可愛い友人が出来ました
女の子を助けて喫茶店へと場所を移した後、僕の右隣には彩、左には助けた女の子のうちの金髪の方の子。彩の隣には、もう一人の女の子が座っている。店に入ってから注文している間、誰も話さなかったので、シーンとしている。注文した物も届いたのでとりあえず話しかけてみようと思う。話題…とりあえず自己紹介?
「えっと…とりあえず自己紹介しようか。僕は紅月 雪音だよ。雪、って呼んでね?」
僕が言うと、本を読んでいた彩が本を閉じて、自己紹介をしてくれた
「私は紅院 彩瑪。雪の幼馴染。彼女とかじゃないから」
彩が呟いた内容は、良く質問される内容だったので、彩も少しうんざりしていたのかな?と思うから僕は何も言わないでおこうと思う。
「私は山瀬 美玖と申します。先ほどは助けていただいてありがとうございました。」
金髪のお嬢様な子が美玖ちゃんね。美玖ちゃんは何故か彩の彼女じゃないという言葉を聞いてほっとしていたけど、僕は何もみていない…うん。
「私は七瀬 優美香。美玖の幼馴染。助けてくれてありがとう。」
黒髪の子が優美香ちゃんね。優美香ちゃんは彩をちらちらとみている
「よろしくね。」
僕が言うと美玖ちゃんはおずおずといったように質問してきた
「あの、雪さんは、女性なのですか?」
美玖ちゃんが、聞いてきた内容は僕にとって良く聞かれる質問だ
「生物学上、女だね」
僕の言葉を聞いて美玖ちゃんは悩み始めた
「雪さんは、何歳なんですか?私は16で、美玖は15ですけど」
悩み始めた美玖ちゃんをほっておいて、優美香ちゃんは年齢を聞いてきた
「僕も彩も15だよ。4月から高槻学院の高等部へ通う予定なんだ」
僕が言うと、美玖ちゃんが盛大に反応した
「私も4月から高槻学院の高等部へ通う予定なんですの!!」
美玖ちゃんは勢いよく言った
「私は4月から高槻学院の高等部2年になるかな」
優美香ちゃんが小さく溜息をつきつつ言った。美玖ちゃんって元気な子だねー
「先輩になるんですね」
彩がポツリと呟いた
「そうだけど、敬語は止めて?」
優美香ちゃんは、彩を見て悲しそうな顔をした
「…わかった」
彩はそんな優美香ちゃんを見て、頷いた
「さて、美玖ちゃんと優美香ちゃんはどこかに行く予定じゃないの?待ち合わせしてたみたいだし」
とりあえず話を続けたいと思う
「優美香ちゃんと一緒にお買い物に行こうと思っていたんです。」
美玖ちゃんがきらきらした目で話しだした
「最近美玖は、従兄の用事を手伝っていたから忙しくてなかなか遊べなかったから今日久しぶりに遊ぼうと思って約束したんです」
「それで優美香ちゃんと合流したら、あの方たちに囲まれて…」
美玖ちゃんがしゅん…っとなった。小動物を思い出すね
「そっか…あんなのが結構いるから気をつけなよ?」
美玖ちゃんの頭を撫でて注意をすると美玖ちゃんはかすかに頷いた
「…雪。そろそろ行こう」
美玖ちゃんの様子をチラリと見た後、彩が言い出した
「そうだね。…美玖ちゃん、優美香ちゃん。また4月に会おうね?」
「いつでも連絡くれて構わないから」
携帯番号とメアドを交換して、僕達は店を出た。