7/20〜7/21
車で移動していた。父の実家への道だった。私は後部座席に乗っていた。...誰が運転していたのだろうか?
もう少しで到着だと云うところの路地に差し掛かった時の事である。前方の路上に人影が複数見えた。よく見てみれば、なんと非常識な事に!、少年たちと大人数名が車道上でバスケットボールをしているではないか。
此方が近づいたとしても、気に留める事なく、何やら指導をし出し、避ける素振りすら見せない。そんな様子に私は、現実では余り無い事であるが、苛立ち、ドアを開けて、お前ら邪魔だ、轢き殺すぞ、と怒鳴り散らした。誰かに口が悪いと云われた。
それから、直ぐ...かは知らないが、さっきの次のシーンでは、帰宅した。現自宅であるアパートの一室である。...筈なのだが、どう見ても内装は実家のそれであった。まぁ夢の私はそんな事一切気に留める事はなかったのだが。
洗面所にて手洗い。...歯ブラシが四つあった。私、弟、父、母の分だろう。...私は既にこの家にはいない筈なのだが...。それは兎も角して、着替えよう。上着とズボンを脱ぎ、着心地の良い寝巻きを身に付ける。...私服と云うのはどうも動きづらくて困る。...まぁ、致し方無いだろう、外出時、大気中に充満する硫化水素から身を守るためのバイオ装甲としての機能を付けるとなると、着心地と云うのはやはり優先順位が低くなってしまうらしい。
自室へゆく。いつも通りのカビ臭い香りがした...気がする。...ふと気がつけば、周囲が喧騒に包まれていた。よく考えれば、此処は自室などではなく、民間人が避難してきた廃病院であった。今我々は「不死者」と呼ばれる、概ね人型をした化け物達が跋扈する世界終焉期を迎えていた。
何処かのカルト教団が「不死者」を統べる神である「骸の王」を招来した事が原因であった。「骸の王」の前にしては、我々人類なぞは無力でしか無く、日に日に数を減らしていった。...少なくとも、この街の生存者へ私はを含めこの排病院にいる男女四人のみであろう。しかし、この病院にも既に数体の「不死者」が入り込んでおり、全滅するのは時間の問題である。「不死者」は最下級の個体群であるI種ですら、大の大人五人を犠牲にしてやっと討伐出来るくらいに強力である。私はとうに生きる望みは打ち捨てていた。さっき見ていたのは走馬燈の類であろう。
しかし、どうやら私以外の三人は生存を諦めていないようで、如何にして病院内に入り込んだ「不死者」を討伐するかを話し合って致し方。確かに彼らは、今まで施設ごと爆破して落石で「不死者」を押しつぶしたりと、中々の戦果を上げていた。彼らは今回もうまくいくだろう、などと云う縋るにも心許ない根拠を抱いてこの話をしているのだ。
私は只々それを静観していた。
.......お読み頂き有難う御座います。
「不死者」と云っていましたが、アンデッドな見た目なのはI種のみで、II種以降は不定型で鉤爪を持ったクリーチャーでした。まぁ、もう殆ど記憶に無いのですが...
それでは、また、ごゆるりと




