。いったい何が起こったのかな?」
「俺知ってるぜ」
不意に男生徒が会話に入ってきた。
「本当?」
「あたぼーよ。俺の叔父があの商店街でプラモ屋やっててな、今朝通学中にその叔父にバッタリ逢ったんだよ。それで叔父に商店街で何があったのか聞いてみたんだ」
「そしたら?」
女生徒たちは得意そうに話す男生徒を星のように輝いている目で見つめている。
「叔父が言うには、商店街の中で町中の野良猫が何者かによって殺されて、あたり1面が真っ赤に染まってしまっていて、しかも殺された野良猫は1匹も原形を保っていなかったらしい…」
「!?」
女生徒たちは目を見開いて言葉を失った。
なるほど。それで今警察が商店街中を捜査、清掃してるわけか…
いったい誰がそんな酷いことをしたのだ。
いくらなんでも酷すぎる。
リオンは野良猫を殺した犯人に怒り、野良猫の死を悲しんだ。
~続く~
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