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8/22〜8/23 残夢譚⑧

昨晩の記憶は画像一枚のみ。

故につい先日思い出した、中学生の時の夢を一つ。

8/22〜8/23

 菫色の布が被された、胸部から腹部までが抉り取られた屍。

 これが唯一憶えていた昨晩の記憶。


残夢譚

 それなりに栄えた都市の中心に位置する公園に、私は居た。私はまだ幼く小学生くらいで、父と共に写真撮影兼散歩に来ていたのだ。

 公園には、赤褐色の舗装がされ、二つの灘らかな丘を穿っていた。それぞれの丘は共に草原のようで、白い小さな花(白詰草やハルジョオンか?)が風に揺られ靡いていた。

 私はその上を、花を踏まないよう気を付けながらカメラを片手に、先を行く父に後を追っていた。時折視界を横切る蜻蛉などに気を取られながら、悠々としていた時間であった。

 父は丘の上で歩みを止め、其処に聳える一本の木を見上げていた。周囲に最上のベンチと植込みのある(ケヤキ)の大木であった。

 父は私が追いついた事に気がつくと、おお来たか、と一言云い、私に木の前に立つよう、手振りで促した。

 云う通りにすると、父はカメラを私に向け、シャッターを切った。いつも、どこかに出かけると、必ずこうして記念写真を残すのであった。

 写真撮影を終え、公園の外れにある住宅街へ続く階段へと移動した。コンクリートブロックを積んだだけの、細く質素な古びた階段であった。足を踏み外さないように気を張って登ってゆくと、広けた道路に出て、私はいつの間にか父の車の助手席に乗っていた。

 どうやら、帰路に着くらしい。少し走れば住宅街を抜け、木々か伐採されコンクリートで補強された山の脇の道に出ていた。運転席側に山、助手席側には崖と云う立地であった。ガードレールが所々欠けており、危ないなぁ、と思った。

 更に道を進めば、道路は合流地点にたどり着いた。つい最近まで工事をしていたらしく、重機や盛り土などが見受けられた。父はあゝバイパス開通したんだな、と呟いていた。

 合流地点である交差点を左折した突き当たりには木製白塗りの壁である介護施設があった。

———これが私の思い出した記憶の全てである。

.......お読み頂き有難う御座います。

残夢譚は、当時の休日が殆どそのままのような夢でした。

それでは、また、ごゆるりと

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