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おっさん令嬢 ~元おっさん刑事のTS伯爵令嬢は第2王子に婚約破棄と国外追放されたので、天下を治めて大陸の覇王となる~  作者: 丹空 舞
(8)レヴィアスの拠点造り おかえり!令嬢のカラダ 

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種が育ったぞ

ノエルは早朝から池の周りに降り立った。昨日撒いた豆とハーブの種が気になって仕方がなかったからだ。


「どうなってるかな……」


池のほとりに近づくと、地面に小さな芽がいくつも顔を出していた。特に豆の芽は、力強く伸びている。ノエルは嬉しそうに微笑んだ。


「早いな、もう芽が出たのか」


その時、カワウソたちが水から顔を出し、興味津々にノエルを見つめていた。一番小さなカワウソも、嬉しそうに近寄ってきた。


「キュイッ、キュイッ!」


「お前たちも元気でよかったよ」


案外に適応力があるらしい。

ノエルはアイスの魔法を加減して放ち、水面の温度を下げる。


今日は天気も良く、太陽が暖かく照りつけている。これなら植物も元気に育つだろうと、ノエルは思った。


「さて、これからは毎日しっかり世話をしないとな」


そう呟きながら、ノエルは豆の芽に優しく池の水を注いだ。

ついでのようにフローラを放つ。

ギュインと大きく育つのが楽しい。

カワウソたちも嬉しそうに周りを泳ぎ回っている。

降雨による水なので、塩分もない。


「よし、フローラ!」


ノエルが魔法を唱え終わると、池の淵には小さな花がずらりと咲いた。


「キュイ―ッ」


カワウソ達も喜んでいる。ように見える。




「おし。もういっちょ、フローラ!」


ノエルが手をかざすと、青い光が豆の芽を包み込み、芽は見る見るうちに成長していった。


何度も唱えるたびに、豆の茎は伸び、葉は大きく広がり、ついには花が咲き始めた。花が咲くと、まるで祝福を受けているかのように、豆の作物はさらに成長を続け、立派な蔓とたくさんの実をつけた。

もはや小さな木のようだ。


「すごいな……こんなに立派に育つなんて」


ノエルは感動しながら、その光景を見守った。カワウソたちも驚いたように、豆の蔓を眺めていた。一番小さなカワウソが、満足そうにノエルを見上げた。


「キュイッ!」

「気に入ったか?」


ノエルはカワウソの頭を優しく撫でた。周囲には草の香りが漂い、風に揺れる葉の音が心地よかった。


「そう言えば、お前らって何食べるんだ?」


カワウソの集団が、ピチピチ跳ねる素振りを見せた。一匹は、ピョンピョン跳ねている。その隣では、丸まっているのがいる。


「魚? なるほど。隣はカエルか? その横が分からん……あっ、貝か!」


ノエルは川でも生きていけそうな生物を思い浮かべた。

捕りやすそうな川魚。


「うん、ニジマス……とか?」


ノエルは水面を見つめた。

力を手のひらに集める。

だいぶ、慣れてきた。

ここに自分のイメージを込めて、形作ればいい。


「レインボー・フィッシュ!」


エネルギーが水面を穿つ。

すると、色とりどりの光が弾ける中から、たくさんの魚が現れた。


「おっしゃあ! んー、大きさは小さいしなんかすんげえ虹色だけど! まあ、いっか!」


近くにいたカワウソたちがすぐに駆け寄り、嬉しそうに虹魚を捕まえて餌にし始めた。


「おお、よかった……」

「キュワワーキュピイイイ!」


カワウソたちの嬉しそうな様子を見て、ノエルは、

「よしよし」

と、微笑んだ。これで彼らも幸せな時間を過ごせることだろう。


「次は他の作物も試してみるか」


ノエルは決意を新たにした。エラにもらったハーブの種にもフローラの魔法をかけてみたら育つかもしれない。


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― 新着の感想 ―
[一言] ノエルさんの作る「ドーナツ池」早くも魚も沸いたか!すごすぎない?(笑い)
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