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新 傷ついた男 8

「………コーイチ。」

「なんだ!!?」


俺は飛び起きると、サンティシナがそばに立っている。


「………私達、本当に大丈夫なの………いっそ、この都市の外に出たほうがいいんじゃないの?」

「………いや、外に出れば、人の目を気にすることなくやつらは襲撃できる、かなり危ない橋になる。」

「………そう、ならいいわ、じゃあ私は」

「疲れてるんだろ。」


俺はそう帰ろうとするサンティシナに言う。


「………すまない、だがこの都市に来てから一番接触していたのはサンティシナだ、あいつらがお前を狙う場合を、否定できない。」

「わかってるわよ、そんなことくらい、ただ、ちょっと、あんまり外に出てないから疲れただけ、じゃあ、お休みなさい………。」


俺は、そういって帰っていくサンティシナになんて言えばいいのかわからなかった。




「………なぜ、私が襲撃まで間を取ったのか、それは、奴らを精神的に疲弊させるという意味合いもある。」


そう私は部下に説明するが、今更不必要に違いない。


「………まぁ、そちらはおまけだ、本題は、こいつを取り寄せるのに時間がかかったからというのがある。」


そういって彼は一本のナイフを取り出す、果物ナイフにすら見える貧弱なそれは、その実世界で最も切れる刃を持つ。


「消去魔法を付与された特注ナイフだ、これに切られた場所は裂けるどころか消滅する、それはオリハルコンですら例外ではない、これで結界を切れば………。」


彼は結界に穴を開けると、その中に入って部下に手招きする。


「さぁ、やろう。」




「………。」


しばらく私は周りを見回していたが、やがて扉の一つを開け、中を確認する。


「………ここか。」


寝室のようだ、中央には大きく膨らんだベットが一つ。


気づかれてはいないようだ、私はそっと近づいてベットの横に立つ。


「いい夢を。」


ちゃんとした暗殺用のナイフを握り、それで首の場所を切り裂き、最後に胸に突き立てる。


「………!!!!?」


馬鹿な!!




刹那、風切り音が聞こえて、部下の一人が倒れた、二人、三人目。


「撤退だ、いそげ!!」


「させるかよ!!!」




まんまと引っかかってくれた。


俺達はこれまで家の外の物置で寝起きして、あえて今まで寝ていた場所に人形をおいて偽装していた。


人形が破損した際は即座に俺に知らせる魔法もくんである。


俺は外へ飛び出し、やつを追う、凄まじい速さで蛇行しながら走っているが、俺は身体強化をフルに使いそれに食らいつく。


「まてぇ!!まてぇ!!!」


俺は走りながらクロスボウと魔法の連撃。


その爆音で住人達が一斉に目覚めるのがわかった。


俺は仕方ないので奥の手を使う。


「ワープ魔法っ!!!」

「!!!」


俺はやつの真正面に塞ぐようにワープする、だが、やつはそれを読んでいたらしくナイフが俺の首筋に飛んできた。


「………はぁぁぁぁ!!!」


俺はそのナイフを全力の居合い抜きでギリギリ迎撃。


「………どうやら決着を付けなければいけないようだ………集合!!」


そうやつが叫ぶと周りから散り散りになったはずの部下がどんどん集合してきている。


「………いいか、ここにいる人間はみな強いぞ?CランクからBランクの強者揃いだ。」

「………。」


俺はそれを聞いても一切動じることはない。




「………はぁぁぁぁ!!!」


やつの部下達が、こちらに切りかかってくる、本当にそのナイフや剣はとてつもない速さで飛んでくる。


どうする………。


「ハッ!!!!」


その剣撃の群、その間に空く隙間に俺は体をねじ込み、部下のうち二人の男の顔を鷲掴みにする。


「なぁっ!!?」

「はぁぁぁぁぁ!!!!!」


俺はそれを二人共投げ飛ばし、叩き伏せる。


「………っ!!!」


一瞬のうちに二人の人間が叩き伏せられ、彼らに動揺が走る。


「………一瞬すり抜けたかと思ったよ、凄まじい身のこなしと技術だな。」

「悪いね。」


ジリジリと下がるやつの部下たち、俺は魔法を構築し始める。


「【メガファイヤ】!!!」


俺は巨大な炎の玉を無数に作り、飛ばす、それはとびすさる連中を完璧に追尾して直撃する。


何人かはそれを防ぎきれず直撃を食らうが、大半は防御魔法で無事だった。


だが、これで敵の陣形が崩れ大混乱だった、俺はその隙をみのがさすやつに肉薄する。


「はぁぁぁぁぁぁ………!!!!!」


俺は走りながら剣を持ち上げ、やつのナイフと交差させる。


金属音を鳴らして中央で衝突するナイフと剣、俺達は後退、前進を繰り返しながら高速で剣撃を飛ばしていく。


中々向こうもやるようで、今のところこちらが優勢だがまったく攻撃の隙が見えない。


「………そこだぁぁ!!!!」


俺の剣とやつのナイフが何十回と起こったように交差する、だが、次の瞬間やつのナイフは一気に抑え込まれてそのまま俺は押し込んで、押し込んで、突進する。


「なんだとぉ………!!!」


やつはそれを奇怪な動きで脇にそれてかわして飛び退り、お返しとばかりに針やナイフが飛んでくる。


「………フン!!!!」


俺はそれを防御魔法で軽く弾く。


「きさまぁっ!!!」


その時、戻ってきた部下達が次々と俺に飛びかかってきた。


「………【メガウィンド】!!」

「うなっ!!!?」


俺はその空気の塊を真下に向けて発射する、風圧で俺はおろか、迫ってきた人間が全員吹き飛ぶ、違いなどせいぜい俺はそれを知っていて、彼らにとっては不意打ちだったことくらいだ。


「………よっと!!」


俺は着地してすぐに風魔法を連発する、見えない空気の玉がやつに向かって飛んでいく。


「ぐおっ!!?」

「そこだぁぁ!!!」


俺はそれによって作られた一瞬のすきを見逃さず、メガロックを使う、巨大な岩の塊がやつに向かって飛来していく。


「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!?」



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