表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

<第1話 入局>

 医師国家試験に無事合格し、コンペイは晴れて医師になれた。就職は病弱の母がいるので地元の国立大学病院外科を選択し採用された。新設の医学部で病院開院2年目である。スタッフは、教授1名、助教授1名、講師2名、助手4名、研修2年生3名、そして研修1年生コンペイ1名、総勢12名の陣容であった。医学部の学生が卒業するのは2年後からであった。

 入局第1日目、国家試験の合格通知と医師登録を確認した段階で医局を訪れた。5月の連休明けの初日だった。医局に入って挨拶した直後に「君は今まで何をしていたんだね。」

医局長は呆気に取られた顔で言った。

「医師になれたことを確認してからきたんですが。」と答えたが、何か大きなミスをやってしまったと悟った。医局長は怒るどころか笑いながら「入局は国家試験の合格の有無にかかわらず4月1日に出勤するのが通例なんよ。こちらにいる2人の先生は国家試験は落ちたけど、ちゃんと4月1日から来とるよ。」

2人は医師になれず臨床で患者を治療できないため、研究員として国家試験に合格するまで研究室のアシスタントをやっているそうである。

「まあ、とにかくこれで本年度の研修医を1人確保できたわい。めでたし、めでたし。」と嬉しそうに医局長は言ってくれたのであった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ