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第二百九十話 終焉の舞台(中編)


-----三人称視点---



 聖歴1757年10月25日正午過ぎ。

 完全に劣勢であった帝国軍に変化が起きた。

 その原因の主は、漆黒ブラックの戦女(・ヴァルキリー)マリーダだ。


 彼女はタファレル元帥が指揮する最前線の部隊に混じり、

 職業能力ジョブ・アビリティ・「魔力覚醒」と「能力覚醒」を駆使して、

 強力な闇属性魔法を放ち続けた。


 シャドウ・インパクトにダークネス・フレア。

 兎に角、遮二無二、魔法攻撃を続けた。


 勝利を確信していた連合軍の部隊は、

 思わぬ反撃に苦戦を強いられた。


 左翼のバイン将軍の約三万の部隊。

 中央のバウアー将軍の約三万五千の部隊。

 また右翼のレバン騎士団長代理が率いるサーラ教会騎士団も

 マリーダの強力な闇属性魔法の犠牲となった。


 既に勝者気分で居た連合軍の兵士達。

 それに対して、マリーダは死を覚悟していた。

 開戦三十分で二個の魔力回復薬マジック・ポーションを飲んで、

 魔力を蓄積チャージさせる。


 そこからまたひたすら魔法攻撃。

 連合軍の被害は既に数千人に及んでいた。

 こうなると連合軍も動かさざる得なかった。


 各部隊に配置された猫族兵ニャーマンへいを前線に出して、

 対魔結界や障壁バリアを張らせた。


 だがマリーダは、ここで一旦中列に後退した。

 彼女の目的は、あくまでリーファとの再戦。

 ここで全てを出し切るような愚行は犯さなかった。


 そして彼女と変わる形で、

 タファレル元帥率いた帝国軍の第六軍は、

 最前線に出て、防御力の高い防御役タンク役を配置して、

 中列に魔導師を置いて、

 時に魔法攻撃、時に対魔結界を張って、

 連合軍の兵士達と肉薄した。


 その間にマリーダは、

 一度、皇帝が陣取る本陣に戻った。

 その目的は冒険者の証を確認して、

 上がったレベルの分だけ、

 スキルポイントを割り振る事であった。


「マリーダちゃん、レベルは幾つになったの?」


 彼女の守護聖獣ガーラがそう問い質した。

 するとマリーダは、自分の眼で冒険者の証を確認した。


「……レベルは55まで上がってるわ」


「おお、凄いニャン!

 それでスキルポイントは幾つあるニャン?」


 と、守護聖獣ガーラ。


「……80ポイントもあるわね」


「おお、それは凄いニャン。

 ならそのポイントを全部振っちゃおうよ!」


「勿論、そのつもりよ。

 でもその前にスキル一覧表を確認させて」


「勿論、良いニャン!」


 そしてマリーダは、腰のポーチから、

 十枚に及ぶ漆黒ブラックの戦女(・ヴァルキリー)のスキル一覧表を取り出した。


「どれどれ……ここは何に振るか。

 悩んじゃうよねえ~」


「そうね、でもここは無難にパッシブ・スキルに振るわ。

 50ポイント振れば、

 パッシブ・スキルと幾つかの能力アビリティスキルを覚えるようね」


「んじゃそれで行ってみよう!」


「ええ……」


 マリーダは自分の冒険者の証を左指で触りながら、

 スキルポイント50を漆黒ブラックの戦女(・ヴァルキリー)のパッシブ・スキル『シャドウ・フォース』の項目に割り振る。 

 すると『常時・力+50』、『常時・耐久力+50』、『常時・敏捷+50』を習得。


 更には神帝級しんていきゅう職業能力ジョブ・アビリティぜろ鼓動こどう』と『魔神まじん肉体にくたい』も習得した。

 これでまたマリーダの能力値ステータスが強化された。


「『ぜろ鼓動こどう』は、一定時間、無詠唱で魔法が使えるのよね?」


「ええ、そうみたいよ」


「じゃあ『魔神の肉体』の効果は?」


「……「能力覚醒」と同じ能力値ステータスの倍化みたいよ。

 「能力覚醒」と重ね掛けも出来るそうよ。

 但し体温と血圧も上昇するから、

 使う時には細心の注意を払え。

 と、このスキル一覧表に注意書きされてるわ」


 するとガーラが「ニャる程」と唸った。


「能力の四倍化か。

 上手くやれば、あの小癪な戦乙女ヴァルキュリアに勝てそうね。

 残り30ポイントをどこに振るべきか……」


「……ここは一撃必殺の剣技ソード・スキルが欲しいわ」


「となると剣術スキルに振るの?

 残り30ポイントだと何を覚えるの?」


「え~と……『暗黒あんこく連撃れんげき』という神帝級の剣技ソード・スキルね。

 これは漆黒ブラックの戦女(・ヴァルキリー)固有ユニークスキルみたいだわ。

 攻撃は袈裟斬りから逆袈裟。

 そして突きを上中下に三連撃の計五回の剣技ソード・スキルね。

 尚、スキルを使用すれば、

 無条件で闇属性の闘気オーラが付与される模様」


「いいね、比較的シンプルな連続技だけど、

 シンプル故に決まりやすそう。

 能力を四倍化した状態で使えば、

 きっとあの戦乙女ヴァルキュリアに勝てるよ」


「そう願いたいわ。

 じゃあ残り30ポイントを剣術スキルに振るわよ?」


「ウンッ!」


 マリーダは自分の冒険者の証に左手の人差し指で再度触れた。

 そして剣術スキルに30ポイント全てを割り振った。

 それによって『片手剣装備時・力+50』、

 更に神帝級の剣技ソード・スキルの『暗黒あんこく連撃れんげき』を習得した。


「……スキルポイントは全部振ったわ」


「じゃあ全ステタースとスキル表を見てみようよ」


「ええ」


 マリーダは、ガーラの言葉に小さく頷く。

 そしてマリーダとガーラが冒険者の証を凝視した。


---------



 名前:マリーダ


 種族:ヒューマン♀


 職業:漆黒ブラックの戦女(・ヴァルキリー)レベル55


 能力値パラメーター


 力   :1665/10000

 耐久力 :2370/10000

 器用さ :1265/10000

 敏捷  :1975/10000

 知力  :2500/10000

 魔力  :4355/10000

 攻撃魔力:2425/10000

 回復魔力:2320/10000



 魔法  :ヒール、ハイヒール、アークヒール

      キュア、キュアライト、アークキュア

      プロテクト、クイック、アクセル、フライ

      フレイムボルト、ファイアバースト、フレアバスター、炎殺

      シャドウボルト、シャドウ・フレア、シャドウ・インパクト、

      ダークネス・フレア、暗黒流星群

      ウインドカッター、ワールウインド、

      アークテンペスト、トルネード、

      サイコキネシス、アポート、


 スキル :結界、対魔結界、封印結界、漆黒の戦陣

      漆黒の波動、速射


武器スキル:イーグル・ストライク、ヴォーパル・ドライバー

      ダブル・ストライク、トリプル・ドライバー

      ハイ・カウンター、グランドクロス、

      ダークネス・スティンガー,

      ダークネス・ブレイク、暗黒の連撃

      シールド・ストライク、

      正拳突き、掌底打ち


 能力  :魔力探査、能力覚醒、魔力覚醒、

      零の鼓動、魔神の肉体


独創的技オリジナル・スキル

     :フィスト・オブ・ファイブ

     :デス・ブラッド


---------


「おお、良い感じになったね」


「そうね、能力値もかなり上がったわ。

 これならまだまだ前線で戦えるわ。

 そして一人でも敵兵を多く倒して、

 レベルを一でも多く上げたいわ」


「そうね、ここまで来れば、

 攻めるべきニャン!

 ガンガン敵を倒して、

 あの戦乙女ヴァルキュリアを前線に引きずりだそうよ」


「ええ、ガーラ! 共に戦いましょう!」


「勿論だニャン」


 そしてマリーダとガーラは、

 再び最前線に出て、獅子奮迅の活躍を見せた。

 こうしてまた連合軍が苦戦を強いられる事になった。


次回の更新は2024年12月28日(土)の予定です。


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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 マリーダが、どんどんバケモノに変わっていく... 『神の肉体』に似た能力も手に入れてますし、両者いつ使用するかのタイミングもかなり重要なものになってきそうですね。 次に戦う時が最…
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