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第百八十四話 独創的技(オリジナル・スキル)・(前編)


---主人公視点---



 私はアストロスとジェインを引き連れて、

 冒険区内の拳士フィスター職業ジョブギルドへ向かった。

 拳士フィスターは己の二つの拳を武器とする前衛職ぜんえいしょく


 拳士フィスターは、格闘戦においてはエキスパートといえる。

 だから体術の独創的技オリジナル・スキルを習得する際には、

 師範や指導者のアドバイスも聞いておきたいわ。

 などと思っていたら、目的地に到着した。


 拳士フィスター職業ジョブギルドは、

 小さな受付所と事務室はあるけど、

 その敷地の大半が木造りの道場であった。 

 ここで訓練や模擬戦スパーリングをするみたいね。


「ちょっとそこの三人組! 何か用かしら?」


「いえ少し相談してもらいたくて来ました」


 急に呼び止められたので、声の聞こえた方に視線を向けた。

 するとそこには褐色の肌の二十代半ばぐらいの女性ヒューマンが立っていた。

 黒髪のストレートヘア。 胸元に白の短衣。

 下半身は黒のホットパンツに黒のレザーブーツという格好。


 露出が多いわね。

 身長は女性としては、高めの170前後。

 普通に美人さんだけど、その全体から出す雰囲気は格闘家らしく思えた。


「相談って何の相談かしら?」


「体術系の独創的技オリジナル・スキルを覚えたいんですよ。

 あ、これは私の冒険者の証と冒険者ギルドの紹介状です」


「……どれどれ」


 眼前の女性は、不審げな表情で冒険者の証と紹介状に目を通した。

 だがその内容が分かると、驚きの表情を浮かべた。


「し、失礼しましたぁっ!

 まさか戦乙女ヴァルキュリア殿とは思いもしませんでした。

 私は都市パルガの拳士フィスターギルドの師範シモーヌです!」


 女性師範シモーヌは、直立不動でそう叫んだ。

 やはり紹介状を持ってきて、正解だったわね。

 これで話がしやすくなるわ。


「そんなに畏まらなくて良いですよ。

 私は只の十七歳の小娘ですから」


「い、いえ色々と失礼しました」


「いえ本当に気になさらないで!

 それで独創的技オリジナル・スキルに関する助言を頂けるかしら?」


「も、勿論です!」


「じゃあ道場に入っていいかしら?」


「は、はい」


「ありがとう、じゃあアストロスとジェインも来て」


「はい」「ウン!」


 そして私達は道場の中に入った。

 まあ道場と言っても足下は土の地面ね。

 屋根がついた広めの木造の家屋。

 サンドバックとか筋力トレーニングの道具。

 そして中央に程よい広さのリングがあった。


「なかなか良い道場ね」


「いえ汚いところで申し訳ありません」


「それで単刀直入に聞くけど、

 体術の独創的技オリジナル・スキルならどういう技が良いかしら?」


「そうですね、パンチかキックのどちらを主体にするかで、

 色々と変わると思いますが、

 戦乙女ヴァルキュリア殿は、どちらに比重を置くつもりですか?」


「そうね、私的にはまずは左ストレートで相手の顎の先端(チン)を狙い、

 そこから左のボディフックで肝臓打ち(リバー・ブロウ)を打つつもりよ」


「成る程、王道ですね。

 戦乙女ヴァルキュリア殿は、左構え型(サウスポー)ですか?」


「ええ、生まれつきの左利きよ」


「となると左ストレートから左ボディフックのコンボは、

 良い選択だと思います。 その後に続く攻撃はどうするつもりですか?」


「そうね……」


 私の考えだと、そこからローリング・ソバットに繋げる形ね。

 状況に応じて、腹部、胸部、あるいは頭部を狙う感じがいいわ。

 最初に覚えるスキルとしては、三連撃くらいが妥当と思うわ。


「左の二連撃を入れてから、

 状況の応じて、ローリング・ソバットで

 相手の腹部、胸部、頭部を狙い撃つ感じにしたいわ。

 とりあえず一つ目の独創的技オリジナル・スキルは、

 シンプルなコンボが良いと思うのよね」


「そうですね、最初は三連コンボくらいが無難ですね」


「うん、スキルの発動時間も短いからね」


 アストロスとジェインも相槌を打つ。


「ええ、近くのサンドバッグで練習していいかしら?」


「はい、勿論です!」


 私はとりあえず両手にバンテージを巻いて、

 それから両手に10オルス(10オンス)の青いグローブをはめた。

 そして近くの黒革のサンドバッグに近づいた。


 まずは左構えから、左ストレートを放つ。

 次の瞬間、私の左拳に確かな感触が伝わる。

 そこから身体を内側に捻って、左ボディフックを打った。


「バシンッ!」


 サンドバックを叩く音が周囲に鳴り響く。

 それから素早く軸足を右足から左足にスイッチ。

 そして身体を捻って、ローリング・ソバットを繰り出した。


「バシィィィッ!!」


 私の右足がサンドバックの中央部に命中。

 威力の方は……まあまあね。

 これは何度か練習する必要があるわね」


「お嬢様、私がサンドバックを抱えます」


「そうね、アストロス。 それじゃお願いするわ」


「はいっ!」


 その後、何度もこの三連コンボの練習をした。

 左ストレートから左ボディフックに関しては完璧だったけど、

 やはりスイッチしてからのローリング・ソバットが難しいわね。

 でも兎に角、練習あるのみよ!


 その後、三十分近く練習した。

 おかげで何とか実戦で使えるレベルになったわ。

 でもこれは何度も何度も練習する必要があるわね。


「流石は戦乙女ヴァルキュリア殿ですね。

 たった三十分余りで随分と上達されましたね」


「そう?」


「はい」


 とりあえず今日の所はコレで終わりにしよう。

 後は冒険者ギルドに寄って、

 このコンボを正式に自分の独創的技オリジナル・スキルとして、登録するだけね。


「ねえ、ねえ、お姉ちゃん」


「ジェイン、何かしら?」


「この技の名前は何にするの?」


「あっ……技名わざめいも自分でつけるのね」


「はい、そうですよ」


 と、シモ-ヌ。


「成る程、なんて名前をつけようかしら?」


 ……。

 あまり長い名前は技名コールが面倒になるわね。

 でもそれなりにカッコががつく名前にしたいわ。


「……戦乙女ヴァルキュリアの舞(・ダンス)というのはどうかしら?」


「あ、それ良いですね」


「ええ、私も賛成です」「オイラも賛成っ!」


 とりあえず技名はこれで良いわね。

 後は冒険者ギルドへ行って、登録手続きを済ませましょう。


「じゃあシモーヌ師範、今日はこれで失礼するわ。。

 アストロス、ジェイン行きましょう」


「お疲れ様でした」


「はい」「ウン!」



---------



 名前:ロミーナ・ラスタール


 種族:兎人ワーラビット


 職業:聖弓兵ホーリーアーチャーレベル37



 能力値パラメーター



 力   :155/10000

 耐久力 :240/10000

 器用さ :955/10000

 敏捷  :1894/10000

 知力  :500/10000

 魔力  :1297/10000

 攻撃魔力:1016/10000

 回復魔力:954/10000



 ※他職のパッシブ・スキル込み



 魔法  :ヒール、ハイヒール、キュア、キュアライト

      アクセル、アクセルドライブ、フライ、

      ストーン、ストーンシャワー、アースハンド、

      ロック・バレッド、クエイク、ビッグ・クエイク、

      サイコキネシス、テレパシー、アポート、

      レビテイト、サイキック・ウェーブ



 スキル :結界、対魔結界、封印結界、ハイジャンプ

      軌道変化、射撃命中アップ、投擲命中アップ、



武器スキル:各種属性矢、クイック・ショット、ダブル・ショット、

      トリプル・ビート、スナイパー・ショット、影縫い、

      メテオ・フラッシュ、セラフィム・アロー、

      クイック・スロー、フレイム・スロー、

      アイス・スロー、ウインド・スロー、

      ライト・スロー、パワフル・カッター



 能力  :ホークアイ、精神集中、魔力探査、


      

---------


次回の更新は2024年2月10日(土)の予定です。


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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です。 独創的技、一つは決まりそうですね。 ここで差を付けなければ、マリーダには勝てなさそうですしできる限り温存しておきたいですね。 戦乙女の舞、いつ使われるか見ものです。
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