いつもの日常
ラブコメ?そんなもんは、ぶっ壊す!
「はぁはぁ、ここまで来れば……」
息を切らして肩を上下に揺らし深く深呼吸をして呼吸を落ち着けていく。
壁に隠れて先ほど走ってきた道の様子を伺う。
どうやら、何とか撒いたようだ。
「ふぅ、何とか撒いたみたい。まさか、追い回されるとは……。高校は、女子高にしよ……」
そうして、心の中に女子高に行くということを近い勉学を励んできた。なのに、まさか先生の手違いで共学に行くことになろうとは……。
私は、生まれた時から周りから好かれる体質だった。小さい頃は、その体質もよかったが年齢が上がっていく事にその体質は変質していき今のモテ体質へと変わってしまった。
いや、もしかしたら気付かなかっただけで、最初からモテ体質だったのかもしれない。
「はぁ、そもそも先生の手違いは本当に手違いなのかも怪しいんだよなぁ」
そうぼやきながらも自分の組を探す。
「あった」
1ー5 中林鈴華。誰が見てもありふれた名前だと思う。
はぁっとまた、ため息が出る。
名前を探す瞬間でさえ周りから視線を感じる。まあ、追いかけ回されるよりマシだがジロジロと見られてあまりいい気分ではない。
さっさと、その場をあとにして自分の教室を目指す。
上を見上げてクラスを一つ一つ確認しながら歩いていく。
「ここか……。どうか、平穏な高校生活が出来ますように……!」
ため息が出そうになるのを飲み込み扉に手を掛けて横に引いていく。
そこには、まだ誰も居なかった。
窓から下を除くとクラスを張り出している玄関に人がたまっていた。どうやら、まだ下のクラスを確認するところにみんないるようだ。
おそらく、前の人のせいで詰まっているのだろう。この調子ならしばらくクラスには誰も来ないだろう。
自分の席を調べて座り本を読むことにした。
学校で、こんなに静かに過ごすのは初めてで少し新鮮に感じた。
本を読みはじめて、30分弱読んでいたと思う。
廊下から楽しげな声が聞こえてきた。本をこれでもかと顔に近づけて顔を隠すようにして廊下の様子を伺う。
「……それでさぁ」「……マジかよ!ハハハッワロタ!」「でさ、彼氏が……」「……ありえなーい」
様々な声が聞こえてくる。今すぐにでもトイレに隠れたいが、それはきっと間に合わないし、もうすぐSHRが始まる。
ガヤガヤと生徒たちが入ってきた。
リア充爆破して、ミサイルに当たって塵になれ