12 冒険者業
ここ、オルティアにも数々の絵物語や英雄譚に在るような「冒険者組合」が
存在している。
ただ絵物語や英雄譚に在るように剣士だから剣技のみや魔術師が術のみなどと言うことは
ない自身の適正を極めて行くと結果的に役割に帰結するだけの事である。
シーアを担ぎ馴染みの受付嬢に「ねぇ、リア」
「この娘を休ませたいから、2階の会話を遮断出来るあの部屋貸して頂戴」とまくし立てた
「あらミーア、久しぶりね最後にパーティを組んだのって何年前だったかしら」
それには答えず、
「積もる話は後よ、それより今はこの娘が先」
「アナタも分かっているでしょ、あの部屋は冒険者同士の密談のために使われるものであって
休憩所では無いのよ」
「そこをなんとかするのがアンタの役目でしょ」と凄む
「うーーーん・・・他ならぬアンタの頼みでもあるし、交換条件といかない?」
「交換条件?」
「そう、あの部屋を休憩に使っていいわその代わりにぃ」
リアは目を細めミーアの耳元でささやく
「あの娘を冒険者にすることと、あの娘の出自を教えて頂戴。この2つが条件よ」
と指を2本立ててきた
「後もう一つ」
「今度は何よ」と訝しんでいると
「私の好きな焼き菓子奢って」
「何で?」
「あいつらの後始末よ、報告書やら衛兵に渡す手続きの手間賃が・わ・り」
と親指をくいくいやる方に目を向けると、ちょうど荷車に載せられて先程の男3人が
白目を向いたまま運ばれて来るところだった。
背中のシーアの呼吸は一定のリズムを保っているようだが相変わらず浅い
(後のお叱りは覚悟の上で)
「分かったわ、その条件で了解よ」
「じゃこれ」
と羊皮紙にかかれた契約書を出してきた
「早っ!」
おそらくリアが事務方に目配せでもしていたのだろう
「やられた、まぁ契約は契約ということで」
ミーアは契約書に自分のマギを込めた。
このオルティアでは契約等の際、サインと共に自身のマギを込める
これを、シアズ謹製の読み取り魔器にかざすことで本人確認がいつでも出来るマギは
一人一人異なるのでごまかしは効かない
本人自身とマギを込めた物に齟齬が生じると、読み取り魔器が反応する仕組みだ。
魔器の制作は発掘されたオーパーツを組み込んで使う、このオーパーツを錬金術師が解析して
魔器に組み込んで試作品を作るそして、ギルドがこれを採用すると量産して世界に広まる。
「アンタらが、降りて来るまであの部屋は好きにしていいわ」
「ありがと」と踵をかえした
2階の密談部屋に入り契約書を読み取り魔器にかざすと、シーア・ミーアどちらかの許可がなくては
立ち入る事さえ出来なくなった。




