26話 環・食・住
俺は早速昨日考えた開拓の人事をみんなに発表した。
だが、人事を発表する前に俺がどんな感じで人事を決めたのか話しておこう。
俺は今回、大きく分けて三つのことに集中してメンバーを分けた。
食・住、そして環境だ。
「食・住があるのになぜ衣がない!」そうツッコミたくなるかもしれんが、俺達は立派な服を作るような機械などは何も持っていないのだ。
しかし、簡単な服ならダチョウドリの毛皮を使ってつくることができるので後回しにしたのだ。
そして代わりに入れた環、これは環境のことだ。
入れた理由はわかると思うが、一応言っておくと、過酷な砂漠の惑星を生活しやすいものにするために入れた。
ちなみに、この村の住民は全部で五十八人いるのでなかなか決めるのが大変だった、カリウスがみんなの得意なことなどを調査していなかったらもっと時間がかかっていたことだろう。
では、どんな感じで人事を決めたのかもわかったと思うので人事を発表していこう。
「では、それぞれの役割を発表していく!」
俺はみんなの役割を発表していった。
そして、十分ほどでみんなの役割を教えた。
みんなに発表した役割はこうだ。
食料担当
ワーグナー、リアルヌ、他二十名
食料担当はワーグナーとリアルヌに任せることにした。
ワーグナーは狩りが得意なので、ワーグナーを中心として他五人とともにサンドアントなどを狩ってもらい食料を調達して貰う予定だ。
リアルヌはこの村の住人の中で唯一、建築加速の魔法以外にも元から持っている水の魔法を発展させた雨の魔法を使えるので水の扱い方に関してはこの村の中で一番詳しい、なので農業はリアルヌを中心としてやってもらうことにした。
住居担当
十五名
住居担当は、この村の住人の得意分野なのでほとんどみんなに任せることにした。
ちなみに、リーダーを務めるのはこの村で一番の建物づくり職人であるブルーノに任せることにした。
ブルーノはThe大工って感じの気の良いおっちゃんなので、任せて大丈夫だと判断したのでリーダーにした。
環境担当
俺、ガスター、他十五名
環境担当は、もちろん俺がリーダを務める。
他の十五名は、環境を操作する前に周辺環境を調査してもらうことだ。
ちなみに、なんでガスターが入っているのかを説明しよう。
環境操作の魔法の欠点は魔力の消費が激しいことだ。
当然、普通の人間であるこの体は魔力量などたかが知れている。
そこで、何故か魔力量が無尽蔵にあるガスターから魔力を分けてもらって一気に環境操作の魔法を使おうという考えだ。
さて、最後にまだ役割が与えられていないカリウスとゲオルクの役割を教えよう。
二人には、教育と外交をやってもらうことにした。
まずは教育、この村には子供が八人いるので教育は必須だ、なのでゲオルクのこの星の知識とカリウスの持っているこの星にない知識、これをいかして教育をやってもらう。
次に外交、ゲオルクが前に「この星には十個ほど他のエルフが住む村がある」と言っていた。
なので二人には他の村と交渉してエルフを統一してもらう。
結構大変な仕事だが、二人の能力を高く評価しているので、この二人をこの仕事につけたのだ。
以上が皆の役割だ、なかなか自分にしてはよく分けられたと思っている。
そして、みんなの役割をふった俺はみんなに向けて言った。
「みんな!これからはみんなの働きによってこの村がどうなるか決まってくる! 頼んだぞ!」
その瞬間みんなから拍手が来る。
向こうの世界ではこんなことなかったので、なかなか照れるもんだ。
そして数日後、俺はみんながどんな感じに仕事をしているのか確認していた。
「環境操作の仕事はどうした?」そう言いたくなると思うが、今は一旦休憩だ。
ちなみに、ガスターの魔力が半端ないおかげでほぼノンストップでやっている。
今では村の近くに巨大な湖と巨大な森、そして村にも緑を増やしていった。
調査班もよくやってくれている、彼らのお陰でその場の地形を生かした環境も作ることができた。
それはさておき、とりあえず今はみんなの確認だ。
今向かっているのは、ワーグナーのところだ。
ワーグナーたちは村外れの大きな小屋を拠点に狩りをしている。
しかし、でかい割には中身がすっからかんなので、そのうち中の設備を増やしていきたいもんだ。
そして、そんなことを考えながら五分ほど歩くとワーグナーたちのいる小屋についた。
小屋の入り口の前についた俺は、小屋の中に入る。
すると、ワーグナーが巨大なサンドアントを解体している様子が目に飛び込んできた。
「ようこそ来てくださいました、グレース様!」
ワーグナーは俺に気づいて挨拶をしてくる、俺も挨拶をしっかりと返した。
そして、ワーグナーの解体しているサンドアントを見た俺は言う。
「それにしても美味しそうだな!」
ワーグナーいわく、サンドアントは見た目が普通のアリなのにたいして、中はとてもプリプリの身が詰まっていて、さらに格別の味と聞いている。
こんなのが、採れたてと来たら食べてみたいことに越したことはない。
すると、俺の先ほどの発言を聞いたワーグナーは少し興奮した声になりながら言った。
「でしょでしょ!今食べていきます!?」
ワーグナーも食べることに乗り気なようだ。
「ああ!食べようぜ!」
そう言うと、ワーグナーは即座に包丁で一番うまそうな部位を切り出した。
ちなみに、「なんで包丁とかを持っているんだ?」と思うが、こんな惑星でも交易商が来るので包丁などの道具を持っているのは当然だ。
ちなみに、この星に来る交易商はサンドアントを買いに来るらしい。
そうこうしていると、ワーグナーは皿に身を乗っけて持ってきた。
なんてうまそうなんだ!見た目だけでも半端ない。
「さあ!いっちゃてください!」
俺はワーグナーに言われるがままに、身を手で掴んだ。
本当は箸を使いたいところだが、この村には箸の文化はない、まあいずれ教えて行くつもりだが。
俺はそんなことを思いながらサンドアントの身を口に入れた。
「うっま!?」
俺は、あまりのうまさに思わず声を出してしまった。
とにかくうますぎる、俺がこの世界で食べたものの中でも格別にうまいと感じさせられる。
「さあ!どんどんいっちゃってください!」
俺は、ワーグナーがそう言ったのでお構い無しにサンドアントの身を食べた。
だが、しばらくすると外から誰かが走る音が聞こえてきた。
「何かあったのか?」
俺はそんなことを思いつつもサンドアントの身を食べる。
すると、いきなり扉が大きな音をたてて開いた。
俺たちはいきなりのことに驚いて扉の方を見つめた。
扉のところにはカリウスが息を切らして立っていた。
「どうしたんだ?」
俺は気になってカリウスに質問する。
すると、カリウスの口から出た言葉は意外なものだった。
「行商人が来ました!!」
インフルにかかっていて投稿が遅れました、すみません。




