救世主VS原初の破壊神(陰猫先生とのコラボ小説)
「ふーん……ここが、ねぇ」
荒涼した世界に降り立つ青年……霊斗は自身の刀を握りしめて、そこに降り立った。
肩からかけた黒い外套。その背中には紅白の陰陽玉──即ち、とある神社の縁者であることを示すマークが大きく描かれている。
「んで、お前が破壊神でいいのか?」
目の前にいる40メートルもある人型の異形の言葉を聞くまでもなく、霊斗は歩き出す。人型の異形は言葉にならない声を発しながら、拳を振り上げ、それを光よりも早く霊斗に向かって放つ。
しかし──その拳は霊斗によって静止させられた。
「おせぇ」
霊斗はそれだけ言うと、拳を打ち返す。その瞬間、人型の異形の腕は肩口から弾け飛んだ。
「──────!!」
人型の異形は声を上げると、超高温の炎の息を放った。それに対して霊斗は──救世主は手刀を振るう。ただそれだけで空間は断裂し、ブレスも同時に断たれた。
「テメェはこの世界の原初だろうが……俺には関係ない。世界を壊して、お前を殺して、再構築すればいいんだろ」
霊斗はそう言うと、右手を空へ掲げる。次の瞬間、世界は、原初は、救世主は──圧倒的な光に飲み込まれた。世界が光によって分解かれた次の瞬間、世界は再構築される。霊斗を核とする新たな世界が生まれ、それは次の瞬間には先ほどの破壊神がいなかった場合の世界へと生まれ変わった。
それこそが、救世主の力──即ち。全てを破壊する力なり。