表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブルーピーシーズ ~不思議な力が発現し子種や命を狙われ迷いの中で生きた僕の半生と関わる人々の生き方~  作者: 弧川ふき(元・ひのかみゆみ)
第二章 X

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/152

11-2

 ホームルームの出欠確認で、「休みは藤宮ふじみやだけだな」と先生が言った。

 え? と私は驚いた。いったい何が?

「どうして休みなんですか?」

 私が聞くと、先生は言った。

「多分風邪だって話です。みんなも、クーラーを利かせ過ぎたりしないよう、注意するように。手洗い、うがいもね。ああ、うがいはし過ぎないように、殺菌し過ぎも免疫力低下の原因に繋がるらしいので」

 今日のプリントを配る先生は、なんだかちょっと悩んでいるようだった。


 今日は一人で帰るしかないのか――と思うより先に、お見舞いに行きたいなと思った。

 大樹だいきくんの住所を知らない私は、昼休みになって職員室を訪ねた。

「失礼します、一年三組の恩田おんだ実千夏みちかです。真住ますみ先生はいらっしゃいますか」

「ああ、ここにいるけど」真住ますみ先生――担任――自身の声だった。

 近付いて話してみた。

「あの……、藤宮ふじみやくんのお見舞いに……、何かプリントがあれば届けますけど」

 すると、真住ますみ先生はハハーンという顔をした。

「よし、そういうことなら、これ。住所は――」

 先生は、「ええっと」と生徒資料を漁り、そのあと口頭で教えてくれた。

 私はそれを聞いてメモ。

 なんだか勘繰られちゃったな、と恥ずかしい思いに駆られながら、指示を聴いていた。「これ届けて、朝のプリントね」それを了承。これで大樹だいきくんの家へ行ける――。




 その日の夕方、インターホンが鳴った。うちの部屋のものではなく、マンションの入口のもの。そこで誰かがうちの部屋番号を押したことになる。

 どちら様?

 そう思いながら、扱っていた鍋の火を弱め、台所からリビングに向かった。

 インターホンのモニター類はリビングにあった。付近の通話ボタンを押す。「はい、藤宮ふじみやですが」

 すると。「あの、大樹だいきくんと同じ学校の、友達です。届け物があって来たんですけど」

「あらそうなの? ありがとね。ドアが開いたら入ってきて。三〇五号室だからね」

「分かりました」

 私はその声を聞くと、開錠ボタンを押して台所に戻った。

 あとは鍋蓋なべぶたを落とし、コトコト煮込めばよし。

 それにしても、と思った。モニターで見えたのは私がまだ会ったことのない女の子。そんな子が大樹だいきに届け物? あの子、やるじゃない?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ