8/2〜8/3
高いの怖いの
高校時代の同級生と思しき人々に紛れて、列を成して階段を登っていた。四方硝子張りの建造物であった。暑苦しい空気が漂う…まぁ構造的に致し方あるまい。
今にして思えば、通っていた中学校の階段を悪戯に積み上げた景色のようであった。
ぐるぐると折り返しを繰り返し、大体五階くらい登った所だっただろうか、疲れと暑さも相まって、空を仰ぎ見た。螺旋状に、ベージュ色の鉄骨製の階段が延々と続く奥に硝子床の最上階が見えた…気がした。…さて、休んでいる暇は無い、進まねば…。
あまりの暑さと湿気に覚えた苛立ちを抑えつつ進んでいると、階段の形状が変化していた。今までは、上がって折り返してまた上がる、と云う一般的な構造であったが、今目の前にあるのは…何と形容すべきだろうか?地元にあるプールリゾート施設のウォータースライダーの階段の構造に酷似した…と云ってもピンとこないだろう。単純に構造のみを描写するならば、手前五段ほどの階段を登ると奥の折り返し地点まで平面の道が続いている構造が最上階まで伸びていた。その変化は私をさらに苛立てた、と云うことは確かであった。無駄な構造しやがって。
そうこうしている内に最上部へ辿り着いた。六角形の強化硝子製のフロアであった。下には安全ネットが見受けられる。壁や天井も全面硝子張りであったが、外はよく見えなかった、と云うよりそちらに意識を向けている余裕は無かった、と云うべきであろう。私の高所恐怖症も発症したのだ。
私は階段を登り切ると同時に、えも云われぬ恐怖に苛まれその場にしゃがみ込んでしまっていた。脚がすくんで動く事もままならなくなっていた。
そんな私を据え置き、同級生達は何やらフロア中に縄を張り巡らせ始めた。一部の人は安全ネットを足場にしてフロアの下に縄を通していた。よく出来るなと思った。
———数刻後目を醒ました。寝台の上でうつ伏していた。
.......お読み頂き有難う御座います。
高所恐怖症ばかりは、幼い頃東京タワーに登って以来患い続けている物ですので、治ることは無いでしょうね。
それでは、また、ごゆるりと




