8/3〜8/4
久々の現実離れした夢だった…気がする。
私は、何かの宗教団体の類の会員の一人になっていた。自分の体が他人の物で有る事を何故か確信していた。
私は、この手の宗教は余り好きでは無かったので、脱退する事にした。
しかし、どうやら、この団体を抜けるには、試験を合格しなければいけないらしい。内容は、全体的にドット絵風の三次元空間にて、アルファベットを順番に並べると云うものと、ランダムで指定されたひらがなをドット文字で書くと云うものであった。
一見簡単そうに見えるが、この団体では会員を自分で思考させる事を避けさせ、何も考えず云われるがままに行動するように洗脳しているので、実質クリアは不可能なのだ。
まぁ、私は意識がはっきりしているので余裕だろう…と思っていた時期が私にもあった。
と云うのも、アルファベットを並べる際、bgmとして、AだとかNだとか関係の無いアルファベットの音声が流れ続けており、次の文字がよく分からなくなってしまう。
あゝ、これ絶対クリアさせる気はないんだな、と思い、世界を替えることにした。目の前に選択画面を開き、一番上にあるアイコンをタップする。此処よりかはマシなところに行けるだろう。
ふと、気づけば、私は宙に浮いていた。果ても底も見えない大穴であった。どうやら穴の果ては読み込み範囲の外で、それに沿って掘り抜いたらしい。不意に、此処は私が開拓していた世界である、と云う意識が生じた。その意識では、こんな大穴へ私が居た時には存在していない筈であった。
どうやら、開拓を共にしたメンバーが掘り抜いたのだな、と推測した。と云うのも現在そのメンバーが目の前で何かを壁に沿って破壊しているのだから間違いない。取り敢えず、久しぶりであるし挨拶でもしよう、と思い近づいた。
近くで見てみれば彼が破壊しているのが、私が造った砦である事が分かった。石レンガと深層岩を上手い具合に組み合わせた造りの物であった。造った際に足場として使用していたTNT火薬を回収していなかったらしく、彼の放った爆発は連鎖的に広がっていった。
彼は、あいつほんと邪魔しかしないよな…、と忌々しそうに呟いていた。「あいつ」が私を指しているのは自明の理であった。
その発言に憤りを覚え、どうにか復讐してやろうと思った。奴が造った建物を爆破するにしても、彼の構造物は取るに足りない物ばかりで、大した意味もなさ無いだろう。それに、同じ土俵で事を成すのも気が引けた
ふと妙案を思いついたので、その場から移動を始めた。絶壁に聳え立つ氷の城の壁を壊し、崖の中を透過して奥へ沈み込む。
清純とした神殿のようなところに出た。全体的に深碧色で神秘的な雰囲気であった。詳細は憶えていないが、そう思ったことは確かである。
神殿の中央の祭壇のような所にある、白色に輝く「竜の卵」を盗み出す算段であった。そして、その目論みは成功した。私は大穴に戻ると、その卵から竜を解き放った。紅の巨躯が視界の隅に映るや否や、私は大穴の底へと逃げ去ることにした。召喚したのは私であるが、従属の呪文は使っていなかった為、私も殺されかねなかったのだ。
丁度隠れるのに良さそうな岩陰を見つけ、そこに逃げ込んだ。この世界から早く逃げなければならない。実行しようとしたが、ロードに時間がかかり、上手くいかない。此処があの竜に見つかるのも時間の問題であった。視界の隅に、二つの亀のぬいぐるみが戯れあっている。…幼い頃からずっと持っていた物であった。これがロード中の合図なんだなぁ、と思った。
しかし、本当に時間がかかる…埒があかない、遠くへ逃げた方が得策であるように思えた。思い立ったが吉日で有る。私はワイバーンを召喚して騎乗し、大穴から脱出した。
崖を登り切ると同時に、ワイバーンは消えて、私の視点は見慣れた光景へと移った。自宅近くの市立図書館であった。
まぁ、取り敢えずいつも通り本棚を物色することにした。小説コーナーへの移動途中、新規図書の棚が色合いの少々毒々しい奇妙な本で埋まっていることに気がついた。まぁ、この時は気に留めていなかったが…。
そんな光景を尻目に奥へと向かう。何気なく覗いた棚列に、眼鏡を付けた痩せ型で中年の男性が何やら司書と思しき職員と会話をしていた。この眼鏡の男性は先程の奇抜な本の作者で、今はインタビュー中なんだな、と私は確信した。
ただ、大した興味は湧かなかったので、読みたい本を探すことにした。いつもの本棚(と、思っていたが、景色は既に図書館では無かった。どちらかと云えば、書店と云った方がいいだろう。)へと向かう。道中の柱の周りに並べられている棚にもやはり、先程の奇抜な本が並んでいた…気がする。
気にせず、日本/英米の小説の棚を見る。ふと、一冊の分厚い本に目が留まった。白の背表紙に金の文字で「旧話」と書いてあった。聖書の類かな、と思った。いつもはここに無かった本であった。
.......お読み頂き有難う御座います。
奇抜な本の内容が気になりますね…もしかしたら日本語で書かれてないかもですが…。
それでは、また、ごゆるりと




