絡まれた少女達side
私は山瀬 美玖といいますの。今日はお友達の七瀬 優美香ちゃんとお買いものに来ているんです。
最近忙しくて、優美香ちゃんと一緒に遊ぶことが出来ていなかったので、今日がすっごく楽しみなんですの!!
私が忙しかった理由は約一名のせいでもあるのですが、それはまぁ言わなくてもいいですよね?
「優美香ちゃん。お待たせしてしまいましたか?」
待ち合わせ場所へ行くと、すでに優美香ちゃんがいました
「美玖、大丈夫だよ?私も今来たばっかだから。」
私が声をかけると、優美香ちゃんは笑顔で私のもとへ来てくれました
「では、いきましょうか!!」
並んで歩き出そうとしたら、何故か男性に囲まれてしまいました。
囲まれたと言っても、相手は3人ほどですが
「ねぇ、俺らと遊ばない?」
これがナンパ、というものでしょうか?
「すみませんが、私達、今日は予定がありますの」
「あんた達と遊んでいる暇はないよ」
私がやんわりとお断りしようとしたら、優美香ちゃんがきっぱりと言ってしまいました
「つれないね~。そんなこと言わずにさ~」
「俺らと遊ぼうぜ?」
ああ、しつこいです!!周りを見てみると、遠巻きに見ているものの、助けようとしてくれる方はいないようです
「だから遊ばないって言ってんじゃん!!しつこいよ!!」
優美香ちゃんが私をかばってくれているのですが…本当にしつこい方達ですね
「生意気だな。けど、嫌いじゃないぜ?」
彼らはそう言ってにやにやと笑っています…怖いです
「やめてください、って言ってるじゃないですか!!」
私は思わず彼らを睨みつつ、言ってしまいました
「良いじゃねぇか。俺らと遊ぼうぜ」
私の訴えは聞き入れてもらえませんでした
どうしようかと悩み始めた時、一つの声が聞こえました
「ねぇ、彼女達嫌がっているんだからやめたら?」
その声は、低くもなく、かといって高くもなく、スッと耳に入ってくる…とても心地よい声でした
そして、私と優美香ちゃんの前に、まるで彼らから庇うように立ってくれた人がいました
彼…で良いんでしょうか?…彼は、ダークブランの髪をうなじの部分でまとめていて、服装は、私の方からは見にくいですが、シャツ系統のインナーにジャケット、それにスラックス…でしょうか?シンプルで落ち着いた色合いの服を着ていますね。靴はロングブーツといったところですか。
彼の乱入により、男達はムッとしたようですね
「お前…なんだ急に出てきやがって」
男達の発言に彼から楽しそうな雰囲気が漂ってきました
「君達に名乗る名前は無いよ。君達しつこいよ?女の子の扱いは丁寧にって決まってるの知らないの?」
声の調子も楽しそうとしか思えませんね
彼の言葉を聞いて、男達は笑いましたね
「はってめぇ。邪魔なんだよ。怪我死ねぇうちに引っ込みな」
男達はあろうことか彼の胸倉をつかんで彼を脅しているようです!!
なんて事を!!
「僕が怪我をすることで彼女達を解放してくれるならそれでも構わないけど、君達は違うよね?」
彼はそういうと、胸倉をつかんでいる男に小さく何かを囁きました
囁かれた方は硬直した後、逃げだしました…何を言ったのでしょうか…
「大丈夫?」
ぼーっと男達を見送っていると、彼が心配そうに私達を見ていました
「あ、はい、大丈夫です。助けてくれてありがとうございました」
私達が頭を下げると、彼は困ったように笑いました
「大丈夫ならいいんだ。これからは気をつけてね?」
彼は首をかしげつつ私達に言いました
彼はどうやら喫茶店の方から騒ぎを聞きつけて助けにきてくれたようですので、お礼もしたかったので彼について行くことにしたんです。
私、彼に恋をしてしまったのかもしれません。
彼が笑いかけてくれるだけで、胸がドキドキして…幸せですの
美玖ちゃんはお嬢様です
美玖ちゃんと優美香ちゃんの設定は人物紹介にアップします