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0本目 異世界に招かれて、俺。

「魔王と共に戦っていただきます。」

「・・・・はい?」



突然だが、冒険ファンタジー小説を読んだことがあるだろうか?ハードカバーでもライトノベルでも何でも良い。ちなみに俺場合は後者だが。勇者が魔王を倒す。まあ、王道だろう。しかし、あのありきたりなのに何故か楽しめてしまう、おそらく無くなる事はないであろう神ジャンル。俺は大好きだね。・・・・読んでる分には。



なんでこんな話してんのかって?

よくぞ聞いてくれた。実は、・・・・巻き込まれちまったんだよぉぉぉ!!!



あー、ありきたりだから経緯をダイジェスト版でお送りするとだな・・・・



俺の名前は、高瀬 光。

公立高校に通う2年生。学力、容姿ともに平凡。身長170。きっとどこにでもいるであろう普通の高校生。そんな俺がいつも通り学校から帰ったところ、ポストに怪しげな手紙を発見、開封した瞬間、手紙から出た光に飲み込まれてしまったのだった。


「−−−−――――様」



「―――――者様」


・・・・ん、なんだ?何が起きたんだ?徐々に回復する視界。


「ここ・・・・は?」




最初に目に入ったのは色とりどりの光と綺麗な女の子。

歳は俺と同じ位だろうか?陶器のような白い肌。大きくぱっちりとした瞳は、知性の輝きを燈している。

そして長い銀髪は絹のようで、彼女の着ているドレスと良くマッチしている。大聖堂のステンドグラスの様な窓から入る光に照らされている彼女は魅力的で、お話に出てくるお姫様のようだった。


「お気づきになられましたか?」


お姫様が話し掛けてくる。それと同時に思考も回復して・・・・



「ようこそいらっしゃいまし」

「えぇぇっ?何処だよここ!!!」


お姫さんみたいな人がなんか言っているようだが、正直それどころじゃない。

まず驚愕。当たり前だ。何せさっきまで家にいたんだからな。



「ようこそいらっ」「つか、あんた誰だよ!どうなってんだよ!」


「ようこ」「まさか死んだのか?!まじかよ!まだワールドカップ見てねーんだぞ!・・・ぐぉっ?!」


一人でテンパっている時だった。突然身体が浮かび上がった。そして首には冷たい感覚。


「なんだよ!ってヒィィィ!」


何と俺を持ち上げて下さっているのはいかにも中世の騎士的なお方だった。しかもご丁寧に首筋に剣を突き付けなさっている。


「・・・・お話を聞いて下さいますでしょうか?」


微笑みながら話かけてくるお姫さん。目が笑ってない様に見えるのは気のせいでは無いだろう。正直、コワイ。


「す、すみませんでしたぁっ!」


余りの怖さについ反射的に謝る俺。我ながら情けない。その様子に満足したのか、お姫さんは話し始めた。


「それでは、改めてまして。ようこそいらっしゃいました、勇者様。私はシャルロット・ファン・カームレイン。ここ、パスタリア王国の姫でございます。」



そう言って、ふわりと笑う。やっぱり姫だったのか。まぁかなりの美人だし、高そうなドレス着てるし、だいたい予想はついたが。・・・・ん?勇者?


「勇者?俺が?どういうこと?」


「はい。実は数ヶ月前、魔王が“魔獣増殖炉”という魔物を無限に生み出す炉を作りました。そのせいで今まで少なかった魔物の数は急激に増加しています。今はまだ凌ぐことが出来ますが、早く手を打たねばなりません。そこで過去の文献にあった召喚魔法を執り行ったのです。」


「マジかよ!夢じゃねーのかよ!」


「はい、夢ではありません。」


なるほど。何と無くだが展開が読めてきたぞ。テンパったからか驚きなんてもうどっかいっちまった。



「だから異世界の俺が喚ばれたって訳か。」


「御明察です。まあこんなヘタレが来るとは思いませんでしたが。」


「容赦ないなアンタ!!」


てか姫さまがヘタレとか言っていいのかよ!


「まぁ良い、ってことは俺は魔王をぶっ飛ばして増殖を止めればいいんだな?」


「いえ。魔王を倒す必要はありません。魔王は味方ですから」




・・・・ナンダッテ?

この姫さんは何を言っているのだろうか。


「まぁ、驚くのも無理はありませんね。訳をお話しましょう。」


そう言って姫さん衝撃的な事を話し始めるのだった。

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