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大家スラニスとさらなる敵

扉を開けると廊下があり、その先に階段がどんとかまえ、ここの大家のスラニスさんが降りてくるところだった。

この歳四十になるが、ほっそりして、かわいい、というより美人な感じだ。

「あら、帰ってきたの?」

「はい、今日は大変だった、服も、ほら。」

「ずいぶん汚したわねぇ………。」

いちゃいちゃすんなよ、そう階段のさらに上、見えないところから声が聞こえる。

スラニスさん以外顔をまだ覚えていないが、まぁ隣人の誰かだろう。

「してません。」

「してるだろぉ?困るなぁ、スラニスさんはぁ、うちのアイドルなんだからぁ、気軽に話してぇ、ダメダメェ。」

すごい、すごいよっているのが口調から伝わってくる。

「あらあら、ドレッドさんあんなになって、ああ、コーイチさん、明日も頑張って。」

そういって微笑むとスラニスさんは上へ上がっていく、なんだか「なんでぇまってくれないのぉ」だの何だの聞こえるが知ったことではない。

俺はドレッドさんとかなんとか迷惑な隣人がいなくなるのを待つと、上へ上がる。



「はい、契約の終了を確認しました、あと、依頼を10件達成したため、Eランクに昇格となります、おめでとうございます。」

ありがとうございます、そう俺は受付嬢に返事を返す。

いつものように依頼ボードを眺める。

「Eか、じゃあD級の依頼も受けられるわけか………。」

言い忘れたが、依頼は自分の階級より一階級上の物まで受注可能である。

パーティを組んでいる場合は最下位のランクの人間より2階級上まで受けられるが、自分はソロ(ボッチ)なのでそこまで知らん。

「しかし、結構金も溜まってんだよな。」

自分は腰にかけている剣をみる。

バルタイさんが持ってけとプレゼントしてくれた剣だ。

「無論、捨てる気など毛頭ないが、買い換えてみるか?」

自分は防御にはそこまで困ってない、攻撃は困ってるどころではない。

攻撃力の欠乏、ただそれだけでどれほど苦労したか、白狼はそれで死にかけたし、リュウモドキを切ったときも………。

「所詮、腕の問題に違いないんだが………。」

いい剣買ったら、少しは改善しないかな…。



「で、それで俺のところに。」

「はい。」

なるほどねぇ、そう鍛冶屋の親方はいう。

「まぁ、聞いたところでどうということも出来んが、出し惜しみするほどの腕も俺にはねえしな。」

「はぁ。」

俺は店頭の品を見ていく。

………。

正直、今の剣と大差ないな。

「ちなみに、これより上ってありますか………?」

「いやぁ、普通の鉄で作る分にはどこだってそれが限界だ、普通の鉄ならな。」

「その言い方じゃ、あるんですか?」

「そうだな、有名どころじゃミスリル、オリハルコン、最も他にもすごいものはあるけどな。」

「おいくら………。」

「ミスリルのやつで、金貨30枚………?」

高い、いや高すぎだって。

「仕方ねぇだろうが、そこにあるのだっておおまけして銀貨15枚はする、うちでそれ以上は諦めな。」



結局、俺はいつものままで狩りに出る。

「………貴様か!!」

俺はとっさに避けて、飛んできたものを叩き落とす。

グエッ、そんな声をだしてそれは地面に叩きつけられる。

リュウモドキ。

「もう財布はやらんからな。」

………なんだかんだで、今のままで十分なのかも知れない、真っ二つは無くても、鱗にひびとか入ってるし。

速やかに俺は討伐部位を切り落とすと、森の探索を続ける。

「攻撃力不足に悩んでるなか言うのもあれだが、もう少し大型のやつをかってみたいな。」

そう俺はつぶやく。

そうだな………いい感じにでかいやつ………。

「………うん?これは、森を出ちったか?」

その言葉の通り、俺はどうやら森の外に出たようだ、そこも平原が広がっている。

「本当にここらへんは平原ばっかだな………。」

俺はそんなことをいうが、そこでうん?と気がつく。

向こうに黒い点が見える。

「あれは………牛?」

違う、それは言うならばバッファローだった。

バッファローを俺は見たことがある。

日本の乳牛がめんたまひんむく大きさだった、最もこっちはその比ではない。

あれ………全長3m?いや高さでも2mあるぞ?

まあ、白狼とそんな変わらない………?

「………やるか?あれを?」

どうしようか………。

やる?やっちまうの?



匂いで、気づかれた。

俺が10mと近づかないうちにこちらの方をじっと見ている。

「攻撃したら逃げるかなぁ………。」

そうなったら面倒だ、バッファローは時速50kmくらいで走れんじゃなかったかな?

俺は一旦止まると、試しにバックからカッパを取り出す。

雨のときとかつけているそれを、こう、ヒラヒラ〜っと?

効果てきめんだった。

なんていうか、無言。

無言で突然、ドン、ドンドンドン、と。

「あっ、あっあぁああーー!!」

俺は間一髪でそれを避ける。

だめだ、まともに戦ったら勝てん。

俺は即座にそう判断して、森に逃げ込んで動けなくなったところを倒す柵に出る。

「ウォォォオオオオ!!!?」

俺は走る、荷物すら捨て置いて走る。

しかし、速すぎる、逃げられない。

第二回目の突進を俺はまたしても避ける。

そしてその一瞬で剣をがむしゃらに突く。

切れたっ!!

見ると確かに血が滴っている、皮の耐久度はそこまででもないようだ。

だが、あの巨体だ、多少切ったくらいじゃものともしないだろう。

「来いよ、相手してやるっ………!!」

俺はそう言い放った。

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