前編
コーヒーを飲み私の心を落ち着かせる。
初めてコーヒーを飲んだのが、小学3年生。
母親が飲んでいる真っ黒い液体に興味があり、こっそり飲んだのが始まり。
はじめはすごく苦くて、吐きそうになったのを覚えている。
けど、いつの間にか「コーヒー依存者」になり早28年。
私は大人の女性になっていた。
コーヒーというものは、あまり若い女性の身体に良くないと聞く。
その若い時にコーヒー依存が一番強かった私。
1日に約5~6杯は飲んでいた。
今思うとよく、胃が荒れなかったな。と感心してしまう。
いまでも、友達に飲みすぎと言われるが辞めることが出来ない。
仕事を覚え、昇進し、部下ができ、あと少しでお局様になりそうな私。
周りの特に、母親には結婚はどうする?と言われうるさいが日々充実していた。
もちろん、大好きなコーヒーも飲みながら。
「部長、これお願いします。」
書類を持ってきた青年といわれても可笑しくない、彼。佐々木くん。
私より、6歳下の新人くん。他の人より仕事の覚えもよく、手際もいい。期待の新人。
しかも、これがまた顔もいい。
ブラウンより、暗めの髪がサラサラ動き。肌もつやつや。目がパッチリしていて、笑顔がとても可愛らしい。アルバイトの女子曰く、「チワワと柴犬を+2で割った犬系男子」らしい。
「ありがとう。見とくね。」
「はい、よろしくお願いします。」
おばさんの私でも可愛らしいと思うし、恰好いいと思う。
ただ時々、あまりに眩しくて目が痛い。
もうなくなってしまった、若さを見て目が痛いのだ
「どうしたの?もう、行っていいけど。」
「えっ、あっはい。すみません。」
そういった彼だが、ある一点を見つめるばかり。
その視線の先には私のコーヒーがあった。
「コーヒーがどうしたの?」
「えっ…と、コーヒーよく飲みますよね。部長は。」
「えぇ、まぁ。」
「実は…あの!このあと相談があるんです。」
「えっ、あっ。わかったよ。」
「仕事が終わり次第、休憩室で待ってます!!」
そういって、佐々木くんは自分の席に行ってしまった。
私は部長ということで、部下の相談。また、根っからの世話好きがこうじ、時々色んな部署から相談を持ちかけられる。 仕事の相談から、恋愛の相談、多種多様。
きっと、佐々木くんのことだから仕事の相談とかだと思うが…
私は心を落ち着かせるため、コーヒーを飲んだ。




