第一話 不思議な猫
「行って来まーす、チャル!元気にしててね」
「ニャーーオー」(もう帰ってくんなよ)
ふう、これで全員出かけたか。
脱出計画開始!
窓からの景色をみるかぎり、この家はマンションか団地だろう。
いや、団地はないなマンションか。地面からの高さからここは6~7階くらいか?窓から出るのは困難だ。運良く出られたとして、下の階の人間に見つかってしまう。それでは意味がない。
じゃあ玄関からでるしかないのか?どう出るか。家の誰かが玄関のドアを開けた瞬間に出る?いや、それはダメだ。逃げられるわけがない。最悪の場合俺が外に出ようとしている事がバレてしまう。
「ガタッ」
「!!?ニャアーオー」
ヤバい、引きこもりだ!
この野郎~!まだ家にいやがったのか。
そういやあコイツずっと家にいるんだったな。
めんどくせえ。調べられねえじゃねえか。
奴はいい仕事してるぜ。自称自宅警備員だっけ。1日三食ついて風呂も寝床もあり。いいご身分だぜ。
「プピー、プシュー、ちゃる氏元気でござるか?」
「ニャアァオォォォォォオオオ」(早く寝ろクソニート)
~二時間後~
やっと定位置に戻ったか....
奴だけは行動パターンが読めない。
この先一番の強敵となるだろう。。。
??「ウワーーオ(聞こえているか)」
ん?この声は?俺じゃないぞ!
チャル「ウワーーオォ(誰だ!)」
??「ウワーーァァァ(私はメロディー)」
チャル「ウウウォォォォ(メロディー?メスか。君はどこにいる?)」
メロディー「ウウウウウウウゥゥゥゥ(ベランダを見てみろ)」
ベランダだと!?スタタタタ
チャル「アアオウゥゥゥゥゥォォオ(お前自由に外を出入り出来るのか)」
メロディー「アアアォォォォォォォ(ああそうだ。お前外に出たいんだろう?私の力を貸してやろうか?)」
チャル「な、なぜそれを!?」
メロディー「知っているからだ」
チャル「理由になってないぞ。まあいい、貸してくれるなら貸してくれ」
メロディー「....」
チャル「どうした?」
メロディー「時間だ」
チャル「!?」
チャル「おい!!」
メロディー「ちなみに私はオスだ」
チャル「.......お前も大変だな」
メロディー「..........」
ダッ(ベランダから飛び降りた音)
チャル「お前、なにやって!?」
いない!?
ここは7階だぞ!?
「ガチャ」
誰か帰って来た
....パチンコか
まさかあいつ!?
「ただいま~っと。ちゃる。飯だ」
「.............」
何だったんだ?あいつ