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8本目 勇者《ヤツ》はバカですか? はい、しかも鈍感です

「ところで親御さんは?」


 リザ達の作ってくれた飯を食べながらさりげなく聞いてみる。


「実は私が生まれてすぐ……。祖父も海賊王になる! といって去年出て行ってしまいました」


 ……これは謝るのが先なのだろうか? それともツッコむのが先だろうか?


「……えっと、ごめん」


 とりあえず謝ろう。


「なんで謝るですか?」


 不思議そうに首を傾げるリザ。頭にはクエスチョンマークが浮かんでいる。

 本人は気にしてないみたいだ。


「じゃあリザがこの鍛冶屋を?」


 シャルが尋ねる。

 確かに、来たときにはドアに“OPEN”の看板があった。


「はい! でもあまり人は来ませんが」


 えへへ、と恥ずかしそうに笑うリザ。


「それならヒカルもアレを改造して貰ったらどうですか?」


「そうじゃの。流石にあれではの」


「そうだなぁ。やってくれるか?」


 でも出来るのだろうか。何せ傘だしなぁ。


「はい! もちろん! それで得物は何ですか?」


 うっ、目がキラッキラしてる。……言えない、言えないよ! 傘が武器だなんて……


「「傘」」


 ああ! 二人が言っちゃった!


「傘……ですか?」


 キョトンとしているリザ。

 そりゃそうだろうよ。傘ってそもそも武器じゃねーもん。

 はぁ、これは一から全部話さなきゃならないか……


「実はだな……かくかくしかじか」


 てかデルフがもう話てるし!


「それでヒカルのかばんから漫画というものが…」


「チェェェストォォォォ!」


 デルフの顔面に向かって傘でフルスイング。


「ぶべらっ!」


 一撃で失神するデルフ。練習しといて良かったかも知れない。


「まっ、まぁ 大体分かったろ?」


 汗をだらっだら流しながらリザに問い掛ける。


「うん。でも“まんが”って?」


「子供は知らんでよろしい!」


「リザ? それはですね?」


 今度はシャルか?!


「チェェェスト」


「私を殴るんですか?」


 瞳を涙でうるうるさせながら上目使い、という上級コンボをつかってくる。

 これは可愛くないとできない技だ。




 ぐはっ!

 2Hit!

 ヒカルの良心に1000のダメージ!


 ヒカルの正義感に500のダメージ!


 あとついでに消費税で75のダメージ!


「最後のはいらねぇだろ!」


 OVER KILL!

 ヒカルの心は砕け……


「砕けるかぁ!」


 そうだ、俺はまだくじける訳にはいかない。

 守りたい世界プライドがあるんだぁぁぁ!

 仕方ない、これは正直使いたくは無かったんだが……


 俺はゆらりと立ち上がってシャルの所まで歩き、そして……










「お願いします。シャルロットさん! ここはどうかご勘弁を!」



 THE土下座。

 そう、日本人の心、土下座。

 困ったときは土下座か逃げろって昔の人が言ってた気がする。



「とりあえず、デザートを買ってきて下さいますか?」


 笑顔のシャルロット。そりゃもうとびっきりの笑顔。


「パシリかよっ!」


「リザ? ヒカルの漫画というのは……」


「ああっ! 分かった! 分かりましたから!

ったく、太ってもしらねぇぞ……」


「なにか?」


「なんでもねぇよ。……体重が体重がって言ってたくせに」


「た、確かに少し体重が増えてしまいましたが! でも、でもっ!」


 興奮した様子で詰め寄ってくるシャルロット。

 顔が近いっ!


「ま、まあ少しぐらい太ったって誰も気にしねぇって」



 ……沈黙。



 そして……


「……ひ」


「ひ?」


「ヒカルのばかぁぁぁ! うわ〜ん!」


 勢いよく家から駆け出すシャルロット。

 うわーんってあいつ……キャラ崩れすぎだろ。


「追いかけた方がいいですよ? というか追いかけないとダメですよ、お兄ちゃん」


 

「やっぱり?」


「うん。あれはちょっと……」


 そんな呆れた顔しないで下さいよ、リザさん。


「まぁ少し言い過ぎたけどさ」


「少しじゃないですよ! あんな事ばっかり言ってたら恋人なんてできませんよ? まっまぁそうなったら、わっ私が……」


 がふっ

 遂にリザにまで言われてしまった……。

 がっくりうなだれる俺。


「って聞いてくださいよ! うぅ、せっかく頑張ったのに……

もう! いつまでウジウジしてるんですか! 早く追いかけてください!」


 腰に両手を当てて、怒ったように言ってくるリザ。


「あの……なんで怒って」


「怒ってない! ほら立つ!」


「ハイッ!」


「ダッシュ! 傘は改造しておきますから。ちゃんと仲直りしてくる事! いいですね?!」


「サー、イェッサー!」


 そう言って家を飛び出す俺。

 こえぇぇよ! 女の子こえぇぇよ! そんな恐怖に衝き動かされて街をさがしまわったヒカルなのであった。


 このあとシャルロットを見つけてから色々あったのだが、それはまた別の話……。

『座談会、今日の出来事』


デルフ「のぅ作者、今日はまだしも、最近我の描写が激減しているのはきのせいかの?」


作者「い、いやそんなことは……ある、けど大丈夫だ! 次は大丈夫だ!」


デルフ「ホントかの? もし無かったら……分かるのぅ?」


作者「はっはい! というわけで次回

『だってドラゴンだもの』

乞うご期待!」



リザ「サービスサービスぅ」


ヒカル「エ○゛ァの最後パクっちゃ駄目だろ!」

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