03話 初の異世界探索
「はぁ....................................................」
外に出た俺は、予想通りの世界に心底がっかりして、大きなため息をついてしまった。
外の世界は俺の予想通り、荒廃した世界だったからだ。
しかもその荒れようは、「荒廃していたとしても、木や草などの自然は残っているだろう」と、思っていた俺の期待を易々と裏切るものだった。
それはなぜか? 外の世界は、荒れ果てて雑草すら一本も生えてない大地と、遠くに所々見える廃墟しかなかったのだ。
先程まで、異世界転生系の小説でお馴染みの、美人となって少し喜んでいたのに、この荒れ果てた大地は、その喜びを余裕で粉砕した。
しかし、そんなことで立ち止まっている暇はない。
いくら期待していた異世界とは違くても、とりあえず、あのままトラックに跳ねられて死ぬよりかは、幾分もましだ。
そう思った当時の俺は、とりあえずカリウスとか言うあの子のいった通り、北の廃墟を目指すことにした。
どうやらカリウスが言うに、廃墟には事前にビーコンが設置されているらしい。
なので、光の柱が出ているのを見て、すぐに廃墟の位置を知ることができた。
しかしまあ、ビーコンがある時点で察していると思うが、この世界はもといた世界よりも技術が発展しているわけだ。
その事から言えること、それは、この世界では俺の知っている常識がかなり通用しないということだ。
このときの俺は、そんなことを深く考えず廃墟に向かっていた。
だが、すぐにこの世界の洗礼を受けることになったのだった。
「それにしても、歩きかよ。」
俺は、歩きに不満を感じていてひとりごとを言っていた。
廃墟までには意外と距離がある上に、岩場しかく、歩くのがきつかったからだ。
おそらく、歩くのが嫌で、つまらないと思ったのはこのときが一番酷かっただろう。
しかし、そんなつまらないと思う感覚は、すぐに書き消されてしまった。
なぜそうなったのか? それは、俺がそんな不満を感じていた最中、急に近くからロボットアニメで聞いたことのあるような、ロボットが歩くような音が俺の耳に入ってきたからである。
俺は、その音を聞くと最初は驚いたが、六割りほどの好奇心が、四割りほどの恐怖に一瞬で勝ってしまい、音の正体を確認することにしたのだ。
どうやら音の正体は近くのすこし大きな岩の裏にいるらしい。
俺は岩に登って、おそるおそる音の正体を確認する。
音の正体は、百六十センチほどの高さの筒に四つの小さな足がついた、なんとも言えない不気味さをもつロボットらしきものだった。
見たところ普通に歩いていることから、まだ俺には気付いていないらしい。
俺は、声をかけるか迷っていた。
こういう感じのゲームをやったことがある俺の経験からすると、声をかけた場合大体は攻撃してくることだろうと安易に予測できた。
しかしここは異世界だ、なにか有力な情報が手に入るかもしれない。
俺の考えは、割れていた。
結局少し考えた後、俺は意を決してロボットらしきものに話しかけてみることにした。
こういう場合は、とにかく笑顔が重要だ。
ロボットらしきものには通用するかわからんが、俺は会社の営業をやっていたときの営業スマイルを意識して、話しかけてみた。
「こんにちは!」
その瞬間、ロボットらしきものがこちらを向く、俺を認識したのか、すこし奴は固まっていた。
見た感じ、攻撃してくる素振りはない。
たぶん大丈夫たと思った俺は、心の中で警戒心を解いてロボットに近づこうとした。
だが、俺が一歩を踏み出した途端に体から謎の腕らしきものがものすごい早さで出てきた。
いきなりなんだ?と思い、俺は動きを止める。
すると、先程出てきた腕から急に光の棒みたいなものが出てきた。
見た感じ、子供の頃みていたロボットアニメのビームサーベルに似ている。
思ったことはそれ以外にただ一つ、「ヤバい!」それだけだった。
警鐘が鳴らされた俺の身体は、自然と即座に距離をとる。
だか、俺が距離をとった直後奴は、筒の上の方にある穴から、レーザ-ビームみたいなのを発射してきた。
幸いにも俺は、早めに動いていたおかげで岩の裏になんとか逃げ切った。
その直後、レーザーは岩に直撃する。
だが、岩にぶつかったレーザーは小規模な爆破を起こしたと思ったら、盾となった岩を完全に粉砕した。
あまりの凄さに俺は度肝を抜かれた。
俺は、すぐさま近くの岩影に飛び込む、そして、飛び込んだ先で必死に考えた。
見た感じ、逃げてもレーザーに撃ち抜かれるのは避けられなそうだ、かといって他の岩影に逃げ込んだとしても、ジリ貧だ。
しかし、さっき岩影に飛び込んだ時点で、この身体がすごいことはわかった。
前世の俺だったらできなかっただろうが、謎の自信が湧いていた俺は、戦うという考えに至った。
戦うことを決めた俺は、肩にかけていた銃を手に持った。
銃のタイプは、昔やっていたゲームの知識もあってボルトアクション式だと、すぐにわかった。
奴の攻撃パターンはおそらく、遠距離はレーザー、近距離は腕のビームサーベルだ。
ビームサーベルは近寄らなければ大丈夫だが、レーザはすぐに逃げなければならない。
それを踏まえた上で俺が立てた作戦は、一発叩き込んだらすぐに隠れる、というシンプルなものだった。
意を決して岩影から飛び出した、そしてすぐに奴に狙いを定める。
そして、狙いがさだまったと同時に銃の引き金を引いた。
その直後、銃口から激しい音がなり、俺の体は強い反動を感じた。
初めて撃つ銃だったが、放たれた銃弾は、奴の胴体に命中した。
だが奴には、効いたように見えずお返しとばかりにレーザーを放ってきた。
俺は、またも岩影に隠れてやり過ごした。
銃を当てれば、なんとかなるだろうという楽観的な考えを心の片隅で持っていた俺は、焦った。
しかし、今は焦ってる場合ではなく、奴の倒し方を考えなければ行けない。
俺は必死に考えた。
そして、必死に考えている途中、あることを思い出した。
昔やっていたゲームでは、こういう奴を倒すには弱点に当てないと倒せない、ということを。
もしこの仮説が合っていれば、奴にも弱点があるはずだ。
そして、俺には奴の弱点らしき場所に思い当たる節があった。
そこは、レーザーの発射口だ。
俺は、また岩影から飛び出して奴の目に狙いを定めた、そして強く「当たれ」と心で念じながら引き金を引いた。
放たれた銃弾は、狙い的にも当たるのは難しいものだった、しかしなぜかわからんが、弾は奴の目に、寸分の狂いもなく命中した。
その直後奴の体から煙があがった。
どうやら、仮説はあっていたらしい。
だか奴は、まだビームサーベルを振り回しながらあちこちを動きまくる。
奴の目は見えていないと判断した俺は、ナイフを抜いて一気に距離をつめる。
狙うのはもちろん目だ。
奴は苦し紛れなのか、ビームサーベルの横なぎを放ってきた、だが目が見えていない状態の横なぎなど当たるバズがなかった。
そして、その間にも距離を詰めた俺は奴の目にナイフを勢いよく突き刺した。
ナイフが刺さった直後、奴は動かなくなった。
俺は、この世界で初のピンチを乗りきったのだ。
このときの気持ちは、今でも高揚していたのを覚えている。
だか、勝利を心の中で祝っている場合ではなかった。
今のメイン目的は、北の廃墟の探査だ。
しょせんこの戦いは、ただの遭遇戦にすぎないのだ。
俺は、いそいでビーコンを頼りに廃墟に向かった。
道中では、他になにも遭遇することはなく廃墟に無事たどり着けた。
廃墟は巨大なドームだった。
見た感じ、ドームには大量に穴が空いてる。
なにかの攻撃を受けたのだろうか?、そんなことを思いつつ廃墟の入口を探す。
そして十分ぐらい探したところで、入り口らしきものを見つけた。
正直、さっきの戦いで入るのが怖くなってしまっていたが、俺は意を決して中に入っていった。




