表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オルティア・レコード  作者: 南 泉
一章 〜始まりは少女(シーア)から〜 オルティア大陸編
18/75

18 ひと房の髪

 武器の説明を聞いた時、文献等を調べ本と首っ引きになることも多い俺は、

マギと本を使う職傾向にしようかと思っていた 何しろ屋敷には、書籍蒐集家ビブリオマニアでも

目を見張るぐらいの蔵書が在る。したがって、絵物語に登場する”召喚士”を表向きの職能に決めていた。


ミーアにこのことを話すと「いかにも錬金術師らしい選択ですね」と言ってくれたので

俺も”召喚士”を表向きの職能に決めた。


あとは屋敷の整理も兼ねて己にふさわしい武器(魔導書)を決め錬金術師お得意のし掛けを

施すだけだ。



 屋敷へシーア達が向かう途中、木立の陰から観察するように見つめるフードを目深に被った

背の低いローブ姿がそこにあった。



 そんな事はつゆ知らず、彼女達は屋敷へ吸い込まれていく

「やっと付きましたね、シーア様」

「そうだな。今日はいろんな事が有りすぎた、やりたいことがあるが明日からにするか」

と食事を済ませ沐浴場に行こうとしたら

「ご一緒しますか? 」というので

「いや、一人で入る。なに、 ”お作法” は守るさ」

と言うとパタパタと駆け込む様に沐浴場へ向かう乱暴に身に着けている衣服を脱ぎ、

”お作法通り” 髪を慣れない手つきで纏め湯に浸かる。


 湯から上がり髪を解きシャワー桶をセットした。

このシャワー桶は底にたくさ穴が空いていてそれを湯舟に放り込み

ハンドルを回すと井戸の桶のように湯が汲み上がる。ハンドルを固定して桶が空にならない内に

髪を洗う仕組みである。この仕掛けは彼女ミーアにためのものっだったがまさか

自分が使うことになることとは夢にも思わなかった。


絵物語の挿絵を思い浮かべ、首を傾げてサボンを髪に付け絡まないよう、撫でつけるように

洗う(女の身体ってやっぱり面倒くせぇ)


着替えようと脱衣場に上がると何とそこには彼女がいて今までの一挙一投足を見ていたのだろう


「よく出来ました」

「今回はご褒美です」

と散らかっていた衣類は綺麗に畳んであり、ネグリジェを着せてくれて

髪を乾かしつつ櫛で綺麗に梳いてくれる、これは俺も思わずうっとりするほど気持ちが良かった。


「今日はおやすみ下さいませ 後は私がやっておきます」

「ああ、頼む」というと寝室に向かい、寝台に横になると心地よい睡魔が俺を支配した

夢は見なかった。


 翌朝、朝食を終えると

「俺の、墓は何処だ?」と尋ねた。

「はい、裏手に埋葬して御座いますご覧になられますか?」

「そうだな、一度この目で確認しておきたい」

「承りましたこちらへどうぞ」と裏の庭に案内された。

裏手にソレはあった


 質素な墓碑に

「大錬金術師 -シアズ- 事故にて トルティア歴xxxx年ここに没す」とあった。


 墓を暴くまでも無い。

己の身体なのだ

墓の外からでも左のアッシュグレイの瞳を通してはっきりとマギで分かる。

尤もそれもゆっくりと弱まっているのが分かる。思わず目尻に冷たいモノを感じた。

気配を感じたのか


「さぁ、もう行きましょう。シアズ様はいまここにこうして在るのですから」と

ホムンクルス体の少女の俺を、そっと抱き寄せ髪をやさしく手櫛で梳いてくれた。


 まずは、気をとりなし屋敷に戻ると地下で無事っだったであろう”ガラクタ”を検分せねばな

まだ使えるものがあるやも知れん。


そうして、彼女が無事だったものを退避させたいう倉庫へ向った

俺は、血や触媒液等の匂いもない倉庫に足を踏み入れた。

(俺には、もったいないぐらいに優秀なメイドだな)


使えるモノはないかと目をこらせば、大判の書より更にひと回り大きな ”櫃” が視界にとびこんで来た

(これは、破産寸前まで追い込まれたブツだ) これ自体が巨大なオーパーツで手が出せなかったのだ


 でも今は、何か強く引かれていた

(何かが在る、俺の直感が告げていた)


 そう確信めいた俺は、ソレを開けようとしたがビクともしない。

その時またあの声が聞こえて来た


『シーアよ! ようやく我が元へ来たな もっと近くに寄れ』


 と直接、頭に響き逆らう余裕もなく一歩一歩と近づいた。

すると色の濃かったひと房の髪が淡く輝き、植物の蔦の様によじれながら櫃の鍵穴と

思わしき所にするすると入っていくではないか。解除の方法が自然と浮かんだかと思うと

ガチンとなにかが外れる音がして蓋が開いた。

(こうして、おれの新たな短針能力 ”マキナ・プローブ” が目覚めた)


『ようやく、開放されたわい 幾星霜ぶりかの』


と幾度となく俺に語りかけてきた ”あの声” が鮮明な声音で語る。


「お前は誰だ! 」 と咄嗟に俺はブラッディー・ウィップを構え

ただならぬ雰囲気に後ろに控えていた彼女も手刀を構える。


『まぁ、待て儂はお前と敵対するつもりはない お前がその身体になるのを待っておったのだ』

『前の人間の身体では、声は勿論こうして開ける事すら出来んかったからのぅ』


と言葉の主を良く見れば絵物語に出て来るような邪悪な笑みを浮かべた

顔が表紙の一冊の魔導書であった。


『こんな顔をしとるがの、安心せぃお前さん達とは敵対するつもりはないわい』

『ともかくじゃお前のマギを儂にも分けてくれんかのぅ』

『契約すれば、お前さん方の知らない事も儂の知る限り教えてやってもいいんだがのぅ』

『その代わり、儂の手伝いをしてくれんかのぅ』


「何を? 」

(何でも教えてくれるだと、錬金術師としては願ったりかなったりかもしれない俺は素早く算段した)


『それまた追々な、今はお前さんのマギを儂にも分けてくれ』

と彼?彼女?は半泣きになって懇願してきた。


「分かった俺のマギを分をけてパスをつないやる。いいかその代わりに俺の友人には手を出すなよ! 」

と言うと


『おお、了解じゃ早くパスを繋げ』 といってきので


俺は”マキナ・プローブ”の先端で魔導書を包み込むようにした。

 ドクンドクン......ドクンとウロコ辺りが熱く火照り


《 我が一の盟約・我、汝のマギを以って命運尽きるまで路繋みちつなぐもの也 》

と彼?彼女?がいうと赤黒いモヤが俺から魔導書へ流れていくのが

分かる。


そして紋章状に配置されたウロコの中央部のウロコが淡いピンク色に色づいた。


『どうだ 気分は? 』

「いや、悪くない今の所普通だ」


『そうかやはりじゃったか』

「何が? 」


『お前さんの膨大なマギじゃよ。儂はどうやらヴァン族とドラコ族のホムンクルス体とみた』

「どうして それを? 」

『マギを繋ぐとはそういうことだ』

「この身体の事は他言無用だぞ」と凄むと

『お前さんも事情がありそうじゃな、それは約束しよう』


 一通りの会話が済むとミーアがここでようやく手刀を解き警戒を解いた。

『お前さんのマギには感謝しておる、儂の真名はお主らには発音出来んでの

”ネクロン” とでも呼ぶがよい』

『してお主は? 』と尋ねて来たので

「俺の名は ”シーア” だシーアで良い」と応えると

『相、分かった』と頷い? た。

すろと唐突に「クロちゃんですね」とミーアが言った。

『こら! 小娘どういうことか』と顔? を赤らめて? いいかえしてきた。

「おい、約束は違えるなよ」と睨む様に念を押す

『分かっとぉうるわい』 とまた拗ねたようにクロ? はシーアの横に並んで浮かんた。

「それではクロちゃんで決定ですね」 ということで ”魔導書” はクロちゃんに決まった

『むぅ、仕方ないのう』 とブツブツ言っていた


次回、魔導書のプロフィールをあらすじに掲載予定です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ