14〈第一章完〉
自室のベッドの上に仰向けで寝転がり呟く。
「あそこにあったのか?」
探しても探しても見つからず、最終的にアシュの家に転がり込んでしまった。
手持ちの探査機は何も役に立たなかった。
今回の目的は達成できなかったが準備を整えてまた探しに行こうと思っていた。
それでもここに帰って来るのを渋っていたのは……。
「あいつは関係ねぇ」
最後に見せた感情のない表情。
強引に同居した上に性欲処理に使ったのは、正直やり過ぎたかと思っている。
けれどアシュは過去に相当遊んでいて慣れている様子だった。
始めは声もなく泣いている事もあったが、それは久しぶりの感覚に混乱しているだけだった様だ。
ライヤも女遊びは激しくきわどい経験もしているが、男同士だって然程変わらないだろうと勝手に思い込んでいた。
「強姦された癖にセフレって言い切ったもんなあの野郎」
慰謝料でも請求できた筈なのに。
どういうつもりなのだろうか。
さっさと出て行って欲しい、ただそれだけの気持ちだったのか。
アシュの身体は思っていた以上に中毒になった。
考えていたよりもずっと快楽が味わえた。
男が初めてというのもあったが、アシュの肌も中もとても心地良かった。
それに抱き締められている様な感覚に安心さえした。
幼い頃に受けられなかった優しい抱擁は、あんな感じなのかと思うほど。
何故、ザンと身体を重ねたアシュに怒りを覚えたのか。根本的な感情を理解できないまま、ライヤは眠りへと落ちた。
一眠りしたら既に友人達から連絡が入っていた。
プライベート用の携帯はロックをかけ一切連絡が入らない様にしていたのに。
「親父の仕業だな」
操作したのはレナートだろう。
ライヤが大学に戻って来ると知った友人達の反応は様々だ。
『おかえり、お土産はあ?』
『旅行に行ってたって? 数ヶ月かあ。まあた女とか?』
『てっきりやめたと思ってたよ』
画面にはそれぞれの顔が映し出されており、それは動画になっている。
懐かしい顔触れが次々に映し出される。
元の日常に戻るのか。
それでもあの街を諦める事はまだできない。
彼が一時期滞在していた例のアジアの街では、未だに異変が収まってはいなかった。
〈第一章完〉




