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オルティア・レコード  作者: 南 泉
一章 〜始まりは少女(シーア)から〜 オルティア大陸編
32/75

32 地を這いずる者(前編)

「よぉアンタら よく眠れたかい」 とナリア

「はい、おはようございます お陰様で」

「そうかい 良かったね アイツ(ニース)はまだ夢の中さ まぁ壁役タンクだからね

あんなんでも、仕事クエストはデキルやつさデリカシーが無いのと口が悪いのは

勘弁してやってよ アタシはアイツのそんなトコ ってナニ言わせんだい」


俺の、背中をバシリと叩く

「ああ悪りぃ、ついアイツのつもりで」 

とウル族の尻尾が激しく揺れる。

(身体は正直だね)


「ほぅ、これがオートマトですか自分は初めて見ました」 と声の主を見れば

シルバーグレイのオールバックの長杖持ちの人物がそこにいた


[ 人物敵対度 判定”無” ] とビヨン

「言葉を喋りますか 僕は大変興味を引かれました」

と薄赤の瞳を細める


「昨日は顔見せだけだけだったからね コイツは”オルト”ウチの 妖術使いさ」

「申し遅れました、僕の名は オルト、見てのとおりの妖術使いです 以後、お見知りおきを」

「貴女は、僕のみたところ、召喚士のようですがとブックカバーを付けたクロを見据える

「えぇ、オートマト連れですが、当日はよろしくおねがいします  オルトさん」

「オートマトがどう戦うかますます興味深いですね」


続けてドヤドヤと二階から元気そうな足音が聞こえてきた

「ナリア姐さん、朝はやいよオレがアチラにいた時はまで寝てる時間だぜ

修練っていったってまだ早いだろ」

と元気の塊の様な ショートカットつんつんな黒髪の剣と盾持ちの少年がいた


 ビヨンがこの少年が視界に入った途端に 念話で

<<[ シーア、この人物のマギ・確認不可 ]>>

<<えッ、マギが全然無いの? >>

<<[ 肯定 ]>>

<<誰でも潜在量の差こそあれ全く無い無いなんて>>

<<[ 推論不可 ]>>

<<ほぅ、小奴>>

とクロが何か推論したらしい

<<何か、思い当たる事でも?>>

<<いや、まだ憶測の域を出ん>>


そして彼はいきなり、ゲンコツを食らわされていた


「この元気がいいのは”ソーヤ” 

ある時、妙ちくりんな服着てさアタシの納屋で寝ていたトコを

身寄りがないってんでウチで面倒みてるのさ本人曰く ”異世界” から来たなんて言っちゃいるが

ホントなんだかね まぁ、そんなことうでもいいけどね、アタシらには出来の悪い弟みたいなもんさ」


「不当なんだってば ナリア姐さん ってっとオレは”ソーヤ”よろしくな えーと」

「あ、はいわたしは シーアといいます シーアでいですよ」 と俺は、挨拶をする。


「よ、ろしく、シーア、 オレは、”剣士”、さ これを見、てみろ、よ」 

 急に彼は言葉がたどたどしくなって剣を盾にバンバン叩く

彼の茶色の瞳が泳いでいた。


<<あ奴、お主に懸想しとるようじゃぞ 中身も知らんでの>> と冷やかす

<<煩い>> とクロをポンポン叩く

<<痛いわい>>

<<嘘つけ>>


また彼はいきなり、ゲンコツを食らわされていた。 



「あら、貴女がシーア」 豊満な双丘が近づいてきてつややかな雰囲気が濃くなり

エル族特有の耳を揺らし シャンパンゴールドのポニーテールが踊る。


<<[ シーア、あの人物の胸部はミーアより大きいです 今計測しました ]>>

<<あまり、勝手に”計測”してはダメだ 分かった? 特に胸部はな>>

<<[ ......肯定 ]>>

妙な間があった。 


「私は、リーリャよ見てのとおり”弓使い”とあとは”斥候”もね」

「 あ、はいわたしは シーアといいます シーアでいですよ」 とまた言う

「そう、よろしくね」


「後、そちらは」とミーアを見る。

「私はミーア、この通りファイターです」 とちらとミーアは双剣を見せる

「手入れ行き届いていないじゃない ダメヨ ちゃんと手入れしなきゃ」

彼女は、この前冒険者に復帰したばかりだ。


続けて

「昔のカレシがね、ファイターで双剣使いだったのよ ついお節介したわ ごめんなさいね」

一瞬、切れ長の目が憂いを帯びた。

「いえ、お気になさらず」


 と

「ふぇーん、皆さん早いですぅ まってくださーい」

とシャンパンゴールドのストレートロングの髪を踊らせて 錫杖を持ったシーアと

同じくらいの背のヒム族の女性が栗鼠の様に慌ててナリアの横に立つ

「ナリアさん、お肉ばかり食べないでお野菜も食べてくださいようぅ、

リーリャは相変わらずお野菜ばっかり、 ソーヤは食べ慣れないからって好嫌いは

良くありませんようぅ、オルトさんはもっと愛想よくして下さい皆怖がってしまいます

ニースさんは お...酒ばっかり」


「はい、はい”サリ”お節介も大概にしな っとコイツが最後の紹介かね 

コイツは”サリ”まぁ見てのとおりのだよ」


「はッ、私ったらまだお名前言ってませんでした ”サリ”ですぅ”治癒師”をやっていますっう」

「 あ、はいわたしは シーアといいます シーアでいですよ」 

とサリが

「 あシーア、リボンが乱れてますよと”ユラ”に手を伸ばす」

「触らないで! 」 

と俺は、思わす強い調子で答えてしまっていた

「ひゃぁ、ごめんなさい」

「いえ、こちらこそ ごめんなさい 大声上げて ただこれはその......」(噛むかも)

なんて言えない

誰もリボンが噛むなんて考えられないし まして彼女サリは善意だ。


<<ユラ、ごめんな吃驚したか? >>

<<きゅい? >> と気にもしてない様子


「全く、サリのヤツにも困ったもんだ それ大切な物なんだろう サリにも悪気がなたったようだから

許してやってくれな」

「それは勿論、本人も気にしていないようなので」

「本人? 」 とナリア

が首をかしげる

「な、何でも無いです」


「後さ、シーア そのさオートマトなんだけどさ世間じゃどう思っているかは知らないけどさ

ここ(ギルド)にわざわざ連れ来てきてるのは、シーアにとって大切な仲間だろうし、”戦力”なんだろ? 

アタシらもそのつもりであのビヨンに接するつもりだ。

悪様に言う世間の奴なんか無視してやんな」


「はい、ナリアさん」

「”さん”は要らないよ」

「ふわぁーよく寝たぜ」 とニースがドカドカ足音を立てて降りてきた

「ようやく、お目覚めかい ほらみんな買い出しいくよ ついてきな」


「わたしたちも、買い出しがあるので」 とここで散会した。


締め切りまではまだ猶予がある。

「ミーアお姉様どうするの? 」

「そうねえ、 あっそうだったこの子とまだ遊んでないわだがらクロちゃんの

中に入って 戦闘訓練の予定 シーアはどうするの」 よ自分の指輪を指す


「わたしは、鞄を買うつもりビヨンの下着や服はお姉様も選びたいでしょ」

「よく分かってるじゃない シーア、おねぇちゃんにまかせなさい」

「後、鞄は”悪目立ち”しない”可愛い”のを選ぶのよ」

「はい、お姉様」 といってミーアはクロの新しいページに出来た屋敷への転移陣にふれ

消えていく。


<<あ奴ら、面白そうなじゃったわい>>

<<そうだな、ビヨンの事を彼らは少なくとも”モノ”を見る目ではなかったからな

何か、ビヨンのいい変化につながれば良いが>>

<<変化といえばお主もじゃよ、シーア>>

<<何が? >>

<<随分、”少女”らしくなって来てると思うての>>

<<そりゃ、そうだろ あれだけ”対外的対応”をしていれば仕草や振る舞いが身に付いて来る

もんだ>>

<<そうじゃの>>

<<俺は、一生研究室で終わるものだと思っていた だがな、こうしてこの身体シーアになって

表へ出るとだな、こうしていろいろ好奇心をくすぐる事が多いじゃないか

しかも ”少女”の身でだ おまけに寿命は無いに等しいときた。 

研究者冥利に尽きるじゃないか 俺自身もどう変化?...するか分からない

いや、分からないから面白いのか という訳で...だ 

見守ってね♡。 クローティアさ・ま>>

<<ふん ところで、あヒュージ・ワームをあまり動かさないで

仕留める算段はどうじゃ...あるのかの>>

<<ああ、俺なりに考えてはいる 後でニースに相談してみよう>>

<<そうか、何か算段があるのじゃな>>

<<そうだ>>


 雑貨店に入るとキリンズとはまた違った品揃えである

髪の色を聞かれたら染め粉でと誤魔化そう 

天候もよく俺の髪は光の加減で虹色に揺らめいていた


[ シーア、多数の色彩を確認・違った符号列パルスがまた発生しました ]

ビヨンはあ店内を見渡しつぶやく

「それは ”嬉しい” かな」

[ 新規・感情類型パターンを追加 ]

「そういえば、ビヨン? あなたは触られる感覚ってあるの」

[ 肯定 (きゅう)・触の感覚搭載済み 符号列パルスで管理 ]

「どうやら、”味”以外は分かるみたいね」

[ シーア、搭載魔導機関は”オーパーツ”以外受入不可 ]

「そう、わかったわ」


店内の見て廻る

小物、勇者の人形、王都の王の肖像画、等々、そして女子向け小鞄ポシェット

を見る。

店内には数名の男女がいたが少女シーアが女子向け小鞄ポシェットを見ていたとて

奇異の目で見る人物等いない 安心してさがしてると一点だけ惹かれるものがあった


 紐は腰ぐらい生成りの生地に水色の小花を上品に散らしてある。

これかな と直感に従い代金を払うと

「お客様、この花の花言葉はご存知ですか? 」

「いえ、わたしはあまり詳しくないので」(当然である)

「この花言葉は ”切なる願い” ですよ ピンクでも同じですが、この色でも同じです。

お客様にとてもお似合いですよ」 

「いまここで使いますので 包みはいいです」 

 といって小鞄ポシェットを掛け

反射的にくるりとターンをしてまう

スカートがふわりと広がりやや遅れて長い髪がさらりとひろがる

思わず、顔を赤らめて広がったスカートをてで押さえた


店を出ると最初にブラを購入した店の隣であった。


<<お主、ちと裏手にいくのじゃ>>

<<どうして? >>

<<今しがたいいもの(じぐさ)が見れたからの、儂から餞別をくれてやるわい>>

<<クローティアにしてくれ>>

<<了解>>

クローティアが現れてその場でシーアの様にくるりとまわる。


クローティアは、口に手を当て何事かつぶやいてシーアの小鞄ポシェットに触れる

<<何を? >>

<<この中に、地下実験室位の広さの空間をこさえたぞい。

ある程度は魔力遮断もするお主専用の空間じゃ>>

<<えっ!!>>

<<そして、これは儂からの結婚指輪じゃ>>

と左手小指に触れる すると、水晶の様な材質で出来た小鞄ポシェットの柄と

同じ小花をひとつあしらった銀の指輪が収まった。

<<これは、物寄せの指輪じゃお主の事じゃ小鞄ポシェットなんて持ち歩くのは慣れとらんじゃろ

じゃから鞄を忘れたときや奪われた時はこれに接吻をせい小鞄ポシェットがいつでも

お主の元に転送されるでの 

小鞄ポシェットごとじゃからな、中の物だけはできんから気をつけるんじゃ

指輪と小鞄ポシェットはパスで繋がっておるから、指輪は常に身に付けておくのじゃぞ>>


<<こんなことをしてもらってもいいのか>>

<<結界に回してたマギが戻ったからの いいんじゃ>>

俺はおもわず、クローティアにだきついていた



シーア達が妖精の森からユラに座ってトルティアに向ったと同刻

ヤンスはまたブツブツを独り言を言っていた


「トリスにきたのは、あの”お人形さん”が目的でやしたか...なかなかべっぴんさんでやすね 

こりゃしかも、ただの”お人形さん”じゃあ...ありゃせんな

ケケっ、あっしもあんな”お人形さん”を抱っこしてみてぇでやす...っと、コイツにはわるいですがね」


 ヤンスは何やら自分の下腹部の一点を凝視している。

「コイツには、いつも不憫な思いをさせてやすぶん 後でいい思いをさせてやらんと

まずはいい”お足”を頂いてからでやんすね」


 と いつのまにやら貧しい身なりの少年がいた 

「おじちゃん、自分のお股みてなんかゆってるぅ」 と指までさす。

「おっと、そこのお坊ちゃんいま見たことは誰にもいわねぇで くれやすよ」

「でないと」 とヒュージ・ワームが居座っている場所に連れて行き

「あのデカイのがお坊ちゃんをパクリとやっちゃいますよ」 

と石を放る ゴツリと石が当たり、ぶしゅり、ぶしゅりと身じろぐ

それを見た少年は派手に失禁した。 べそをかきはじめる

「まぁ、これで飴でも買って食べてくだせぇまし」

と金子袋から金を握らせる。

「うん、ありがと」 とさっきのべそはどこへやら現金なものだ。

「さて、あの銀のお嬢様はどう出ますかね !!ヤンス劇場第一幕でござい!! なんで興行師みてぇな

事を言っているんかねあっしは」 と

ベロリと人にしては長い舌を舌なめずる

そこにはドクロに交叉した剣のタトゥーがあった。


「二人のマスターを持つと大変でやすね 

なんでヤンスは独りしかいないでやすかねぇ」 と陽炎の様に掻き消えた。




小鞄ポシェットを購入し終えると丁度ミーアが、屋敷世界?

(本の中の空間の事をミーアは勝手にそう呼んでいたので俺もそれに倣うことにした。)

から帰ってきた


「ビヨン今後、魔導書内の空間の事を”屋敷世界”と呼ぶけどいいかな?

これは、わたしたちだけの符丁スラングよ いい?」

[ 肯定 魔導書内空間・名称 ”屋敷世界” に設定 ]

(他の人間が聞いても、新婚夫婦の”愛の巣”みたいに聞こえるしおれが言っても両親の事だと

思うだろう)


「ふぅ、クゥちゃんたらアレやこれをすぐヤツザキにしようとするんですもの

もうちょっと加減してと言っているのに」

「クゥちゃん? 」

「そう、この子」 と指輪をさす

(ああなるほど)


「アレやこれって? 」 

「内緒っ」 何か怖いな

俺の小鞄ポシェットにミーアの視線が移り

「あれあれぇ、シーちゃん可愛い小鞄ポシェットこれ、シーちゃんが選んだの?」

「そぅ、わたしが自分で」

「いい、感性センスしてるじゃない しかも指輪までやだ、この娘ったら

いつの間にオンナの子になっちゃって ふふっ可愛い♡ 

シーちゃんは何か ”切なる願い” でも有るのかしら」

(やはり、花言葉は知っていたか後で、指輪の事を話したら羨ましがっていたな)


「さて、ビヨンちゃんのお洋服買いましょうか」

「そうですね、お姉様隣の服飾店に入りましょうか」

 何しろブレイル宅で着ていた救護院着みたいな簡素な服装だったので彼女

を”モノ”扱いしないと決めた以上お洒落をせてやりたかった。


「お姉様にお願いしていいかな」 と聞くと

「勿論、疲れた後のお楽しみにとっておいたんだから、これでいいの」


[ ミーア、この植物性繊維の外装はなに? ]

「私や、シーアのような意匠と感性センスをしているモノよ」

[ ミーア、植物性繊維の外装なら、装着済み ]

「ダメヨ、それは服とは言わないわ」

[ 肯定 ]

とこめかみからゆるく編み上げあげられている三つ編みを解き髪全体に櫛を通す

もう一度こめかみからゆるく編み上げ先に小さなリボンを付けて

次にブラとショーツを淡いピンクで揃える。


次に髪や瞳よりやや濃い目のピンクの可愛らしくフリルやレースを散らした

ワンピースを着せる、小さな足にはリボン付きの同色のローパンプスを履かせると

やや憂いを帯びた目と相まってちょっと全体に儚げな印象をビヨンに与えていた

「服は大切にしてね」

[ 植物性繊維の外装着装時身体制御を...戦闘時...身体制御に統合... ]

「それって、戦闘時も服を破かないように出来るって事」

[ 肯定 ]


(ブレイル氏って一体何者なんだ)

ビヨンは屋敷世界に行けないので以後、ミーアがビヨンの着せ替え?担当になった


そろそろ夕刻、宿ギルドに戻るとニース一行もテーブルを囲んで歓談中だった


「よぉ、シーア準備はどうだい?」 とニースが向き直る

「えぇ、後は戦闘訓練とお小遣いが欲しいので明日は仕事クエストを少し」

 俺は、世間の魔物事情をよく知らなかったので魔物事情を知るためにも仕事クエスト

何件かこなしたかったし

いくら人外の力を持っていても冒険者としては未熟で事情に疎かった。


「おお、そうかい俺たちゃこれから酒盛りだ 早く蟲の腹ぁかっぱざいて中のお宝

欲しいぜ なぁみんな!! 」

「アンタ、食事中に何て事言うんだい」 またナリアににゲンコツを食らわせられていた

「おや、また珍しいのがいるな」 とクローティアを見ていて

「余計な、詮索はナシだよ」 ともう一回ナリアににゲンコツを食らわせられていた



レイド締め切りまで後2回の日の出




















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