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高校生の異世界奮闘記  作者: 零式
第2話 ~平和の為に~
12/15

目的地へ

大陸間国境付近(ルティアナ)


「麗奈…本当によかったの?」


俺と麗奈はルティアナ国に向かっていた、昨日レイディア国がミレイム村を襲い支配下にしようとした、しかし俺達がそれを阻止した、ちなみにミレイム村というのは俺達がお世話になった村の名前だ、そして、英樹と有希は俺達とは別のことをするらしい


「…くどいわよ…諒」


そして、俺達はこのやりとりを何度もしていた、英樹達と分かれてから麗奈の様子が少しおかしい…というか暗い、村を出てからしばらくはいつも通りだったのだがしばらくすると表情がだんだん暗くなっていった


「でも、明らかにテンション下がってるよね?」


「…………ねぇ…私達、ルティアナ国に向かってるのよね?」


「えっ?……何言ってるの?ルティアナ国に向かってるんだよ」


いきなりどうしたのだろうか、おかしなことを聞いてくる、もしかして頭おかしくなったのか


「…そう……ならいいのよ……」


なんか、この麗奈は絡みにくい、いつも通りの麗奈なら冗談も言えるのだがこの状態は流石に言えない気がする

とはいえ、何故か同じ所を歩いてるような感じだ、地図の距離はやっぱり信用できないな


「……諒……あとどれくらいなの……」


「分からない…」


エリアさんの話なら村から真っ直ぐ進めばルティアナ国に着くと言っていた、だが、何時間歩き続けているのか分からないが、結構歩き続けていた


「……もう…いつになったら着くのよー!!」


そして、麗奈の心の叫び声が広い草原に響いた、しばらく歩くと休憩できる場所が見えてきた、俺達は休憩することにした

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【ミレイム村】


「みなさん行っちゃいましたね」


英樹さん達三人が村を出てから、私と有希ちゃんは家でお茶を飲んでいた、諒さんと麗奈はルティアナ国に英樹さんは一人でバハムート国に向かった、しかし、普通はバハムート国に単身で行くなど自殺行為だ


「……うん」


目の前にいる有希ちゃんはそれを聞いて、何も言わず英樹さんを見送っていた、麗奈と私は昨日あんなに否定していたのに……それだけ彼のことを信用しているのだろうか


「有希ちゃんはこれでよかったのですか?」


「えぇ……英樹の決定なら」


「でも…有希ちゃんの意思は?」


「……エリア、私は私の意思で英樹の意思に賛同したの、それに英樹は一度決めたことはなかなか折れないから」


有希ちゃんの表情はいつもと変わらない様子だが、雰囲気というものが少し変わっていた、それほどまでに信じているのか


「…エリア、今日英樹に抱き付いて寝てたんでしょ…なんで?」


「えっ……」


確かに昨日麗奈と英樹さん(半ば強制的)と寝た、別に普通に寝てただけですからね?勘違いしないでくださいね、って私誰に言っているのだろう


「……好きなの?」


「えっと……そ、そういう有希ちゃんはどうなんですか?」


「…話変えた……別にいいけど、私は好きだよ、英樹のこと、大好き」


「じゃあ…なおさら英樹さんを止めないといけないじゃないですか……死ぬかもしれないのに……」


「本気でそれ思ってるの?」


「……っ…それは…」


思ってないと言えば嘘になる、心のどこかではやはり彼が死んでしまうと思っている部分がある


「私は死なないって信用している、だって英樹が言ったから」


「……有希ちゃん」 


「……エリアも英樹が好きなら、死んでしまうとか思わないで」


「ごめんなさい……」


怒られてしまった、でも、やっぱりそれほど彼女は英樹さんを想っていたのだ、そこは反省しよう


「では、お昼ご飯食べましょうか」


「うん…」


そう言って私達はお昼ご飯の準備を始めた

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大陸間国境付近(バハムート)


村を出てからバハムート国を目指して歩いていた、しかし、地図を見ていてもなかなか目的の所が見えてこない、大陸間に壁があり関所を通らないといけないらしい、話によると関所と言っても名ばかりで無人で勝手に大陸間を行き来できるらしい


「…はぁ、一人で黙々と歩いているのもキツいな……というか、いつになれば見えてくるんだよ」


俺はそんなことを呟きながら歩いていた、こういうとき本当に誰か知り合いがいたら楽だ、話せば気は紛れる、まぁ、異世界に知り合いがいたら怖いけどな


「おい…そこのお前」


いろいろ考えながら歩いていると後ろから声がした、また厄介なことに巻き込まれたくないが無視しても面倒くさいことになるだろう、仕方なく渋々振り返ることにした


「……お前……こんな所で何してる?」


振り返った先には見覚えのある顔があった

銀髪のロングで赤色の瞳、ぱっちりとした目、まさしく美少女顔、多分うちの学校にいるなら間違いなく学園一の美少女だろうな、まぁその美少女顔もその性格で無駄にしている気もするような少女……昨日戦った敵のメリアがそこにいた


「なんだ…お前か」


「なんだその言い方は…私だと不満なのか?」


「いや……別に、というかなんでここにいるんだ?」


レイディア城は反対方向にある、方向音痴なのかコイツ


「それは私が先に質問したが?お前は最初に会ったときも質問に答えなかったな……人の話聞く気あるのか?」


呆れた表情で言われてしまった、いや、ちゃんと話は聞いてるけど、あんまり言いたくないし


「お前が言ったら俺も答えてやるよ」


「……意味が分からん、答える気がないくせに」


流石部隊をまとめるだけある、やっぱりコイツはできるやつだな、脅威にならないように気を付けよう


「まぁいい、この方向ならバハムート国に向かっているんだろうしな」


大正解、素晴らしい推理力だ、某名探偵アニメみたいだな


「だとしたら?」


「別に、私には関係ないことだし、気にはしないさ」


そう言ってメリアは俺と同じ進行方向に歩き出した


「おい…お城は反対側だけど?」


そう言うと、彼女は振り向き


「残念だが、今日城から追い出されてな、まぁ雇われ戦士だったから困りはしないがな」


笑いながら答えた、なんということだろう、彼女は強く頭も良い、それなのにそんな貴重な戦力を捨てるなんてレイディア国は馬鹿なんだろうな


「そうか……じゃあ、放浪人か」


「まぁ、そんなところだ、ということでちょうどよかった…今日からよろしくな」


笑顔で肩に手を置かれた、全くもって意味が分からない、一体どういうことなのだろうか


「は?何言って……」


「追い出された原因はお前に負けたことだし、責任もってもらわないとな、このままじゃ私は飢え死にしてしまう」


「いや…ならルティアナ国に……」


「あぁ…あんまり行きたくないな………私、有名だから」


「……悪い意味でだろ?」


「そうだ……だが、お前は気にしないだろ?」


「まぁ、よく知らないからな……いいのか?俺と一緒に行動して」


「別に構わないし……というか責任取れ!!」


耳元で思いっきり言われてしまった、別に俺は勝っただけだしな……まぁ、メリアが一緒にいてくれるなら気が楽だ、それに心強い


「わかったわかった……じゃあよろしくな、メリア」


「…っ!?……よ…よろしく…頼む……」


何故かメリアは顔を赤らめて俯いてしまった

そして俺達はバハムート国に向かって歩き出した

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