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地獄に堕ちし者達  作者: 柴野まい
第3地獄
8/20

地獄の試練

すみません。またまた短いです。

過去のセインセイズの話をしよう。


セインセイズは地獄に至った後、地獄の長の存在を知った。

地獄の長は現在の地獄を知れると。

最初は引き離された母親について知れるかもしれないという理由であった。

だから、地獄の試練に挑んだ。


地獄の試練とは、生前の追体験。


だが、セインセイズの歪だった魂は、母親の記憶も体験する事になった。


母親の家での生活。

母親の幼少期。




それは、よくいる1人の女の子だった。

幼馴染と遊び、家を手伝い、家族と共にご飯を食べる。


そんな普通の日常。


だが、それは脆くも崩れ去った。


姪の美貌を見出した叔父が、彼女を売ったのだ。

家は決して余裕があった訳ではなく、むしろ貧乏だった。

だから、叔父は姪を貴族に売ったのだ。

悪気があった訳ではない。

貴族に売れば、教養も身につけられるし、貧乏な暮らしをさせないで済む、叔父はそう思ったのだろうとセインセイズは感じた。


だが、彼女は違ったようだ。


泣き喚き、離れたくない、行きたくないと懇願した。


家族も幼馴染も涙を堪え、貴族に連れられていく母親を見送っていた。


ここまでは普通の家族だったはずだった。


狂ったのは、誰かが変わってしまったから。

それは彼女かもしれないし、幼馴染かもしれない。家族だったかもしれない。




貴族の家に行った後、彼女はいつも泣いていた。

自分は要らないから売られたのだと思い込んで。

家族が泣いているのを見ていたはずなのに。

幼馴染が泣いているのを見ていたはずなのに。


泣いて、泣いて、涙も枯れて。

その後、彼女は学ぶ。

この家へ来た理由を見いだすために。

全ては自分の存在意義を見つけるために。

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