表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オルティア・レコード  作者: 南 泉
二章 〜 魔女と小さな銀の鍵 〜 ベルゼ浮遊大陸編 第一部
47/75

47話 王と合成獣 キマーラ


「貴殿らの働きは、真に重畳である、ルカス以下、”竜の爪”からも報告を受けておる

居住まいを楽にせよ」


 俺達は、翌朝王城に呼ばれてリブス王をと再び謁見していた


 本日の俺の佇まいはと言うと

お気に入りのアリスブルーのワンピースにゴーストホワイトの豪奢なロングペチコート

それに王都で買い求めたやや薄めの白の”足全体を覆う袋状のタイツ”なる

靴下を履き足元はゴーストホワイトのリボンをあしらったライトピンクの

ストラップパンプスという出で立ちである。


 何でもこの”足全体を覆う袋状のタイツ”は”アラクネ”を捕獲して餌を与えて

”飼育”してそこから大量に糸を紡がせ生産しているという。


 口元は、透明な口紅のせいか艶っぽく濡れていて門の衛兵の視線が口元に集中して

突き刺さり俺は、思わず手で口元を貴族の娘がやるように隠してしまいまた余計な

視線を集めてしまう。


 苦手だった赤やピンク等の洋服や小物も二回目の”アレ”以来抵抗が無くなってきていて

「ミーお姉様ももっとお洒落したらどうですか? 」

と聞くと


「わたし、とうとう”お洒落”でシーちゃんに負けちゃったわ」 とボヤいていたが

それでも彼女の魅力を引きたたせるには十分な”お洒落”をしていた

そのビヨンも彼女に誂えて貰ってとてもオートマトには見えなかったし

ビヨンとは体格も同じなので洋服の”取り替えっこ”を楽しんでいた


「はい、陛下もご息災で何よりで御座います」

と 言うと

「ハハハ、これだけが儂の取り柄じゃよ してこれは確認だが彼奴らの

司祭は......で、”弓張月(銀の三日月)”いや” 銀の三日月”だったか、から呪物の提供や

情報の提供を受けているということで相違ないな」

「はい、陛下の申し上げた通りで御座います またこれは私事ではありますが

加えて武闘集団”フレジア”がわたしめらに刺客を差し向けたようだとの情報も有ります」


「ほぅ、あの”フレジア”がか? 」

「陛下は、ご存知で? 」

「勿論じゃとも、金次第で何でもやる外道集団よ その集団に狙われるとはお主も”有名”

になったな ガハハハハッ」 

と大笑い


「陛下わたくしシーアの立場もご配慮下さいませ♡ 」

「そうか、すまんかったなしてその首魁もお主が討ち果たすというのじゃな? 」

「我が身と一行パーティーに降り掛かる”火の粉”は振り払わねばなりませぬ

それがわたくしに課せられた責務であり宿命であるならば」


「はっはは、 愉快・愉快全く胆力のある娘よ して”エリス”に渡したいものが

あるそうじゃな? 」


俺は、

あらじめこの事を”ルカス”に伝えておいたのだ。


「はい、先程の”フレジア”の刺客はわたしめらだけではなく陛下のご息女であられます

エリスティーナ姫殿下にも冥き囁きが聞こえるやも知れません”クィエル教”なる

非道な輩

彼らにとって確約は絵空事にすぎませぬ

そこでわたくしめらがエリス姫殿下に”守り手”をご用意させて戴きました

陛下・王妃様のみならずこの居城にとっても大いなる”守り手”となりましょう

かせて宜しいでしょうか 今一度陛下のご裁断を 」


「うむ、良かろう エリスを此処へ! 」



「あと、姫殿下に悪意を向けなければ決して害する事は有りません事を

このシーアがご担保いたします。 」


エリスがやって来ると

「わぁ〜シーお姉様お会いしたかったですぅ それに素敵な...お召もの〜♡ 」

(素敵な...お召もの〜♡ かこういうのも悪くないな)


「それでは姫殿下...お手を」

と言って左手を取り中指に 銀の爬虫類の目玉の様な石に銀の蛇が巻き付いた様な

意匠デザインの指輪を嵌めて

クローティアから教わった契約の言霊を紡ぐ


《 我シーア、汝エリスティーナ

旧き蛇のまなこにて庇保ひほうする者なり以ってこの指輪を証しとす 》


と唱え接吻をすると一瞬淡く光り契約が完了する。


「それでは、此処に一回だけおびいたします 皆様も驚かれなさらないますよう」


「((我シーアによって命ず、旧き蛇の者よ此処に御身を示し給え))」


と唱えると姿は胴回りはリブス二人分、体長はシーア五人分ぐらいの

白銀の大蛇が現れれエリスの許へ行きこうべを恭しく垂れて

エリスの接吻を待つ


「さぁ、姫殿下その者に接吻をしてやって下さいませ」

「えッええ ちょっと怖いわ でも...んゅッ...」

とおっかなびっくり接吻をする


 またしゅるりと横に控える

この場にいた...リブス・リーテ・ルカス・ルガラス・と幾人かの衛兵は呆けていた


「この、指輪は”邪眼の守り手の指輪”と申しますいついかなる時も

御身から離さぬよう、姫殿下のご成長に合わせて指輪も変化いたしますので

お仕立て直しのご心配は入りませぬ

しかも、ご学友の悪戯程度では喚ばれませぬゆえご安心を

戻す時は”邪眼の守り手の指輪”に接吻をして下さいませ

然るべき居留地に戻りますゆえ」


「して、その者とやらは我が居城は守ってはくれぬのか? 」

リブスは不安げに言う

「彼の者は姫殿下はもとより、この居城も全て守護の対象で御座います

悪しきものは直ちに彼の者の糧と成り果てましょう」


「うむ、相わかったそうえば褒美がまだじゃったな希望が有れば申してみよ」

俺にはある算段が有り一計を案じる

「陛下、恐れながら申し上げます、残る”バルケモス大陸”・”タフタル大陸”・”ルベリト大岩礁帯”

への特別通行許可も頂きたく存じます」

こうべを垂れる


「それぐらいは容易いこと、儂が”歴代国王”の名によって許可いたそうギルドカードをこれに」

と前回同様にカードにリブスが右手中指の”歴代国王”の王印でマギを

付与する。


「後な、儂からもなお主に頼みごとじゃが? 」

「わたくしめの出来る範囲ならばなんなりと」

俺は快く首肯する


「これは、ギルドを通さない儂個人の頼みではあるがな”ガイガ大森林帯”で

”キマーラ”を討伐し”キマーラの肝”を一つ所望したいのじゃ...理由は知っておろう

あと、これは宮廷魔導技師連中が”弾性樹脂ゴム”なる素材が樹の樹液から取れるそうだが

”キマーラ”が棲みついていて採取人も派遣出来ないとボヤいておった。

それの採取も所望したいと思うておる

そなたのオートマトを見るに優秀な”魔導技師”が従いていると思われる

ついては、”弾性樹脂ゴム”が手に入った暁には優先的に”魔導技師”に采配しても

良いぞ...どうか? 」 としたり顔で問いかけてきた

(これは、いい条件かも知れない)


 俺は、即断した。

「はい、必ずやご所望のお品は陛下のお手元に呼び寄せてご覧に入れましょう」

「ウム、後はルカスお前に任せよう 良いな」

「はッ御意に」 とルカスも即座に反応する。

そして王はその場を持する。


「ところで、ルカス様ガイガ大森林帯は何処に? 」

「はいシーア様、ガイガ大森林帯は以前ディーボを討伐なされたトリシ大地下墳墓の

近くにて御座います ここギルトスからですと南西に御座います

ます、真西の”ヘルデ”に向かわれた方が宜しいかと」


「そうですか分かりました、近場に逗留出来る場所はありますか? 」

「それでしたら”リトマンス”に逗留する方法も御座いますよ”森林浴”とかで

”癒やし”を求めて森の中に佇みに来ている人も多いと聞き及んで居ります」

「ありがとう、ルカス様、心に留めておきますね♡ 」

「それでは、行って参ります」

「御武運を」

と言って ルカスとエリスにしばしの別れを告げる。


”カスミ草亭”に戻り”アカネ”に

「アカネさん、お世話になりましたもう一度此処に戻って来る予定が有りますので

そのときはまた」

「えぇ、いつでも戻ってらっしゃいね...それじゃね♡......冒険者って...やっぱいいわね」

とアカネは最後に独りごちた

一路俺達は、西の”ヘルデ”に向けて出立する。


 聞けば”西の”ヘルデ”は杜の都とも言われて”森林浴”目当ての人も多く

相当な規模の街らしい


<<ヤンス、今いい? >>

<<へぃ、シーア様なんの御用でしょう? >>

と念話が返ってきた。

”取り込み”中では無かったらしい。


<<”お願い”があるんだけど頼める? >>

<<なんなりと>>

<<アナタも、杜の都”ヘルデ”入りしもらえる? そしてガイガ大森林帯に棲む”キマーラ”

を監視してくれる? >>

<<あっしの”金糸雀”ならお安い御用でさぁ>>

<<動向を探るだけでいいわ...んと、それとどんなヤツかもね

落ち着いたら、連絡するから人目の付かないトコで落ち合いましょ>>

<<了解しやした>>

と言って念話を切る。


「ユラお願いね♡ 」

{きゅい♪}

「ごめんね、後でゴハンあげるから」

{きゅーい♪}


蒼穹の中、輝く銀の光りは昼仄暗い杜の都”ヘルデ”へ王都ギルトスからでも垣間見える

木々の偉容が得も言われない森林特有の匂いと共に迫っていた

かなり、人目につかぬ様、高高度を意識して飛行していたのだが時折木々の

梢にユラの尾が掠る


俺は、煽られてスカートがバタつかないようにしっかりとショールで

押さえる

今回はギルトスからの移動もある上高度を上げているので

お気に入りととなった”白いタイツ”しっかり穿き込み寒さに備える

もう、俺の方がミーアより”お洒落”になってしまったがこのときばかりは

ミーアも黒い”タイツ”を穿いている

「シーちゃんこれ、温かいね」

「えぇ、ワンピース好きとしはこれはいいモノです 

以外と平地でも涼しく感じられますし、ショーツも隠せて一石二鳥です...お姉様♡ 」


 最初は、間接的にペチコートやスカートの生地が触れたり

つるつるした感触に慣れなかったが今ではすっかり”タイツ”の魅力に取り憑かれていた

座る時も今では、意識しなくても両足を揃えて座る所作が自然に身に付いていて

跨って座るなんてまるで”男”の様ではないか。

(あれ、俺って”男”だよな いつからだっけかな...あまり”意識”しないで”少女”らしく

振る舞えるようになったのは)


遊覧中そんな事を考えていると

突然、頭のなかに


〜〜 シーアよ、”妾達”も早う”娘”たるお前に逢いたいものよのぅ

”かあさま”達もお前に会いとうなってきたわ...今晩微睡みで母娘おやこの会瀬と

参りましょう......”かあさま”達はいつでも”シーア”アナタを歓迎するわ 〜〜


とはっきり、ころころ楽しそうなうなそれでいて待ち詫ているような”少女”の声がはっきり響く


「えッ! ”かあさま” ですって!? 」 と俺は思わず大声を上げた

「シーちゃん ”かあさま”って ”シアズ様”の? 」

「いや、分からないです 、お姉様...まだわたしにはなんとも...

でもでもッ わたし、なんとなく嬉しいです♡ 」

これは、偽ざる俺の本音だった。 両親が魔物に殺されて以来 ずっと”レフィキア”が

母親代わりでもう亡き母親の面影は、”レフィキア”に塗り重ねられていたのだから

その”レフィキア”も、既に信じる神の許へ逝き転生の環に入っていった。


それでも”かあさま”と称する者から楽しみにしていると言われれば、

期待が否が応でも高まろうというもの久しぶりに亡き”かあさま”への想いが募る。


「シーちゃんの”かあさま”に逢えるといいね」 とミーアが後ろからぎゅぅとしてくれる

「今夜が楽しみ♡ 」 とそれきり俺は黙り込んでしまった。


やがて、杜の匂いが強くなりそれで俺は、到着を知る

「ユラ、彼処に」

と郊外らしき場所へ降り立ち

「ゴハンもう少し待っててね♡ 」

と頬を撫でてやる

{きゅ〜ん}

とやはりゴハンは欲しいようだ

そこで、俺はキマーラの肉ならば”肝”では無いので

討伐したら肉のみをユラに食べさせることにする。


「ビヨン、解体の時肉と肝はちゃんと分けてね お願い♡ 」

[ 肯定・目標解体時に解体度調整......完了 ]

と口をむぐむぐさせて”飴”を要求する


「あッゴメンネ♡ はい、どうぞ」

[ んゅんゅんっんっ ] と余程口寂しかったのか

俺の指まで丁寧に舐めとる


「や〜ん♡ 強く吸わないでぇ〜 んふぅ〜♡ 」 と変な声を上げて

慌てて指を引くと俺の指をまだ可愛い舌が追いかけて来て

「もぅ、飴はオ・シ・マ・イね」

と袋を仕舞う。

それでも視線はしっかり袋を追いかけていた


 ユラは所定の位置に戻り俺達は、所定の人頭税を払い杜の都ヘルデ内に入る

ここヘルデはやはり古代の遺構が都市の基盤になっており巨大な樹々の回廊となっていて

都市全体が”巨大な森林浴場”ともなっていた。

恒例の如くギルドの門を叩きカードの更新をする


 さすがは杜の都エル族の”ステラ”が出迎えてくれた

「あらっ、更新の方? 」

又、怪訝そうな顔をされる。

俺はそれでも、

「はぃ、そうです」

と答えるしかなかった

「ごめんなさいね、貴女とても冒険者には見えないんですもの」

”ステラ”は素直に謝罪する。

「いえ」

カードを差し出すとなかなか戻って来ない


 ややあって戻ってきた彼女はいささか興奮気味に

「驚いたわ、貴女のような年頃で他の4大陸の許可が通っているなんて

”長い”事エル族やっていて初めてよ」

と驚かれる。


「ごめんなさいねつい、大声出しそうになっちゃって」

「いぇ、それより此処に女性専用宿って有りますか? 」

「ギルド付け宿でも”安全”よ”トリンデ”と違って此処には

森林浴目当ての”貴女のような年頃の少女”沢山泊まっているから」

「それでも、わたし女性専用宿がいいです...紹介して頂けませんか? 」

「そうねぇ、そこまでいうなら”ガイガ大森林帯”近くに”杜の妖精亭”が在るわ」

俺は、即断する。


「そこでお願いいたします」

今回の、目的に近しギルドの紹介ということもあって早速見取りを貰う

いきすがら”まずは”お買い物”である

目抜き通りの服飾店を巡る。


店内で品物を物色していると 香水や体臭の他に 

甘い匂いや甘酸っぱい柑橘系の匂いがそこかしこから漂って来ていて

俺の右の牙が疼く

とん、と軽く同じく品物を物色した少女とぶつかり体勢を崩し俺の口元が彼女の

首元へ近づきそこかしこに漂う匂いが彼女達の首元から発せられている事に

気がついた


「あぁん、んんッ」

<<お主、どうしたんじゃ>>

<<どうしよう、クロ今、わたしあのの”血”がホシイの>>

<<あのむすめの”血”を吸うと従者になるんじゃったか? >>

<<いぇ、”従者”にするためには”契約”のオマジナイが必要なの、だた吸う分には

問題ないわ>>

<<お主のヴァン族の”血”が活動を始めたやもしれん

ならば、遠慮はいらんヴァン族としての本能なんじゃろ? >>

<<えぇ...そう...でも...>>

<<でも、何じゃ? >>

<<はッ初めては......って決めているから♡ >>

<<儂には、”血”なんて通っておらんぞい 儂は吸わせてやれんぞい>>

<<はッ初めては...初めてなのッ クロのじゃなくって!! >>

自分でも何を言っているかわからい事を言う

そのくらい激しい吸血衝動だった。


でも一度覚醒めざめめた衝動は収まりそうもなく

意識を現実に戻し


ぶつかった少女に

「こめんなさい わたし、ちょっとよそ見してて」

と衝動を振り払うように謝る。


「いいわ、これから気を付けなさいよ」

やや険を含んだ声が降ってくる


 俺は慌てて居住まいを正しお手洗いへ駆け込み”衝動”を抑えるべく

左手首を噛み口を付けて流れ出る”血”をこくりこくりと舐めとるように飲み下す


「んッ、んッ、んッ、ちゅるり、ちゅぷ、ちゅぷ...んはッ、おいし♡... 」

するとえも言われない感覚も同時に味わう

ヒム族時代は当然で男の時ですら、一度も味わった事のない感覚が全身を巡る

でも所詮、自分の血で在る。

 

 衝動は収まったものの完全には、満足していなかった

甘美な味も匂いも感じられないのだ、当然である


 姿見で確認すると沐浴直後の様に幾分顔は上気した面持ちで

ほっぺを軽く叩き口に付いた血をかわいい舌で舐めとる。


(あぁ、早く......の”血”がホシイわぁ♡ )

心の中の最後の砦の男言葉も何処やら”少女口調”で独りごちた。


 そしてその後も何度も吸血騒動が来る度”イケナイひとり吸血”遊びをしてしまい

イケナイ背徳感を味わった。


<<どうじゃ、満足したか? >>

<<すこしは、落ち着いたみたい>>

<<そうか、まるであ奴をいているようだったわい>>

<<あ奴って? >>

<<昔、ヴァン族の知り合いがいたのじゃよ

初心うぶな頃は自分に吸血衝動すら嫌っておったのぅ あ奴め今頃、

どうしているかのぅ>>

<<まだ、元気なの? >>

<<同然じゃとも、ちーとも”姿”は変わっておらんだろうがの>>

<<そう、わたしもお会いしたいです♡ >>

<<ふふ>>


それっきりクロは黙ってしまった。


 いつもの”買い物”を済ませると

”比較的”簡素なワンピースを緑色系で揃えた今回は小鞄ポシェットの空間は

ますます”少女部屋”と成り果てる


 ガイガ大森林の北でヘルデの南のリトマンスの

”杜の妖精亭”に程なく到着すると

エル族女性 ”ラコーダ” が出迎える 杜と同じ色の淡い緑の髪がなびく

「あら、いらっしゃらい、可愛いお客様だこと...私は、 ”ラコーダ” よ

ギルトスの ”アカネ” から女性専用宿の事を聞いてね

私もマネてみたの」

なるほど、アカネから女性専用宿は始まったんだとアカネの先見性に感心していた


「それは、素敵ですね、えーと...」

「 ”ラコーダ” よ」

「ラコーダさん わたしはシーアこちらがミーアにビヨン」

「よろしくね 何日の予定かしら? 」

「えっと、まだ予定は立てなくて」

「あっ、森林浴目当てかしら? 」

「そっそうです、暫く此処に逗留しようかと」

「予定は未定ね」

「そんなトコです」


「丁度、お昼よどうする? 」

「こちらでいただきます」


 と出来きたのはエル族らしく木の実や小麦粉主体の”シアズ”時代の

食事とは対極の品が並ぶ


「シーちゃんもいつもこれくらいお野菜食べなくちゃね

肥っちゃうよ」

「いいもん、肥っちゃってもいいもん」 と子供の様に甘えた

「ダメねぇ、 ラコーダさん此処にいる間はなるたけこのような

”お野菜”中心でお願いしますね」

とミーアがラコーダに注文を付ける。


「いいですよ、ここに来るはこういう食事も目当てで来るのよ

街に出るとやれ甘味だのお菓子だのでみな”誘惑”に負けちゃいますからね」

「ミーお姉様ぁ〜、わたしの好物の茹でベーコンはぁ〜? 」

「此処にいる間はダ〜メッ! 」

「ムゥ〜♡ 」 と可愛く拗ねて見せたが同性であるミーアには通用しなかった


 そういえば、この頃俺はほんの少し、自分の”少女”を武器に色々”画策”する様にも

なって来ていた。

 こうやって少しずつ”少女”という名の”オンナ”になってゆくんだろうなと

ぼんやりしたかすみを歩くが如く思考を巡らせていた。


ヤンスからは連絡も無いので此処リトマンスを散策してみようか

と宿を出る


 あのディーボ戦の後”白い貝殻亭”で脱皮した胸のウロコの抜け殻を一枚

”ニール”が入手していたことはシーア・ミーア・ビヨンの知る事では無かった。


 散策も終え、いよいよ”かあさま”と逢瀬の為、寝台に就く

今日は、いつになく素早く入眠すると早速二人のミーアくらいの”少女”が近づいて

来て何故、”二人のかあさま”なのか彼女らの幾星霜もの歴史を垣間見て

知ることとなる。


「「よく来たな、我が娘シーアよ妾達の”歴史”をまず視るが良い」」


 すると屋敷世界を取り込んだ時のように彼女らの歴史の

早回しを外から眺めている感覚に襲われてその映像が展開される。


次回 48話 赤い牙 と 白い鱗

お楽しみに


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ