表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさん令嬢 ~元おっさん刑事のTS伯爵令嬢は第2王子に婚約破棄と国外追放されたので、天下を治めて大陸の覇王となる~  作者: 丹空 舞
(5)聖ルキナス修道院

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/278

修道院の魔女(1)

モデルは『カマルドリ』という世界最古の修道院です。

修道院までは二日かかった。

丘といえば聞こえはいいが、崖のような切り立った場所にあったので登るのに骨が折れた。


山脈に挟まれた、小高い森の中にサン・ルキナス修道院は位置していた。

500年の歴史がある修道院らしく、芸術品のような風格がある。

かつて神に身を捧げた修道士や修道女たちが創り上げた、美しい建築物だ。


積み上げた石の塀。

ぴっちりと隙間なく埋まっている。


「うわ~、すげーもんだな」


ノエルは感心して呟いた。

信仰心を守るためには、これくらい強固な建造物を残さなければいけないのかもしれない。


「中の建物はもっとすごいですよ」


レインハルトが得意げに言った。


「すべての建物のステンドグラスには、オリテの名産の色付きガラスを使っています。この石の塀の内は信者や巡礼者のための祈りの場と、修道士たちの住宅地や教会に分かれているんです」


石の塀に沿って歩きながら、レインハルトが説明した。中は隠者と呼ばれる修道士たちの庵、巡礼の信者を迎える宿坊、大きなホールや図書館、そして調剤所が併設されているらしい。


「小さな街みたいだな」

と、モルフェが言う。

「ああ。ここは別名、薬師の隠れ里というんだ」

レインハルトが答えた。

「ここは修道士たちの自治で成り立っているので、たとえ王族でも許可なくしては入れない」




石の塀の終わりが来て、鉄格子がはまった厳めしい門が現れた。

修道服に身を包んだ男が二人、門の両側に立っている。


「巡礼の方はこちらへお願いします」


門番のような役なのだろう。

右側のトロールのような男が、太い腕を上にあげて呼びかけていた。


「これ、どうすればいいんだ。通行証なんかないぞ」

ノエルは心配して、レインハルトに尋ねた。

持っているのは、ノエルの『国外追放に関わる証明書』だけだ。


「俺も、偽造のゼガルドからの通行証だけだぜ」

と、悪びれなくモルフェが言った。

門番がジロッとにらんだ気がする。

ノエルはモルフェにシイッと静かにしているようジェスチャーをして、レインハルトに言った。


「あのさあ、レインさん。俺らが万が一にもオリテの兵にここで捕まるとか、そういう可能性はないんだよな?」

「ええ、まあ……たぶん」

「たぶん!?」

「おそらく」


たぶんとかおそらくでは困る。

絶対という言質が欲しかった。


そんなとき、前に並んでいた列の中から大声が聞こえた。

何か騒いでいるようだ。

星も指も、いつもぽちぽち押してくれてありがとうございます。

本当に励まされています。

あなたたちの指でこの物語は連載されています。

お礼に、ガリ〇リ君のあたり棒が出る魔法をかけておきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ