29 オートマト(後編)
今日の俺の出で立ちは熱くなりそうっだったので、相変わらずフリル・レース有りの生成りの
ワンピース・同じ生成りのしっかりとリボンは付きのローパンプスで
普段より涼しく感じられる。
ミーアは濃い水色ローパンプスとシンプルなワンピース・頭にはケット族用だろう
耳用穴がある麦わら帽子である。
そして耳にはイヤーカフスが光っていた。
クローティアをみれば、やはり俺とお揃いで首の黒真珠が鈍く光っていた
<<ユラ 頼む>>
<<きゅぃ!!>>
と返事ともにふわりとした感覚と共にキリンズの街が眼下に移動した。
<<北へ>> と北の方へと指を指す
<<きゅーぃ!!>>
またたく間に景色が後方へ流れる町並から緑色が多くなってくる
日の光り昼食に頃合いになってきた。
するとちょっと開けた場所有りそこで休憩をする
<<ユラ ここに>>
<<きゅぃ!!>>
と降り立ち小さくなったユラが素肌の足に甘えるように纏わりついてきて
また思わず
「やぁん、そこはダメッ」 と慌ててスカートの前を両手で抑える。
(前にもまして感覚がくすぐったく感じるのだ ど・う・し・て・も)
<<きゅいきゅい>>
いいながら慌てて離れた
ミーアとクローティアは顔を合わせてニヤニヤしていが
座右の銘で感情をごまかした。
昼食をすませ更に北へ向かうと程なく既視感のある屋敷が見えてきだ
そこかしこにオートマト残骸が積み上がり人間が何処から出入りしているのやら。
「まるで、シーア(シアズ)様の様ですね」
と寂しげな瞳は俺には向けられてはいなくて
その屋敷に何かを重ねるように遠くをみていた、彼女のイヤーカフスがチリリと微かに震える。
その瞳がこちらに向いた時は普段に彼女に戻っていた。
「さぁ、行きましょう あの娘がお待ちですよ」
「はい、お姉様 あの娘が目を覚ますのが楽しみです」
”ここをおせ” と道化の顔のオートマトを鼻をギュムリと押す
すると 発条が弾く音、ヒューンと回転音、ギャチャリ、チャリチャリ、ガチンと
何やら仕掛けおん(音)が聞こえたと思ったら予想していたとは違う扉と思わしき所が開いた。
すると 変な調子の声が
「さぁぁぁー、どうぞぅーボクのひぃみぅつぅきっっちぃーへ」
など道化のような口ぶりで招く
頭をかがめて入ると ショートカットのオールバック・髪は漆黒・瞳は茶色・モノクルをしている
エル族男性で 一見執事風の長身の男性がそこに生えていた
生えていたのは例えでもなく壊れた機械に下半身が埋もれていた
それを気にする風でもなく そのまま
「まぁずは、ぶぉくから名乗らせてくれい ボクの名は 希代の天才オートマト職人
”ブレイル”である 以後ぅ お見知りおきを お嬢さん方」
と挨拶のときに手を振り上げ胸に添える時、派手にぶつけていた。
「お初にお目にかかります ブレイル様」 と例の挨拶。
(ああこいつは俺と同種の人種だ、質は俺の方がいいがな)
ミーアも続く
俺は自身の経験からわざとらしく
「あの ブレイル様は 夜通し作業をなされたご様子では」
「銀のお嬢ぅさん ボクは至って平常サァ どぉしてそんなぁ事聞くんだぁい」
俺は思い切り可愛い所作で口元に手を添え
「だってぇ、わたしのお父様が夜通し作業された時と同じなんですもの♡ 」
「やぁまいっったね、こぅれはそのとぅおりさ」
「なんでしたら わたしたち、日を改めてまた、お伺いますが 困ったなぁ」
とチラチラブレイル氏を伺いつつ幼子がそうする様にに憤ってみせた
更にヒギンズ氏紹介の手紙と所有権利書をチラつかせ たたみかける。
急にパチンとブレイルは自分の頬叩き
「ちょっと待ち給え」 と言って 何やら緑色の苦そうな汁をぐびりとやった
再度パチンとブレイルは自分の頬叩くと
「後は3回の日の出までは大丈夫だ」 と真顔になった
「つい先程君たちと入れ違いに0号ちゃん(仮)がボクのところへ返ってきて 嬉しくてね
存在することがはっきりして家に連絡がヒギンズ商会から来た時
つい舞い上がってしまったヒギンズ商会に所有権はあるのは分かっていたがね
向こうも商売だ、いつ破棄されるか分からないからね
大変お見苦しい所を見せた 改めて謝罪しよう」
「いえ、それには及びません 自分の生み出したモノが無事にこの世界に形を残している こんな
嬉しい事はありませんわ ブレイル様」
それは自分に向けて言った言葉だったのかも知れない。
「で要件はこの0号ちゃん(仮)の事でいいのかい」
と奥からあのケースを取り出してきた。
「はい」 と即答
「その前に教えてくれないか、どうしてあんな莫大な代金と引き換えてまで入手しようと
したその動機だよ」 真摯な顔で続ける
「実はこの0号ちゃん(仮)は試作機でいろいろな実験的な機構や設計思想を組み込んである
そのオートマトを単なる道楽で莫大な代金と引き換えてまで入手したわけではないと
ボクは見ているがどうかね」
これにも 「はい」 と即答
「ブレイル様、お教えしても宜しいですがこちらも条件が有ります」
と俺が言うと
今まで髪に引っ付いていたクローティアが ふわりとブレイルの前へ進み出る
「おや 黒い妖精は珍しいですね」やはりクローティアは妖精に見えるらしい
それには答えず
『儂がこれから話すことは他言無用じゃ、じゃがな儂のは単なる口約束じゃないぞい
お主の全霊、魂のすべてと引き換えるのじゃ、分かるかの儂の言っている事が』
「済まない、今のボクには君がただの妖精にしか視えないんだ妖精にそこまでの力が在るとは
思えない」
『ふんっ』
『儂の、本当の姿をみせてやるぞい』 とクローティアは唇に手を添え何事かつぶやき
ブレイルの額に手を当てた
<<シーア>>
<<ああ>>
とクローティアを本に戻しカバーをはずす
『儂の、本当の姿が分かるか』
「あっああ 確かに妖精ではないな」
『儂が生きた”魔導書”ことネクロンじゃ』
カバーを付けて再びクローティアに
<<クローティア>>
クローティアの姿を再び取る
『どうじゃ、儂がそこらの妖精と違う事がわかったかの
それとの、このシーアとは何人たりとも侵されないパスで繋がっておる
お主のせいで、シーアに何かあったら儂がお主の魂を転生の環に戻れなくなるまで
粉砕してやるわい』
怜悧な目を細め凄む
この時、長命といわれるエル族のブレイルは大人になってからただ一度の失禁をした
『ではの 改めて聞く、これから話すことは他言無用じゃ このまま契約するか やめるのか
なら今のうちじゃぞ 今の記憶を喰らうてお主はまた今まで通りじゃ さあ返答せい』
「あぁ、わかった約束しよう」
『では儂からの”接吻”を受けい』
唇に手を添え何事かつぶやき
<<お主、小奴のシャツを脱がせい>>
<<何をするんだ>>
<<お主が心配する様なことはせん 見ておれ>>
<<分かった>>
「それでは失礼します ブレイル様」
と俺はブレイルのシャツを脱がしブレイルの上半身があらわになる
ブレイルの胸は可哀想なくらい上下していた
『汝、我言の葉、以って誓印をここに刻むものなり』
と言って心臓の下に指先を押し付ける
するとブレイルの左胸 心臓の上に親指の爪大の黒い茨を捻って輪っかにしたような
刺青がくっきりと刻まれた
『良いか、一度しか言わぬぞ これはな
ここにいる以外にこれから話すことを何人たりともちょっとでも漏らした時
はその茨がお主の肉体と魂を侵食するぞ あとその刻印はお主にしか視えぬ
約束さえ違えなければ寿命が尽きると解呪され、転生の環に入れるから安心して
信じる神の元へいけ
それと聖水を飲むとひどい胸焼けがするからの、気を付けろ”魔”の者と契約した代償じゃ
あとは好きな神を崇めて良いぞい そこまで縛りはせん好きにしろ
儂のことは皆の前では妖精で誤魔化せ
隠し事もいいがの、そのせいで我らに被害が及べばその時は分かって居るな』
と念を押す
『後じゃな、お主からの要求も飲もうではないか話してみよ』
といってきたので
ブレイルは
「愛しの0号ちゃん(仮)の面倒を診させてくれ
後、戦闘の記録をパスを通じてボクにくれないか新しい能力が開発出来るかも知れん
今はそれだけでいい」
『相 分かった また接吻をくれてやるわい と刻印の中央に交叉した二本の大鎌の刺青が加えられた』
では我らの事をお主にはなすのじゃ 心して聞くのじゃ クローティアは今までの事の顛末、
をシアズがシーアに入ったこと以外の出来事をシーアの正体をパスを通じて話す
「ボクも魔導技師の矜持にかけて君たちに魔導技術全般で協力しよう」
『感謝するぞい』
これでやっとオートマトの起動が出来る
ケースからオートマトを寝台に移す会場で見た通り
そこには ゆるふわの背中の中程迄のロング・こめかみのひと房だけ三つ編みにしている
髪色は淡いピンク・肌は白い俺と同じくらいの背の少女が寝台に横になっていた
眉もまつげも同色で淡いピンクである。
『で、どうすれば起きるんじゃ』
「まずは紹介状を」 をブレイルに渡す ややあって
「0号ちゃん(仮)は頭の中にオーパーツコアがあってね主使役者がそのコアに
マギを注入することで起動するんだ
特殊なプローブではないと初回起動と機能停止時の再起動が出来ない仕組みなんだ
あとこの娘の特別なのはね
もう一つ心臓の部分にもオーパーツコアを持っていて
てこっちも特殊なプローブで起動するんだそうすれば、後は完全に自律するようになる」
『で、マギがなくなったらどうするんじゃ』
希代の天才オートマト職人だよボクは、この髪の毛さ これはボクが高額で落札した
大錬金術師シアズ製ホムンクルス髪さこれはシーア君の髪と同じさ
(俺はホムンクルスの創造の成果物の一貫ととしてホムンクルス材を世の中に提供していた
まさかこんな縁があるなんてな)
後、故障をしてもある程度なら自己修復できるさ、ぼくは天才だからね
あと
頭の中のオーパーツコアは、感情制御・記憶・思考・分析・経験・学習
心臓部分のオーパーツコアは、身体制御・自己修復だ
君たちに特にお願いしたいのは頭の中のオーパーツコアは何がなんでも死守してくれ
これが壊れると彼女が彼女ではなくなってしまう
どうか頼むと土下座をして震えながら頼む
『分かったわい、難儀なヤツじゃ』
「使用武器は起動してから説明しよう
あと怪力だからね 大のオトコ3人ぐらいなら軽くあしらえるはずさ」
『後、つかぬことを聞くがお主の寿命はどれくらいなんじゃ 我らの目的はいつ果たせるか分からぬぞ』
ボクはエル族だよ数千年は問題ないさ
『それは、良かったわい儂やシーア・ユラは寿命は無いようなものじゃお主に先に逝かれも困るぞい
儂らは魔導技師ではないからオートマトの事は分からんからな』
寿命と聞いてじっと耳を傾けていたミーアがすごく寂しそうな顔をしたのを俺は見逃さなかった
<<デリカシーのないヤツめ>>
<<今、確認しておかなければならないことじゃろが>>
<<時と、場所を選べ>>
<<それは、済まぬな>>
後は、現地で何かあったらと
『ブレイルよ、儂とは弱いパスで繋がっておるから念話で話せシーアとも儂が中継しよう
じゃがな世の中には奇妙な場所があってな念話が通じ無かったり一方にしか通じない
所もあるのじゃ シーアよお前も覚えて於んじゃぞ』
「承知した」
「はい、クローティア」
『ようやくじゃわい』
「ようやくですね ミーアお姉様」
「えぇ、シーア私よ」
『ブレイルよ そのプローブとやら心配はいらんぞい
ここにいる シーアがな、そのプローブ何やらの能力があるからの
能力を使って居る時はそれに触るでないぞ ビ・ン・カ・ン・になっておるらしいからの
儂も触って反応をみたいと言うに。儂にも触らせんからの』
と とんでもない事と言ってのけた
俺は、0号ちゃん(仮)の口を半開きにする
「ちょっと、ごめんね」
(無機物と思われたそれは人肌と変わらなかったホムンクルス肌だろうか?}
早速するするとひと房の髪が淡く光りながら絡み合い互いに捩れながら0号ちゃん(仮)の口に
入っていくまずは頭部のオーパーツコアから起動に掛かる
驚いたことに中の様子が脳裏に映像に
なって浮かんでくる 発条、歯車、円筒、遺跡でよく見かける小さなオーパーツ群
錬金術でおなじみの水銀もあった。
やがてオーパーツコアらしき一際大きな部品にたどり着く、それは硝子で出来た立方体の形をしている
立方体中央が虹色ががってくすんでいたそして対角線を軸にして
浮かんでいるように配置されている俺は髪の先でそれを包むようにしてマギを送る赤黒いマギ
が髪を伝い立方体に吸い込まれていくやがて飽和したのか軸中心にゆっくり右回転を初め
しかもカチリ、カチリと形を変えていくやがてくすんでいた色が明るく輝きだした もう立方体の
回転は安定していたカチリ、カチリ... ... カチリ
次に心臓部分に移るやはり頭部のオーパーツコアと同じようだが一部金属部分があり
マギが飽和するとこんどは左回転をする以外は同じだった
身体が動き始めたので慌てて髪を引っ込める
0号ちゃん(仮)がゆっくりまぶた上るとsそこには憂いを少し帯びた目が俺を見つめていた
[... 機構ちぇっく ... 完了]
[魔導環境...異常なし]
[ますたー ...とうろく ...まだ]
[なまえ ...おなじく...まだ]
「シーア君 名前だよ名前」
ブレイルが小声で後ろから小声で指示する
俺は、0号ちゃん(仮)の手を取り
「あなたの お名前は”ビヨン”でいいかな」
[びよん...いい...きめた]
[ますたー ...とうろく...はやく]
「シーア君 所有権利書を渡すんだ」
ブレイルが小声で後ろから小声で指示する
「はい、これをどうそ」 と所有権利書を渡す
[ 所有権利書・・・もらう ]
自分の双丘の谷間にピンクの魔法陣が浮かぶそれに
所有権利書を筒状に丸め沈み込ませていく。
[ んっ、おいしかった ]
[んーんっ、おはようございます シーア・ミーア・クロ(クローティア)・ユラ ユラ?
個体確認できません ]
[ 敵対物に襲われたのですか? ] と剣呑な眼差しでキョロキョロする。
「わーっまってまって! っとここにいます」
<<ユラ 出てきて 早くぅ!>>
<<きゅい>>
「ビヨン ここに居るでしょ」
[ シーアのリボンと同個体と認識 全マスター確認済みです ]
「ふぅ、危なかった また事の顛末説明 はぁどうしよう」
するとクローティアが
『さっき小奴にやってた様にパスを使うんじゃ』
「なるほどじゃあ ビヨンこれを掴んで やさしくね」
髪を持たせる
[ こっちが情報の欠落が少ないです ]
何と、ビヨンが髪先をゆっくり口に持っていく
そして口に髪先含んででしまった
[ んむっんむっ ]
うなじにいきなり水を落とされたかのような感触が襲う
「ひゃん、いやぁ〜だめぇ♡ 」
またありえない声を上げでそのままじゃがんでしまった。
通常手に握ってもらって情報交換するが
以後これはビヨンへのご褒美になってしまった。
(最初、口でプローブしたのがだめっだたのかな)
最後に専属整備技師 ブレイル を登録して今回の一幕は終わった。
後は、トルティアの帰路に着き屋敷をクローティアに収納するだけである
しかし俺達は、ブレイル宅にくるとき、途中の森のざわめきが気になっていた。
次回予定 30 妖精の依頼 お楽しみに




