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おっさん令嬢 ~元おっさん刑事のTS伯爵令嬢は第2王子に婚約破棄と国外追放されたので、天下を治めて大陸の覇王となる~  作者: 丹空 舞
(14)激ヤバ侵略国ロタゾ編

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適材適所

「んー、じゃあさ。ロタゾがどう出てくるか分かんないけど、とりあえず役割を決めよう」

ノエルは皆を見渡した。

自分で言うのも何だけど、この場にいる人物はそれぞれ相当な曲者揃いだ。


「役割?」

とモルフェが言った。

「敵をぶっ倒す。それだけだろ。何を分ける必要があるんだ」


レインハルトがやれやれと言わんばかりにため息をついた。


「これだからお前は……いっそ哀れにさえ思えてきた」


「どういう意味だ!?」


「言葉通りの意味だが」


「役割も何も敵を攻撃するだけだろう」


「その短絡的な思考回路でお前が死ぬのは勝手だが。今回は一人で戦うんじゃない、獣人やら兵士やらが一緒に来るんだ。最大限に最上の策を考えねばなるまい」


モルフェは押し黙った。

あまり作戦に頭を使うことは好きではないモルフェだが、他の人間の命運を握る立場なのだと理解したらしい。


「まあいいけどよ。どうすんだ、ノエル」

モルフェが緑と黄の混ざったような色の目をノエルへ向けた。


「違うなと思ったら言って欲しいんだけど」

と前置きをして、ノエルは言った。

「リーヴィンザールとレインハルトは結構よく似てる。戦い方もだけど、剣を使える。レインは戦闘力が高いけど、リーヴは頭脳戦が得意だ。相手の状況を見て、俺にもうまく指示を出してくれた」


ノエルは、リーヴィンザールの意志の強そうな群青色の瞳を見た。


「だから、作戦をたてるのはリーヴがいいと思う。レインハルトは、先陣を切って敵中に入る切り込み隊長がいいと思う。ちょうどレヴィアスには、人間離れした動きをする連中がたくさんいるし、そいつらを率いていけるのはレインじゃないかな」


ノエルは今度はティリオンに向き直った。


「ティリオンさんは、さすが軍神と呼ばれているだけあって、戦闘に慣れてる。それに、精霊を使って諜報もできる。魔法も使えるから味方の回復もできる。ティリオンさんが部隊の中心にいてくれたら、皆が安心できると思うんだ。もちろん、ティリオンさんは忙しくなっちゃうだろうけど……」


ティリオンは首を横に振った。

「それは問題ない。没頭できる時間が増えたほうが、今は有り難いのだ」


いろいろと考えてしまうところもあるのだろう。


モルフェが唇を尖らせた。

「おい、ノエル。俺を忘れてないか?」


「忘れてないよ、モルフェ。モルフェは戦闘力が高い。たぶん、この中でもトップクラスだ」


「だったら俺も先陣に入れてくれ」


「いや。モルフェは、最後だ。隊列の一番後ろを任せたい」


「はぁ!? 納得いかねぇ。なんで俺が……」


「ロタゾは侮れない敵だ。きっと何か、向こうだって策を練って戦ってくるだろう。隊列の最後は、人間の背中みたいなものだ。油断してたらそこからやられる」


「だからって、なんで俺が」


「一番危険で、重要な場所だからだよ。背後から、もしも奇襲をかけられても、必ず撃退してほしい。モルフェにしかできないんだ」


モルフェがグッと言葉につまった。


「まあ、ノエルがそう言うなら? うん……やってやれねーこともないかな……」


「ほんとか! さすがだなモルフェ」


モルフェは諦めたのか、大人しく頭を撫でさせてくれた。


血の気の荒いモルフェを説得したノエルを、ティリオンが猛獣使いを見るような目で見ている。


レインハルトが銀色がかった蒼い目をキランッと輝かせた。


「つまり、前衛が俺と獣人騎士団。本隊がノエル様、ティリオン、リーヴィンザール。後衛がモルフェ、ということですね」


「ああ。元西レヴィアスの兵士たちも加わるから、もう少し増えるかもしれないな」


ノエルは皆を見渡して言った。


「どうだろう? 意見が欲しい」


それまで黙っていたティリオンが口を開いた。


「そうだな。悪くないと思うが……何しろ戦力が分からん。我ら側はエルフ全員といえど、800人ほどだ」


ティリオンの彫刻のような相貌に陰が落ちる。


「子どもや魔力が少ない者もいれての数だから、実際の数はもっと減るだろう。ただし、我らには精霊がいる。戦闘力としては、うまくいけば人間の数倍にはなる。レヴィアスはどうなのだ」


ノエルは考えた。


(数えたこと、無かったな……)


無言になったノエルの横へ、レインハルトがすすすっと近づいてきた。


「ルーナの話では、住民の数はもうすぐ50万程だとか」


「何が?」


「ですから、レヴィアスの民の数です」


「ごじゅう?」


「50万です」


「そんなに!?」

エルフの人口はバチカン市国と同じくらいです。

ちなみに50万人は鳥取の人口と同じくらいです。日本で一番人口が少ない県ですね。だからといってどうということはありませんが…

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― 新着の感想 ―
[一言] ノエルは前世でも指揮官をしてたのが生かされるかもね~ マジ暑い中著作されてお疲れ様です。
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