表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブルーピーシーズ ~不思議な力が発現し子種や命を狙われ迷いの中で生きた僕の半生と関わる人々の生き方~  作者: 弧川ふき(元・ひのかみゆみ)
第二章 X

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/152

14-2

 彼はあれから車を走らせ、別の地下駐車場に何度か入って出るという行為をしたあと、完全に尾行を撒けたと理解したのか、自分の家らしき場所のガレージの前まで車を進めた。

 シャッターが開き、進み、停める。シャッターをリモコンで閉じると、彼は車を降り、トランクを開け、何かをし始めた。

 どうやらナンバープレートを変えているようだった。

くそっ、それじゃあナンバーから特定することが……。

「さて」運転席に戻ってきた彼は、僕の鞄をまさぐった。

 鞄の横のポケットから僕のスマホを取ると、彼は恐らくそれの電源をオフにし、助手席に捨てるように置いた。

 そしてシャッターを開き、また車を進ませた。

 ガレージから出ていくと、今度はまたしばらく走って、別の家へ。

「よし、これはもう不要だ」

 唐突に彼がそう言った。

 どういう意味だ?

『これ』と言う時、彼はシャッターのリモコンを手に持っていた。

 じゃあ何か? そのシャッターのリモコンは、別の家のもの? だからって要らないって……? そうか! 別の人のリモコンだからか! いや、要らないとまで言うんだから、多分、『全く別人の所有しているガレージのリモコンと同型のもの』か! そりゃ必要ではなくなるし、捨てていい……!

 くそっ、そこまでされたら誰もこの人の所に辿り着けないんじゃ――!

 せめてサクラの反応で探してもらえないと……。




 私は嘆いた。ここまで用意周到に大樹だいきくんを狙う者がいるとは思っていなかったのだ。

 GPSはどうだろうかと鳥居とりいくんらが解析。大樹だいきくんのスマホの最後の位置は、どこかの住宅街。

 そこへ右柳うりゅうくんに行かせた。

 数分後、右柳うりゅうくんが現地から。「この家には大樹だいきくんはいません。さきほど住人が同じ色の車で帰ってきましたが、仕事から帰宅した風で……、この場所を利用されたとしか……。住人は事件と無関係としか思えません」

 そんなまさか。

 ならばもしや、ナンバーも偽装?

 警察に問い合わせた。

 住所は、今右柳(うりゅう)くんがいる所のもの。つまりそこの住人が、ナンバープレートもGPS切断のタイミングも、丸々利用された、ということか。

 こうなるともう手立てがない? くっ……、一体どうすれば。

 最も大樹だいきくんと接していたのは――、檀野だんのくんだったか。私は彼に電話を掛けた。

「もしもし」

 彼の応答があってほっとした。事情を話す。「大樹だいきくんが誘拐されました」

「――! またですか!」

「今度のは手強いですよ、尾行も振り切られましたし、GPSからも辿れません。犯人は自分の場所を用意周到に隠している。それになぜか大樹だいきくんのサクラが反応機に映されないんです、ゆえにそれで辿ることもできません」

「そ、そんな……。でも、本部長に案が出せないなら」

「いいえ、私も人間です、ミスはあります、だからこそ私はあなた方に頼ることもする、あなた方を信じている――、意見を聞かせてください。……たとえば、町中の監視カメラ――」

「どれだけ手あたり次第なんですか、それは無茶というものでしょう」

「……困ってます、何か意見をください」



 ほかに手は……? 本部長に言われ、俺は考えた。

 手がなければ、大樹だいきくんは……。

 追跡……? 犯人の特定が無理なら、大樹だいきくんを……。

 ん? 大樹だいきくんを?



 檀野だんのくんの声が聞こえた。「もしかしたら――」

「何か思い付いたんですか?」

 私はきっと気が急いていた。話を切るように促してしまったのだ。

 檀野だんのくんが改めて言う。「本部長、実は――」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ