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28.SSSランク剣士

 

 闘技場。屋上から発砲した暴徒を求めて警備員がうろつく中。


「おい。不審者はどこいった?」

「分からん。さがせ」


 スナイパーライフルを背に戻る闘技場。

 その途中。撫子を乗せたストレッチャーに追いついた。


「撫にゃんはココロちゃんの友人です。英下衆最高病院へ急いでください!」


 救急隊の尻を叩き急がせるココロちゃん。


「失礼。少しだけ」


 憲伸も救急隊に着いて歩き、その顔を見やる。


「……すみません。憲伸さんとの立ち合い……楽しみでしたのに」


「撫子。なかなかの剣筋だった。俺のライバルと認めてやらないでもない」


 散弾で無数の穴が開いた右腕。

 おそらくは……もう。


「日本に戻ったなら、いくらでも立ち会ってやる。楽しみにしておくことだ」


 泣き笑いのまま、撫子が差し出すのは自身の刀。


「撫子一徹……せめて憲伸さんの優勝。そのお側に……」


 目を閉じる撫子が救急車に乗せられ、搬送される。

 その姿を見送り、憲伸とココロは控室へと戻っていた。


「やっぱり……撫にゃん。参加するべきじゃなかったにゃん」


 撫子の相手は精鋭部隊の兵士だという。

 生き残るためには。勝利するためには。その手段を選ばない相手。


 対する撫子は普通の一般人。

 人が良いのは利点であるが、こと戦場においては欠点である。


 いくら天才剣士とチヤホヤされようが。

 他人。1人斬り殺せないのでは、元から勝負になろうはずがない。


「向き不向きがあるにゃん。試合なら良いけど、この大会には向かないにゃん」


「……ケンシン」


 背負うスナイパーライフルを棚に並べ。

 その隣。ガトリングガンに手をかける。


 大量殺戮武器。

 決して試合に使うような代物ではない禁断の兵器。

 だが──


「超・天才剣士・改選手。出番です。入場してください」


 俺は、喜び笑い他人を斬り殺す狂人より。

 他人を斬ることに躊躇するような、情けない善人の方が好みである。


 そして、以前に言ったはずだ。

 貴族クラブとは。

 銃を悪用するような連中とは、すでに戦争である。と。


「超・天才剣士が改2型。出陣する」


 今大会。仮に英下衆選手が優勝するようであれば。

 さらに調子に乗った英下衆が、銃をもって世界に仇なすであろうことは明白。


 人が良いだけの者は、国は、敗れ奪われるのが道理。

 しかし、それは悲しい現実。許してはならない未来。


 ならば手段は選ばない。

 ここから先は弱者を。

 平和に暮らす一般人を守るための戦いとなる。


 ・

 ・

 ・


 立ち会う闘技場。

 入場するのは、ショットと憲伸。


「さあ。第2回戦。第2試合。ショット選手と。おや? 選手名の変更? 超・天才剣士・改あらため、超・天才剣士・改2選手の試合です。どうなるでしょうか?」


「はっはっ。1回戦の試合で分かったように、刀ではショットガンには勝てないですからね。銃は剣より強し。ですよ。これはもう結果を待つまでもありません。風呂はいっときますか?」


 ショットガンを手に駆け寄り、接近しようとするショット。

 それも当然。ショットガンは銃のなかでは射程の短い部類になる。

 その分。近寄った際の面制圧力は、群を抜く代物。

 いかに憲伸とて、全て切り払えるものではない。


 もっともそれは──


「超・天才流剣術・改2が奥義……」


 近寄れれば。の話。


ガトリング(連続)☆デストロイ(みな殺し弾)


 うなりと共に3つの銃身が回転する。


 ウイイイイイイイイン


 同時。連続発砲される無数のガトリング弾。


 ドガガガガガガガガガガガ


 着弾。宙に舞い上がるのはショットの肉体。


 ドガガガガガガガガガガガ


 数100発の銃弾に撃ち抜かれ。

 ショットの肉体は、粉々のミンチとなり場内に舞い落ちていた。


「こ、これはあああ!! 圧倒的! 圧倒的勝利です。超・天才剣士・改2選手!」


「アホか! 強いの当たり前やん! ワイのガトリングやよ? 返せや。チクショーめ!」


 散らばる肉片。

 その中からショットガンを探り出し、憲伸は闘技場を後にする。


 ・

 ・

 ・


「ケンシン。お帰りなの」


「ゴミィ。ただいま。ガトリングガン。整備ありがとう」


 予選大会で拾ったガトリングガン。

 整備。調整したのはゴミィである。

 そのおかげもあり、弾詰まりもなく絶好調。


 ガトリングガンを装備した俺は、最強の剣士となっていた。

 ランクでいうならSSS(トリプルS)ランク。

 後は雑魚どもを薙ぎ払い優勝するだけ。楽な仕事である。


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