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「…俺だ」  作者: リィズ・ブランディシュカ
本編
2/14

02 迷子犬



 俺だ。

 さっそく困った。


 乙女ゲーム「ミラクル・ラブリー」の攻略対象朝霧(あさぎり)ダイナと出会ってしまった。(日本人名だが、金髪だ。思いっきり西洋っぽい人だ)

 何だ、今日は。

 出会いの日か。


 ついでに主人公の少女・香月こうづき(桃髪美人だ。スタイルが良い)シャノンとも出会ってしまった。


 人生の中で、運命が動き出す特別な日か。

 物語でよくあるスタートアップ的な、日か何かか。


 ヒロインと攻略対象は、どうやら迷子犬の飼い主を探しているようだ。


「どうしたもんだろうな」

「迷子みたいですね。困りました」


 ヒロインの方が、つぶらな瞳のポメラニアンを抱えている。


 二人は、困った表情であたりをキョロキョロ。


 面倒だ。


 見なかったふりをしようと思った。


 けど、「あのっ、このわんちゃんについて何か知りませんか?」できなかった。


 香月に話しかけられてしまったからだ。


 なぜだ。分からん。


 しかし無視するのは礼儀に反する。


 だから俺は内心でうろたえながら「いや、何も」と答えるしかない。


 すると朝霧が、「この近くに住む貴族なら住民にも詳しいと思ったんだが」云々。


 そう、話しかけてきた。


 納得だ。


 確かに俺はお金持ちだ。


 お貴族様というやつで、この町に住んでいる一般市民より立場が高い。


 ふんぞり返っている悪役とは違ってまじめなので、それなりに地域の噂話も聞いている。

 だから頼ったのだろう。


 見て見ぬふりをしたら、貴族のメンツにもかかわる。困りごとを相談された後でぞんざいに放っておくわけにはいかなかった。


「分かりました。あなた達と一緒に飼い主を探します」


 役に立てるか分からないけど、と思いながら、やむなく。迷子犬の飼い主捜索のお手伝いへ駆り出される。


 無事、10分後飼い主を発見したが、学校には遅れてしまった。


 三人仲良く怒られた。


 この状況の香月の感想が以下。


「こうして怒られるのは子供の頃以来です。不謹慎ですけどちょっと楽しいですね」


 実にたくましい子である。


「また困った時は助けて下さいね。斑鳩いかるがようさん」


 少し仲良くなってしまった。


 ちなみに斑鳩洋は俺の名だ。


 思いっきり俺も和風な名前だ。


 東の果てにあるという設定の、日本っぽい国から文化が入ってきている設定なので、色々なもんが混在しているのだ。



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