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7/24~7/25

白状しましょう。

これ以前にも色々記憶は残っています。

コンビニのバイトでひたすら読書したりと...

しかし、どうも憶えが良く無く、文に書き起こすことは能いませんでした。

 見知らぬ街であった。夕暮れ時、寂れた街並みの中私は一人坂を登っていた。右手に包丁を握って...。いや、別にこれから犯罪の類いをしようと云う訳ではなかったのだ。この丘の上には腕利きの鍛治師がいて、彼にこの包丁の修繕を頼もうと云う魂胆であった...らしい。

 しかし、これは包丁と云うより小刀(ナイフ)だな...、と手元の刃物を弄びながら思う。確かこれは両親が京都の露店で購入した逸品だった筈、鑑定の結果相当な業物だったとか何とか。それを何故今私が持っているのかは不明であるが、拳に握られたこの金属片はそんな面影もなく、薄汚れ所々欠けている。丁度、この街の景色のようであると思った。

 ふと気がつけば、荒ら小屋の前に立っていた。此処が件の鍛治師の家である事を確信し、半ば外れている玄関の戸を四回叩いた。

 次のシーンでは、私は古屋の中で緑茶を啜っていた。畳の香りは私を穏やかな気分にさせた。片手には饅頭もあるのだから尚更安らぐ。鍛治師の壮年男性と意気投合し、景気良く迎え入れられた記憶があった。鍛治師は、ぶつ切りの白髪に、胸元まで伸ばした髭を携えた六十代ほどの頑健そうな方であった。饅頭美味しい。

 奥から私を呼ぶ声が聞こえた。どうやら鍛治師さんらしい。はーい、と返事をしつつ、声がした方へ向かう。台所らしき所の隣に彼は座っていた。手元には鋼鉄から真鍮のような様々な色彩の金属片があった。

 其れ、何ですか?、と問うた。

 あゝ、来たのかね、これはお主が持ってきた刃をバラした結果じゃよ、本当色々と組み込まれていてなかなか興味深いものであったの、と彼はやけに感慨深そうに語っていた。さらに云うには、これはかなり珍しいものであるに、修繕の瞬間は持ち主である私直々に見ていて欲しいとのことであった。

 私は、それを了解し、彼が包丁を組み立て上げてゆく姿を見守ることとなった。憶えている範囲では、大きな円形の鋼鉄版に真鍮色の合金を二枚はめ込んでいた。この合金を直線上に切り取ることで刃が形成されるらしい。

 ——と云うところで目が醒めた。

.......お読み頂き有難う御座います。

個人的に包丁の形状は好みでした。

それでは、また、ごゆるりと

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