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プロローグ1

これは私の初投稿作品です。

見る人がいるかどうか分かりませんが、

正直続けられるかどうかまるで分かりません。

そもそも半分くらいなろうのシステムになれる

テストです。

最悪これからだエンドをかましてでも広げた風呂敷はたたみます。

ご了承ください。

暗い、とにかく暗かった、最初に思った事はその、それだ。

嫌にハッキリした意識の中で考える。

ここはどこだろうかとか。

さっき何をしていたんだろうかとか。

起き上がれる状態じゃない、その事が分かっていた。

しかし、何だかそうする必要性を感じたんだ。

頭がクラクラする。

それでもなお立ち上がろうとするとバランスを崩す。

周囲が見えるようになったので手短の木の下に

四つん這いで辿り着き、よりかかる。

「ここは、森か。」

そうつぶやく、そこには青々とした植物と、木々に満ちていた。

いくら直後の記憶がないにしても、さすがに

実家に帰った覚えはないのだが。

で、ここで気づいて持ち物や服装を確認する。

服は仕事用のスーツ姿で、鞄が転がっていた、中を確認すると

これまた仕事道具が入っているのみだ。

スマホがあったので覗いてみるが、そこには圏外と表示される。

………これ、いよいよ東京じゃないな、どこなんだここは。

状況確認が終わると、いよいよどうするかの段に入る。

「まさか………歩くのか?そうなのか?こんな森の中を延々と?」

木々に覆われた方を見てみる。

道らしきものなど何も見えない、腰くらいの草花が生い茂り、木の枝が密集している、まるで壁のようだ。

あの中を歩くのか、そうつぶやいてしまう。

だが、仕方がない。

記憶が無いのもそうだが、いきなりこんな所に飛ばされたり、

おかしな事が続いている。

普通ならじっとして体力を温存すべきだが、

今回は動くべきだ、そんな気が強くした。

それが冷静な判断の上なのか、それとも遭難者がわけもわからず

右往左往するそれなのか、わからない。

意を決して、汚れるのも構わずに俺は足を踏み入れる。



やはり、失敗だったかもしれないと、俺は早くも思い始めて

いた。

どこまで歩いても何もない、森ばっかりで、もう日もくれかけだ。

腹も減った、喉だってカラカラだ。

「誰か、誰かいないのかっ。」

そんな事を叫んでも、何も出やしなかった。

畜生が。

このままでは俺は死ぬ、肉体的にじゃない、精神的にだ。

拷問なんて及びではない、断食断水で十分すぎる。

正直そんなことになったら、自分は耐えられる自信がまるでない。

現代っ子にそんな昔の人間のアナログな頑強さを求めないでほしいところだ。



日がついに消えようとした時、それを見つけた。

「かわっ!?………川だ!!」

ひどい筋肉痛に襲われている足に鞭をうって近づく。

チョロチョロとした小川じゃない。

比較的幅の広いちゃんとした川だ。

「水は、水はどうだ………!」

サッとすくって確かめる。

特に不純物が混じった感じはしない。

きれいだ。

きれいだろうが何だろうが、こんな場所の水なんて、

腹を壊してもしょうがない、が背に腹は変えられん!!

「ふぁぁ、うまいっ。」

正確にはなんか変なものが混じってる気がしないでもないが、

とにかくこれで1週間はしのげるぞ。

それだけではない、川をくだれば、確実に何処かの人里に

つく。

あるいは海か湖か、まぁ、そんなところまで行く前に辿り着くだろう。

やったぞ、これで目処はついた、あとは………。

その時だった。

それが聞こえたのは。

ワオーンだか、ニャーンだか、わからん、うまく形容し難いが、

とにかく何かしらの獣の遠吠えがとんでもない爆音で

聞こえてくるのだ。

俺の安心気分など一瞬で吹き飛ぶ、もう暗くなって見えなかったが、たしかにいたのだ。

巨大なその体躯。

全身を覆う鱗。


全長の3倍はあるこれまた巨大な翼。

信じたくなかったが、それはドラゴンの姿そのままだった。



かろうじて最後の理性が叫ぶのを押し殺すが、

足の方まではそうは行かない。

だっと俺は駆け出していた。

どこまで走っただろうか、奴は追っては来なかった。

草花を踏みつぶし、木の枝をへし折って闇雲に進む。

その電撃行軍が、あっという間に体力を奪う。

俺が止まったとき、過呼吸を起こしかけた。

酸素が足りない足りないと肺が喚き散らすが、いくら息を吸ってもそれは治らない。

顔から涙が溢れる。

やっと収まった俺は、ひとまず川へ戻るのをあとにした。

まだ奴がいるかも分からないし、とてもそんな気がしない。

一度、トイレで起きて寝室を出たとき、Gに出会ったことがある。

その時はかろうじて押しとどまり、脇を通ろうとしたがカサカサ動いたところでもう駄目だった。

脱兎のごとく寝室に突入し、そのまま1時間ほど悶々と行くか行くまいか過ごしたものだ。

Gとドラゴンを比べるのはアレだが、今の行きたくないという

気持ちはそれに近い。

とにかく、その場を就寝場所と決めた俺は、

木の下に寝転ぶが、服が汚れるのが嫌なので手短な枯れ葉を敷いて布団にして、今度こそ眠った。



次の日、俺は起きてすぐ川に向かう。

トラウマは残っているが、それ以上に喉が乾いて死にそうだ。

やっと川が見えたとき、足がすくんだが、意を決して手前の

空いたスペースにでる。

ドラゴンはいなかった。

だか、奴がいたスペースは、木々が倒れてちょっとした空き地を

作っていた。

近づくと、何か落ちていた。

真っ赤な、真っ赤な鱗。

それとこの空き地が奴の実在を示す何よりの証拠であり、

夢だったのではないかという朝起きたときの淡い希望が

砕け散った。

「………ハァ、どうなってんだかなぁ。」

幸い、あれ以外に獣の類に遭遇してはいない、

ああいうので死ぬことはまぁ、ないだろう。

それより今は、川を下ることだ。

筋肉痛もだいぶマシにはなった。

「遭難生活、2日目、はじめますかね。」



森は未だ抜けていないが、川幅はかなり広くなった。

まぁ、集落があっても反対側だと行けないだろうが。

「………うん?こいつは…………。」

拾い上げるとそれはなにかの木工細工のちっちゃい人形?だった。

馬の形をしている。

「これは、ビンゴじゃねえのかな。」

これが近くの集落の誰かの落とし物か、上流から流れてきたものかは知らん、だが、とにかく人はいるにはいるらしい。

その事に小躍りしそうになるが押さえ込み、

とにかくそこまで辿り着くことに専念する。



それが見えたのは、昼頃だろうか。

遠くの方から黙々と立ち上る煙。

「おおっ!おおっ!うぉおおおお!!?」

俺は早歩きでその方角に向かう。

やがて見えてくるのは、小さい木造の家が立ち並び、畑が

見える集落だった。

見ると柵の中央にぽっかり空いている門から男たちがでて、

こちらを指さしているではないか。

「おーい、たすっ助けてくれ!!」

俺はそう言って駆け出していく。

あと100mを切った………。



「あっ………。」



その瞬間、俺は中を舞い、鮮血が宙に飛び散るのが見えた。



「まずいぞ!!」

そう門番のひとりが叫ぶ。

きっかけは、見張りが変わった風体の人物が泥や草木をくっつけながら森から走ってきたと報告してきたことだった。

すぐに見てみるとなるほどたしかに変わった風体だ。

黒い上着にこれまた黒いズボンを履き、上着の隙間からは白かったのだろうがこれまたひどく汚れた服が目に入る。

そして首にはよくわからん帯をしめ、小さいバックを肩にかけている、生地は上等な物に見えるが貴族の服にしては

派手な模様などが無く、無骨な印象を受けた。

事態が急変したのはもう少し後だ。

突然後ろから黒い影が飛び出したのだ。

「ウルフ………!!」

男はそれに気づかない。

あっという間に迫ったウルフが飛びかかり、爪が奴の服を

ひきさき、衝撃で宙を待った。

ウルフは体長3m、高さは1.5にもなる比較的大きい魔物だ。

それが時速60kmほどで体当りしたのだから無理もない。

「まずいぞ!!」


「✕✕✕✕!!」

村から出てきた人の声だろうか、よく分からない。

何かが体当たりしてきたのは当然わかる。

とんでもない衝撃だった、骨が何本か行ったかもしれないな。

そんな事をボケっと考えている、衝撃で頭もおかしくなったのかも知れない。

一瞬周りが暗くなったかと思うと目の前に巨大な白い狼が

着地した。

デカイ。

なんだあれは、ホッキョクグマよりデカイんじゃ無いのか。

その白いのは村から飛び出てきた棒を持った男に突撃し………、

恐ろしいことに、それはかろうじて受け止められる。

「✕✕✕✕!!!」

その男があの聞いたことのない言語で叫ぶと村から出てきた

屈強な男達が隊列を組む、各々棍棒や槍、棒を持って威嚇する。

その時、俺はベルトの部分を最初の男の人に掴まれ、片手で

背負われてしまった。

「あんたは………。」

「✕✕✕✕✕✕、✕✕✕✕✕✕✕!!」

そのまま担がれて俺は村の中に避難した。



「助かるか、こいつは。」

「やかましい、こんくらいで死なないよ。」

俺は担いだ男を村のある小屋に担ぎ込む。

そこは村唯一の薬師にして医者である婆さんがいる。

人生50年と言われる今の時代にもう87にもなるバケモンだが、

まだまだ元気たっぷりだ。

「ふーむ、失血で意識がトんでるようだね、この傷は酷いね、一生もんだよ、そうだな、ここらへんの骨がだいぶイっているようだ、そこの道具箱をとっとくれ。」

俺はこの婆さんにお世話になった事があるので道具箱の事もすぐピンときた。

サッと出してやるとそこから包帯やら糸や針を取り出して、

目にも止まらぬ速さで処置を始める。


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