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オルティア・レコード  作者: 南 泉
一章 〜始まりは少女(シーア)から〜 オルティア大陸編
22/75

22 秘密結社

「んっんっーん」

 

 と目を覚ますと長椅子に俺は寝かされていた。

『おぉ、目が覚めよったか 安心せぃ まだ日は変わっておらぬ』

俺は、ミーアから差し出された紅茶を飲むとようやく 一息つけるようになった

『何度も言うようじゃが ようやった これでお主はギルドとの約束を違えずに済むじゃろうし

儂は儂で 儂の目的を果たせるわい さて冒険者になるとお主らも ”足” がいるじゃろ』

「馬車なら有るが? 」 もっぱらこの トルティアでの移動は馬車である。


『儂は獣臭い馬連中などと一緒にいるのは嫌じゃ』 と幼子の様にむずかる。

「じゃあどうしろと まさか徒歩か?」 と俺が難色を示すと


『そう言うと思うとったわ これも儂からのご褒美じゃ』 と赤黒いリボン紐を取り出すと

俺に渡す。


「まぁ、可愛いリボン」 とミーアが目を輝かせる。

「俺はリボンなんかもらっても嬉しく無いぞ」 とキッとクローティアを睨む


『まぁ 儂の話を聞け 小奴はただのリボンでは無いぞ これ、本性を見せい』 と

クローティアが促すとリボン紐がグニグニ動き出して蛇竜の姿を取った

クローティアくらいの背と同じくらいの胴はヘビの様に長く、目は金色、瞳は爬虫類のソレであり

全身が竜の鱗で覆われて頭の両脇に魚のヒレ状の器官が付いている

ヒレはゆっくり揺らめいていた。

『ほれ お主の血を飲ませんかい』 又、俺は血の珠を作り蛇竜の口元近づけると


{キューン}

 

 と犬のように一声小さく鳴いたたかと思うと二股の舌で舐め取った。


すると、又リボンに戻ったかと思うと生き物の様にするするとシーアのひと房のマキナ・プローブ

にゆるく巻き付き更に根本で、可愛らしくひとりでにリボン結びになった


『小奴も、お主が気にいったと見える』 するとミーアが

「あの、 この子の名前は? 」 聞くと すかさずクローティアが

『小奴は ”ユラ” じゃ たった今儂が名付けた! また、お主らに名を付けさせると

ロクなことにならんからな』 とよほどあの時ことを根に持っているらしい


俺が、リボン?をほどこうと手をかけると


『これ! ほどこうとするでない』 と目を細めニヤリとして

『悪目立ちは好かんのじゃろう? それと、お主に良う似合っておる』

「そうですよ シーア様」 とミーアまで更にクローティアの尻馬に乗る


『それにな お主一人の時もある程度は守ってくれるぞ』

と言うとリボンの端が小さな竜の頭になり 

「シャー」 とヘビのように呼気を吐く


(また、こいつと一蓮托生か) でも嫌な気分では無かった。


「あ、そうだ この子はなにを食べるんでしょう?」 とミーアが聞くと

『小奴は蛇竜の幼体ゆえ 肉しか食わん 調理済みでも生でも構わん 後、 ”といれ” とやらの

世話もいらん儂の眷属がそんなものは出さん』 とまた両の手を腰にあて可愛くふんぞり返っていた。


「これの件はわかったが これ(リボン)と移動とどう関係するんだ」

『ふふん まずは裏庭に出ろ』 としたり顔でのたまう。


俺達は裏に行くと クローティアは辺りを見渡し


『うむ、 広さは十分じゃな』 いうが早いか


『これ、ユラよ もうひとつのお主の姿を見せい』 と言うと

するするとリボンが解け 髪を伝い地面に降りて先程の小さな蛇竜に変化したと思ったら

もう一度淡く身体が輝き始めた


光りが膨らんでいく、収まるとそこにはシーアの背5人分ぐらいの蛇竜がとぐろを巻いていた


『小奴の本来の大きさはこんなんじゃよ これでも幼体よ 小奴がお主らを乗せてくれるでの』

すると、ユラは俺の頬に顔をすり寄せてきて顔の両脇のヒレをゆっくり羽ばたかせた

俺も、ユラの顔に手を添えてやる


 すると ”ユラ” は舌で頬を舐めてきた 

「ひゃん、くすぐったい」 

と思わず自分の口からでたとは思えない台詞を吐いてしまっていた


 ミーアとクローティアの二人は

「その、調子ですよシーア様 『お主も、やれば出来るではないか』」 といい思わず

口を自分で塞いでしまった。

(まさか、こんな台詞が俺の口から出てくるとはな)


『後は念話で ”乗せてくれ” と話すだけで良い どうじゃ移動には困るまい』 と言うと

ユラは又リボンの姿に戻り俺のひと房のマキナ・プローブにゆるく巻き付き元の様に根元でリボン

結びになった。


 屋敷に戻り食事の時ユラが、リボンのまま頭だけ竜にして肉を食べようとして

ミーアに「こらっ、ユラちゃんお行儀が悪いです ちゃんと小さいお姿で食べて下さい」

と皿を取り上げられ、仔蛇竜の姿になって肉を食べていた。


 食事も終わり、ゆっくり俺は好きな異世界譚本を読んでいた。

(子供の頃から異世界譚が好きだった いかづちの力や終える水で走る馬無し車 

黒いざらざらした路・時間を計る機械・硝子をなぞるだけでしゃべる機械・石ともレンガとも違う硬い物質 で出来た建物 等があり

そんな世界でのお話が豊かな想像図と共に、人物や建物が描かれており 

俺が錬金術師になったきっかけだった本)


『ちょいと 儂の話し聞いてくれんかの』 とクローティアが皆を集める

『話しと言うのはじゃな この前の賊の事よ』 怜悧な目を更に鋭くして言う


タリスマンを鞄から取り出して見せ

『儂の知っている範囲で分かるのはじゃな あやつらは、この世界の珍品を蒐集するために

結成された 秘密結社よ』 とチッと珍しく舌打ちをして


『奴らはの、この世界の珍品なら何でも非合法な手段で手に入れようとするのじゃよ』 さらに続ける

「珍品? 」

『あぁ、そうじゃ 対象は物・生き物・情報とにかく何でもじゃ』

と一旦話しを置いた


「それが、何で俺なんか目に付けたんだ」


『儂が推察するにじゃな お主がなこの世界で稀有な存在だからよ』

『お主の髪の色や風体はの 儂から見ても他の種族には居ないし、美しいからじゃと思うておる』

「俺が? 」

『そう、お主そのものが奴らに目を付けられたかも知れん その上にじゃな

ホムンクルス(ヴァン族とドラコ族のハーフ)だと知れれば、やつら団体で押し寄せてくるかもしれぬ』


「そんなにホムンクルスが珍しいのか? 」

『そうじゃとも ホムンクルス体だけで珍しいのに 素体の素材とその美しさが更に輪を掛けておる』

『儂の知っている中では見たことも聞いたこともない そういう存在じゃということはお主も

肝に命じておいておいたほうが良いぞい』

「了解した」 と俺は難しい表情をしたらしい。


『何、難しく考えずとも良い お主には儂も居るしそして何よりお主を大事に思っている娘もここいる

なぁ ミーアよ』 とミーアを見やる


「はい、私がシーア様を命に変えてでもお守りいたします」 と真摯な眼差しで見つめてくる

俺は、気恥ずかしくなってうつむいてしまった。


『しゃんと、せんかい お主は気張らず普段通りにしとれば良い』 と俺にいい更に

『なぁミーアよ』 とミーアにいう

「はいッ」 とミーアは強く頷いた。


俺は、「して、その結社の名は? 」 と話題を切り替えた

『その名は 銀の三日月 という やつらはそう言っとった』

「何故、お前がその名を知っている? 」

『その質問が出てくるのは当然じゃな』

『儂をあの 櫃 に封印したのが銀の三日月の何代も前の首魁よ 全く忌々しいったら』 と

クローティアは爪をギリリと噛んだ。

『今代で あやつらを根絶やしにするのも儂の目的の一つじゃ』

『そのために儂に出来ることなら お主らに協力してやるわい』 と薄い胸を張り両の手を腰にあて

いつもの調子に戻った。


『ミーアよ、お主を巻き込んで済まなかったな』 としんなりした調子で言う。

「そのことは私も覚悟の上です これ以上畏まらないで下さいませ クローティア様」

『相 分かった』 とこの言葉でこの場の空気は普段の調子に戻った。


「「ねぇイイコト聞ぃちゃったあ・聞ぃちゃったあ・キィィチャッタァ! 」」


屋敷の遥か彼方で二人の少女の哄笑が聞こえていたのは、まだ彼らの知るところでは無かった。



ユラ(ペット)を字数が許す限りあらすじに掲載します

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