7/27〜7/28
いやはや、久々に身体的な不快感を感じる夢を見た…と思う。
家電量販店店と家具屋を合わせたような店にて、私は積まれた布団に体重を掛け、寛いでいた。目の前では見本のテレビが数台点いており、何か映像が流れていた。
私は、この店に新しい寝台を見繕いに来た…と云う意識であったが、現状は低反発の敷布団に埋もれて、あー、とか、うー、とか云っていた動く気すら起きなかった。
しかし、ずっとそうしていても暇なだけであった。故にか、私は顔のみを動かし、横のテレビへと目線を向けた。テレビでは情報番組の類をやっていた。たいした興味も抱かなかったが、それを見る以外特にやる事は思いつかなかったので、半分意識を飛ばして、ぼんやりと眺めていた。
暫くぼーっとしていると、聞き馴染んだ曲を耳にした。私の好きなアーティストさんの曲であった。ギターメロディのフーリーのインスト曲。
どうやら、情報番組の、人気物品紹介…みたいなコーナーのbgmとして使われているようであった。
個人的な話であるが、好きなアーティストさんの曲などがテレビ等々で使われると結構興奮してしまう質なのだ。それは、どうやら夢の中でも変わらないようで当時は相当気分を良くしていた…気がする。しかし残念な事に尺の都合上か、イントロの部分のみの使用であった。
それから数曲、物品が変わるごとに変わる曲を聞いていた。各々十秒程であったが...
いつの間にか微睡んでいたらしく、気付けば私は自室の寝台で眠っていた。
数刻後、私は震度五はあるであろう地震で目を醒した。…いや、実際それは地震では無く、揺れているのは私が横になっている寝台だけであった。他の物はなんとも無いようだ。
私は体を横に転がし落ちるように起床する。どうやらこれが新しい寝台の目覚まし機能らしい。私はそう確信した。
迷惑な機能だなと思い、設定で機能をoffにする術を探す事にした。部屋中を探っていると、ふと、コンセントから寝台と壁の狭間にかけてコードが伸びている事に気がついた。此処に設定用の機材があるらしい、と思いコード狭間から手繰り寄せると、かまぼこ板二枚程の大きさの機械が出てきた。これが操作板らしい。スイッチとダイアル、液晶画面が正面に付いている。
説明書はないので手当たり次第に弄る。…どうやら電源を落とす音は不可能だ、と云うことが分かった。(コンセントからプラグを抜くと云う発想は当時無かった。)ただ、スイッチでモードの切り替えができると云うことも判明した。
試しにスイッチを右にスライドさせモードを切り替えてみる。液晶画面に帰路のドット文字が現れた。
内容は憶えていないが、これは爆睡していても飛び起きるだろうな、と云うぐらいには羞恥心を刺激する...多分黒歴史に類いであろう…内容が書かれていた。
しかし、文字面が表示されるだけでどうやって目を醒まさせるのだろうか?…少しダイアルを弄ってみると、突然脳内に直接、文字面の内容が流れ込んできた。あまりの恥ずかしさに、あ‘’ー、と声を上げ悶える羽目になった。ダイアルを零に戻し、ふー、と一息吐く。落ち着きを取り戻すまで数刻を要した。
と、云うか、こんなことをしている場合では無かったのだ。急がねば…(何故かは不明である。)
取り敢えず、喉が渇いたので寝台の脇に置いてあったペットボトルのお茶を飲み干そう。ボトルは二本あり、両者とも飲みかけであったので、片方のお茶をもう片方に入れて飲み始めた。…口を付けたところで、どちらか一本が二日前に開けた物であることを思い出した。…保ってくれよ私の胃腸。
流石に一気飲みは難しかったので、少しずつ飲んでゆく。ふと、周囲を見てみれば、自室内に数人の男女が湧いて出ていた。全員がどこかで見たことがあるような顔であったと思う。
一体何事なのだろうか…と当時は思うことは無く、なんか居るなぁ、くらいにしか思っていなかった。
その中の一人の男…高校の同級生であったと思う…が白光りするホスト風のスーツをドヤ顔と共に見せびらかせてきた。
私には、その様子がやけに滑稽で莫迦莫迦しく見え、つい笑ってしまった。…お茶を口に含んだ状態で…床が汚れた。
さらに悪い事に、噴き出した反動で残りのお茶が気管に入り咽返す羽目となった。その場に蹲り嘔吐いていた。と、云う所で、
———目が醒めた。寝台の脇にはペットボトルの麦茶が一本朝日に照らされ琥珀色の輝きを見せていた。
.......お読み頂き有難う御座います。
寝台脇の麦茶は就寝前に飲んでいた物ですので、ご心配無く、です。
それでは、また、ごゆるりと




