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帝国のつくり方  作者: ムックk
開拓編
30/39

30話   まさに異世界

 「すっご...................!」


 宇宙港の外に出た俺は、自然とそう言っていた。

 宇宙港も十分すごかったのだが、外はあまりにも別格過ぎた。

 「美しい」その考えしか、俺の頭に浮かばなかったのだ。

 何しろ建物が美しい、前世のイタリアにあった水の都であるヴェネツィアのような建物が沢山建っている。

 それに、街のあらゆるところに緻密に計算されたように緑がある。

 まるで、芸術品のようだった。

 周りを見ると、リアルヌは俺と同じように言葉を失って町並みを見ている。

 そんな俺とリアルヌを、ガスターとパウルは笑っている。

 そして、パウルが口を開いた。


 「どうですかグレース様! これがトラキア王国です! すごいでしょう!?」


 すごいとかそういう次元ではない。


 「ああ! すごいな!」


 そう言うとパウルは、微笑んだ。

 そして、話を続ける。


 「では、まずは私の商館に来てもらいます、よろしいですか?」


 当然、断る必要もないので俺とリアルヌは承諾する。

 だが、ガスターだけは文句を即座に言った。


 「まずは、観光じゃないのかよ!?」


 やはり、ガスターは少し自己中心的なところが多い。

 一応、俺達はパウルに連れてきてもらっているのだから指示には従わないとだめだろう。

 そう思った俺は、ガスターを止めようとする。

 だが、俺が口を開く前にリアルヌが口を開いた。


 「ガスター様、一応我々はパウル殿につれてきてもらっているので、指示に従いましょう」 


 それを聞くと、ガスターはため息をつきながら言った。


 「わかったわかった、ついてくよ...........」


 俺は、リアルヌが言ったところでガスターは、まだ文句を言うだろうと思っていた。

 だが、実際にガスターは素直に言うことを聞いた。

 案外、ガスターも空気は読めるらしい。

 だが、それ以上に驚いたのはリアルヌがガスターに向かってしっかりと注意をしたということだった。

 実は、村のみんなはガスターの破滅の炎の魔法の威力をみてしまったあと、ガスターに怯えていたのだ。

 気安く話しかけるのは、俺とカリウス、ゲオルク、ワーグナーくらいだ。

 だが、リアルヌはガスターに面と向かって注意をした。

 普段の様子を見ていると、ワーグナーと違ってあまり堂々と言わないタイプだと思っていたが、思ったよりも強く出れるタイプらしい。

 そして、その光景を見ていた俺は、ふと、小学生の頃の修学旅行を思い出した。

 あのときも、こんな感じだった。

 クラスであまり話さず、おとなしいと思っていた子が、お土産屋ではしゃぎまくる陽キャの子に向かって注意をする。

 旅は、そんな普段は見られないような他の人の意外な一面を見ることができる。

 やはり、他の人と行く旅は今までの自分の予想を覆すことが起きるので楽しいものだ。

 



 そして、俺達はしばらく歩いてパウルの商館についた。

 パウルの商館は、周りの建物と似たような作りになっているが、それなりの大きさを誇っている。

 それになんといってもすごかったのが、パウルの商館で働いているであろう人たちが大勢で俺達を迎えてくれたことだった。

 意外と、パウルはすごい商人だったのだ。

 そして、商館の中に入った俺達は、パウルにこれからの予定を教えてもらった。


 「とりあえず、この三日間で村の発展に必要なものを集めましょうか!」


 もちろんOKだ。

 しかし、俺の頭にはある疑問が浮かんだ。

 それは、この星に滞在するのが三日間しかないことだ。

 明らかに少なすぎる、そう思った俺はすぐさまパウルに聞き返した。


 「なあパウル、なんで三日間だけなんだ?」


 するとパウルは、少し困った顔をして言った。


 「実は、この星は観光客でも三日以内には立ち去らないといけない法律があるんですよ.......................」


 宇宙港で大量の軍艦や、憲兵を見かけた時点でなんとなく予想はしていたが、これはかなりまずい事態だ。

 三日間だけだといくらなんでも少なすぎる、俺達のやろうとしていることは村の発展に必要な物や人材を集めることだ。

 だが、三日間だけだといくらなんでも無茶すぎる。 

 「金を出せばどうせどうにかなるだろ」そう思うかもしれない。

 しかし、入国時にパウルに金を出させてしまっているので、さらに金を出してもらうのも申し訳ない。


 「わかった、三日間でなんとかしてみるよ.......................」

 

 俺は、がっかりした声でそう言った。

 すると、パウルは頭を下げて言った。


 「申し訳ございません、グレース様.............................」

 

 街を見に行く前にこんな気分になってしまったのはとても残念なことだ。

 そうして、一通りのやり取りを終えた俺達は街へと飛び出していった。

 



 まず最初に行ったのは、この付近で一番広い広場だ。

 ここは、パウルいわくこの星でも有数の広場だそうだ。

 その分もあってか、この広場はたくさんの店があって、とても活気に満ちている。

 それに、おもしろいのが、この広場には多種多様な種族が俺達と同じように買い物をしていたり物を売っているということだ。

 見た感じ、獣人のような者や、ドワーフ、ゴブリンのような者たちもいる。

 さすがは異世界、そういうことは異世界っぽくなっているようだ。

 それにしても、人間に混じって多種多様な種族が買い物を楽しむ、意外とこの世界は種族間の差別とかは無さそうだ。

 やはり、文明が発展している分、そういう考え方なども進んでいるわけだ。

 ゲオルクが、エルフは迫害されてきたと言って心配していたが、案外心配する必要も無さそうだ。


 

 

 そんなことを思いつつ、俺達は広場を巡る。

 すると、リアルヌが早速、様々な植物が店先にかけてある店を見つけた。

 

 「すみません、農作物の種とかって置いてありますか?」


 リアルヌは早速店主に話しかける。

 俺だったら浮かれてすぐにここに来た目的を忘れて買い物に熱中してしまいそうだが、リアルヌはしっかり農業班のリーダとしてここに来た理由を忘れない、やはり、リアルヌを連れてきたのは正解だった。

 だが、一方のガスターはと言うと、早速変なものを買ってきた。


 「これは何だ?」

 

 ガスターが買ってきたものは、見た感じ子供用の小さな長靴の中に、何かの肉を詰めたようなものだった。

 ガスターいわく、ウツボナガグツという食虫植物の中に、ウシドリという動物の肉を詰め込んだ「ウツボナガグツの肉詰め」という料理らしい。

 「あんまり無駄遣いしないでほしいものなのだが..................」心のなかではそう思ったが、パウルからもとても美味しいということを言われたので、俺はそれにかぶりついた。

 するとどうだろう、尋常じゃない美味しさだ。

 味は、自分が前の世界で一度だけ食ったことのある松坂牛よりもうまい味だった。

 そして、俺はそれをもったいぶることなく、すぐに喰らい尽くした。

 だが、食べ終わった俺の頭には、あることが浮かんでいた。

 それは、こんなに美味かったら絶対高かっただろう、ということだ。

 俺はすぐに、ガスターに値段を尋ねる。

 すると、ガスターから返ってきたことは、案の定半端ない値段だった。


 「一つ、金貨二枚だったぞ!」


 そのことを聞いた俺とパウルは、案の定、頭が真っ白になった。

 まあ、なんとなく予想はつくだろうが、この世界の金貨の額は尋常なくらい高い。

 一応、この話をするうえで、この世界の貨幣について解説しておこう。

 この世界の貨幣は、銅貨、銀貨、金貨、白金貨の四つが共通貨幣として使われている。

 価値としては、文字を見て分かる通り、白金貨が一番価値が高い。

 なので、金貨はとても高い価値なのだ。

 しかも、このときの予算は金貨三十枚だった。

 それなのにもかかわらず、ガスターが五個も買ってきたので、俺達の予算は、残り金貨二十枚になってしまった。

 さすがにこのあと、俺はブチギレた。

 



 だが、こんなトラブルも旅の面白いところだ。

 しかし、このあとにトラブルとは言い表せない出来事が起こるとは、まだ誰も予想していなかった。

 

 

 



 

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