10 色々とオンナの子はモノ入り
ミーアと連れ立って屋敷を出ると、日の光が天辺よりやや東寄りに近く街の方から
料理屋の煙が立ち上り始める頃合い。
「お嬢様」といきなりミーアに声を掛けられた。
「お、お嬢様って」と小首を傾げミーアを見ると
「シーア様の事ですよ」
「何故、お嬢様と呼ぶんだ」と問いただすと
「大勢の中では大声でむやみに呼ぶべきものでは無いと思っていますから」
「どうして?」
「いろんな種族や思惑が入り乱れている街では、大声で呼ばれたりすると
不都合が有る人がますから、いつ厄介なトラブルに巻き込まれるか分かりませんでしょう?」
「んむ、成る程な一理有るか」
(シアズの時は、直接取引に行かなければならない状況はすべてミーアが事前交渉を済ませた上で
取引で互いの名前を名乗って最終確認としていたからな。今後は気を付けなきゃな)
「ところで、昨夜の夢見の件はどうなりました?」と聞いてきたので
「衆目が多いこの場では駄目だ、会話を遮断出来る場所を借りてそこでなら」
「あら、私としたことがさっき”お嬢様”に街中で注意したばかりでしたね」と小さく舌を出して
片目をつむり照れ笑いをした。
それと、俺は先程からチリチリと視線らしき気配を上から下まで感じていた。
気配を感じたのかミーアは「お嬢様こちらへ」と俺の手を掴むとやにわに服飾店と覚しき所に押入れた。
「な、何?」
「街に入ってすぐでしたか、あまり風体のよろしく無い殿方達がお嬢様に下卑た視線を送っていたもので
すからこの店の中なら、さしもの殿方達も入ってこれないですからね」
「ちょうど良い機会ですからこの店で買い揃えちゃいましょう」
言うが早いかミーアは店員と何事か話始めた。
「そうそう、お嬢様。ブラは必ず身に付けてくださいね」
俺は思わず「ブラぁー!?」と店内で大声を上げてしまい慌てて店内を確認したが幸いなことに
ここには俺とミーア・店員だけだった。
「なんでオ・・・」レがと言葉を続けようとした時、びたんと口を手で塞がれ出かけた言葉はあえなく
フェードアウトした。
「お嬢様が”オレ”なんていっちゃいけません。屋敷内でなら今までの経緯も有りますから
多少大目にみてあげますが衆目のなかでは”オレ”は使っちゃ絶対駄目です」と
眇め目で警告をしてきた
ここでゴネて悪目だちしても困まるなと早急に考えを切り替え、
「”お作法”は守って下さいませ」というので
「あ、あのブ、ブラというものを買いたいのだが は、始めてで」とやっとのおもいで
言葉を紡ぐ
「あぁ、始めて初めてなんですね。分かりましたこちらでどうぞ」と慣れたふうで
カーテン付きの試着室へ目配せする。
大きな姿見の前で脱ぎ
「ぉお願いします」と消え入りそうな声でミーアに声を掛けた
「サイズをお測りしますねといってミーアにも入ってもらった。
やにわに、胸の辺りをこそばゆい感覚が走り「ひゃう、んっんっ・・・・・・ん」などと嬌声にも似た
情け無い声を上げておまけに腕まですぼめたものだからミーアに、
「ふふっ可愛らしいこと」なんて言われる始末。
顔が紅潮してくのが自分でも分るくらい火照って湯あたりでもしたかの様にのぼせてしたまった。
追い打ちをかける様に、長い髪の毛がさらさら何も着ていない上半身を泳ぐものだから
くすぐったくて思わず、
「くしっっ!」とくしゃみをしてしまって「あら?、風邪を引かない内に済ませちゃいましょう」と
計測は続行されたのだが計測が終わるであまり覚えていなかった
ブラを見繕ってもらい数点を買ってもらいうち一つを持ち試着室に入った。
さて、さすがに付け方までは沐浴場では観察していたものの見るのと実践は別である。
そして使い慣れない女言葉で「私、ブラの付け方が良くわからないの」と
訴えた。
(うぅ、何でこんな言いづらい言い回しをせにゃいかんのだ)
「はい、お嬢様今回は私が付けて差し上げますから”お作法”なので今後は、ちゃんとご自身で出来る様に
なって下さいませ」と試着室のカーテンから手を伸ばし付けてくれた。
始めてのブラは胸周りがバンドで締められているようで苦しかった。
シーアとミーアが服飾店に入ったと同刻、3人の男達が下卑た笑いを浮かべながら
「「「あのアマ、上玉だぜぇ! あぁ特にあの銀髪の方 ありゃいくらになるんだぁ 800万リーンか
それとも 1000か3000か まぁいずれにしてもケット族の女も、とっ捕まえられれば5〜7000は
かたいぜ・なぁ銀髪優先で行こうぜ・おうよ!了解!」」」と不穏な気配を醸していた。




