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平凡なブラック社畜がいく異世界日誌  作者: あじゅ
第一世界 アウゼリカ
3/4

異旅者ってな~に?

2話連続投稿~


「異旅者?」


そんな単語が出てきた。


「やっぱり、異旅者か……、ちょっとこっちに来てくれるか?」


そんなことを言って門番の人はもう一人に詰所に行くと告げ、俺を手招きしながら呼んだ。


(よく分からないが、あの門番は知ってるようだし着いていくのが吉か……。)


門番に案内されるがまま詰所まで案内された。


案内された詰所は、よくある警備員室みたいなものだった。真ん中机の両端にある二つの椅子のどちらかに座るように促され


「俺はクエンってもんだ。ここで門番をしている。」


彼は、肌は黒く大柄の男性で、全身甲冑で身を包んでいた。その兜を脱ぎながら茶目っ気のある笑顔で言ってきた。


「自分は平田雄一です。あなたが言う異旅者?ってもんです。」


そんな感じで自分も自己紹介をした。


「ヒラ・タユウ・イチ?」


変なイントネーションで名前を言われたので、


「言いづらかったらユウでいいですよ。」


「おぉ~助かる。ならユウで呼ばせてもらうぞ。」


クエンはそう言って、彼は机の奥のほうの椅子に座り自分は手前の椅子に座り、手に持っていた日記帳を机の上に置いた。


「クエンさん、ここってどこなんですか?異旅者ってなんです?どうやって俺はここにきたんですか?」


俺は矢継ぎ早に質問していくが彼が止めるように


「おいおい……、落ち着け。そんなに質問されても困るぞ。」


「あっ……すいません。」


確かにその通りだ。こんなに質問されても答えられるはずがないよな。

彼が、自分が落ち着くのを見て喋りだした。


「よし、落ち着いたようだな。まずは、異旅者についてだが、異旅者のだいたいは違う世界からこっちらに来た人間を指んだが、この異旅者ってのは過去に何度も来たことがあるんだと。来た人数とか何年間隔で来ていたとかそういうのは分からん。俺が異旅者に会うのはユウが初めてだな。どうやって来たとかは……すまんが分からん。異旅者は全員目が覚めたらここにいたと言っていた。」


そう説明される。


「なるほど……、どうやって来たのか分からないけど、俺以外にも過去に違う世界から来た人がいたんですね。」


「その通りだ、んで、ここはカラナド国のフブラドって街だ。あと、他にも国はあるんだが……、教えるのめんどくせぇから自分で調べたりなんだりしてくれや。」


彼は見た目通り大雑把な性格なのか、ガハハハッと笑いながら言ってきた。

それを見た俺はちょっと呆れながら


「はぁ……分かりました。自分で調べます。」


「そうしてくれ。んじゃ、ユウ。お前異旅者だから金とかないだろう。ここから出て真っ直ぐ行くと一際目立つ建物が見えてくるんだが、そこで仕事をくれる。取り敢えずそこに行くといいだろう。」


「ホントですか!それは助かります、教えてくれてありがとうございます。」


(俺の世界的にいうハ〇ーワーク的なもんか?けど、ホントそれは助かる。一文無しでホームレスみたいな生活は嫌だからな。)


そして、クエンは立ち上がり、置いていた兜を手に取り


「さて、俺も仕事をほっぽたまま出来ねえし、あとは自分でなんとかしてくれ。」


俺も彼に続くように立ち上がり、机に置いた日記帳を手に持ち彼の後に着いていく。

そして、詰所から外に出た時にクエンが


「まぁ、これも縁だ。困ったことがあれば言ってくれ。ここまで来てくれれば、なんでもではないがある程度は出来ると思うからな。」


「分かりました、ありがとうございます。また、困ったりしたらここに来ますね。」


「おう。」


クエンは門のほうへ、自分はハ〇ーワークへと足を向けた。


「ユウ~、頑張れよ~。」


クエンは門から大きな声で手を振りながら言っている。俺も笑顔で手を振り返し思った。


(いい人だった。久々に気持ちのいい人に会った気がする……。ブラック会社に勤めてたからなのか、ギスギスしたり、人を信用できなかったりしたからか、自分が荒んでたからかな。ただ、また仕事を探すのか~……大丈夫か俺?)


不安を感じながらも俺は教えてもらった場所に、相棒となっている日記帳を携え足を進めていった。

今日はここまで。

次回はハ〇ーワーク編

自分はまだお世話になってません。今後お世話になるかもだが……。

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