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序章 我が輩は猫である

我が輩は猫である


生まれた時から母親と引き離され人間に育てられている。


何年も同じ景色を徘徊し、何年も同じ奴らに体中をベタベタ触られる。


彼らは動物愛護法という法律をつくってはいるが、それは人間会における殺害さえしなければ罪には問われないという法律だ。

そう、直接的に死を与えるような事をしなければ罪には問われない。それに例え殺したとしてもいくらでも隠すことが出来る。

つまり、いくら嫌なことをされようとも耐えるしかないのだ。


私は自然界の弱肉強食の世界から脱却するため、身の安全を保障するために奴らと生活している。いえば私に拒否権が無かったのも真実だろう。まあ、1日2回の食事、安心出来る睡眠スペース。今考えれば上手い話なのかもな。




....だが、俺にはもう耐えられない。甲高く、うるせえ声で私にちょっかい出してくる20歳の女。こいつの名は「えり」って言ったかな。俺の10倍は生きてるクセに常識ってのをわかっちゃいない。毎日フラッシュたいて写真撮ってくるし、部屋の電気は消さねえで寝るしよお、俺は明るいところじゃ寝れねえんだぜ。

....愚痴はこれくらいにしておこう。要するに俺はもうここでは生活ができん。とにかく外にでたい。見たことねえがよぉ、外にはいろんなもんがあるんだろう?塩で出来た水、目の前一帯を覆う山、氷、雲。こんな世界がよぉ、薄い扉の外をでたら広がってるんだろ?男なら一度は拝まなきゃこの世をされねえぜ!



でも、この家から抜け出すのはそんな簡単なことじゃない。

この家から抜け出すには、いろんな障害がある。一番大きいのは人間だ。この家には5人の人間がいる。一人目はこの家の主「おいぼれ」。もう70歳の爺だ。名前は知らねえ。二人目は「パチンコ」。おいぼれの奥さんかなんか、おそらく65歳くらい。いつもパチンコに行ってる。三人目はおいぼれとパチンコの娘、「ハゲムシ」。後頭部がハゲてきているからハゲムシらしい。息子命名。45歳?。植毛済み。四人目は先ほど紹介したクソ女「まる子」。20歳。ちびまる子ちゃんに似ている。五人目は末っ子「引きこもり」。男である。一日中家にいる。家から外にでた姿を見たことがない。16歳。

一番厄介なのは「引きこもり」だ。奴は何があろうと家から離れない。でも俺は諦めねえ。どんな事があろうと脱出してやるぜ。

さあ、開始のゴングを鳴らそうか!

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