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新 謎の四人組 3

「………たっだいま〜あ〜疲れた〜。」

「ちょっと、お前俺の部屋に入ってくるんじゃねえよ!!?」


………まぁ、カルドキアの家の中に泊まらせたくらいだし、もう気にはならんが………こんなんで大丈夫かな………。


「………へぇ、そんなことがあったのね。」


俺はリューゼさんに雇われ、魔法学園によくわからない謎の四人組が入学してきているところまでを話した。


「なんていうか、興味深いというか面白いというか、でもまだ謎が多いわね………。」

「そうなんだよなぁ………。」

「………うん、興味深い、実に興味深いのでこのサンドイッチもらうわよ。」

「あっ………。」


サンティシナは買ってきたサンドイッチからいくつかもって食べ始める。


「な〜にやってるんだか。」


俺は呆れながらサンドイッチの小山から、取られないうちに自分の分を確保しておく。




「………コーイチ、教える授業の内容についてはちゃんと頭に叩き込んだか。」

「あぁ、剣術ってあんなめんどくさかったんだな、俺は我流だから知らないが。」


俺は魔法学園の方に歩き出す、周りで様々なことをしている生徒達が物珍しそうにこっちを見ている。


「おうリューゼ、せいぜい頑張るんじゃの、丁度嫌なやつの気配もするしの。」

「わかりました。」

「嫌なやつ………?」




「………あれが先生か………。」

「か、輝いている!?」

「外人かよ………いやゲレッタさんも外人だけどさ。」

「………あぁ、あれは………天使………?」

「おい恵美、いきなりどうした、お前なんか溶けてないかおい!」


僕はよく見ると耳がとんがっていて長いことに気づく、エルフだ!!


その後ろから入ってくるのは………ん?


「………あれ………?」

「どうした………え………?」

「日本人じゃね………?」

「………神々しい………。」


おっと、恵美まだエルフの人のほう見てんじゃねえか。


「私がこのクラスを受け持つリューゼだ、そして、こちらが剣術指導のために来てくれた冒険者のコーイチさんだ。」


………なんだよ、なんだよ、コーイチって、名前がモロ日本人じゃねぇかよ!!!?


ばかばかばか、ちょっと待ていきなり日本人に会うなんてやばすぎるやばすぎる。


「どうかよろしく。」


そうコーイチさんは僕達の前でお辞儀しながら挨拶する、その顔には焦りの色は見えない。


どういうことだ、この世界には転移者が想像の百倍たくさんいるってことかよ!!!?もはやそれくらい珍しくもないと!?


「………ええと、私は君達のことを知らないから君達には自己紹介をしてもらいたい、右から順にお願いします。」

「ええ!?俺じゃねえか!!」

「あ〜あ、和也ファイトな。」

「頑張ってね…………。」

「………ハッ、私は何を。」




「………よし、自己紹介もほどほどに、まず授業の概要を説明する、君達には戦闘に関するもの、魔法と剣術について学んでもらう。」

「剣術と魔法………。」

「魔法は私が、剣術はコーイチさんがやる………ところで、魔法に関しては四人はどれほどできますか。」


そうリューゼさんが聞くと、奥の方で黙ってみていた男は言う。


「えぇ、魔力操作はもう習得済みですよ。」

「それは良かった、では君達にはまずこれから呪文文字と魔導書について勉強してもらおう………。」

「………うっわぁ、これ覚えるのかよぉ………。」

「いや、これ英語みたいに26文字しかないからそんな難しくはないと思うよ。」


呪文文字はのらりくねった波のような文字だ、英語の筆記体みたいだが、やっぱり大幅に違う。


「………アレ?アレアレ?」

「恵美、どうした?」

「いや………その………なんていうか。」


リューゼさんは彼女に近づき、恥ずかしがらず言うように言う。


「………私、これの意味がわかるかもしれません。」

「はぁっ!?」

「そんなん超能力者じゃん!!」


だが、恵美は文を指さして。


「………これ、火の玉を、放つ?って書いてありますよね………。」

「………!?あぁ、そうだ、それはファイヤボールの魔導書だ。」


そうリューゼさんは肯定する。




「………コーイチ、頼んだぞ。」

「わかってる………よし、みんな練習場にでたな、これより剣術の授業を始める、みんな来てくれ。」


俺はそう呼びかけるとみんなは走ってよってくる、ちゃんと木刀を持っているが………これはふざけて振り回しそうな雰囲気だな、とくにそこの二人。


「よし、じゃあまず基本の構え方からやってもらおう、といってもこれはいろいろあるんだが………。」


俺はひとまず剣道でもある下段、中段、上段の構えから、片手で持つときや突きの姿勢などを教える………まったく、これを覚えるだけでも中々骨だぞ。


「よし、できたな、では次だ、縦横斜め突き、基本的な剣の振り方だ。」




そして、それも終わった頃になって俺はようやく気がつく。


「………あぁ、そうだ、身体強化を忘れていた。」

「身体強化?」

「人間はなぜ魔力を体に宿しているのか、人間は魔力を使い体を強化する臓器があってな、それに普段以上の魔力を使うことでさらに体を強化するのが身体強化だ。」

「………。」


四人は早速やってみたようだが………?


「………うぉっ、すっご!!?」

「体が軽いっ!?」


調子に乗って遥か高くまでジャンプして尻から落ちてくる浩二と和也。


「………う、あいたたたたたた!?」

「恵美大丈夫か?無理すんじゃない。」


痛みのあまり膝をつく恵美、どうやら恵美は身体強化の負荷に耐えられないようだ。


「………健、お前は?」

「僕ですか?僕は、ちょっと苦しいけど使えます。」


そういって健はジャンプするが、飛距離は思ったほど高くない。


「あれ?やり方を間違えているのかなぁ。」

「いや、そういうのは個人差だから仕方がないだろ、だいたいその年で、初めてでそこまでできる時点で十分すごいんだぞ。」


………信じがたいが、和也と浩二は、単純な身体能力ならBランククラス、健でもCランククラスはある。


「………こいつら、どうなってるんだ?」


………明らかに日本人にしか見えない四人組、裏で暗躍する魔法院、神聖帝国、なにがどうなっているのやら。

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