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一回死んで蘇ったら過去に戻ってた。  作者: 電気便所
1章〜小学生編
4/4

テストなんて何年ぶりだろう②

好きなアニメの二期がもう少しで始まることに泣きそうになっています

 テストが始まると猿みたいに騒いでいた生徒たちが静かになり、集中してテストに取り組み始めた。先生には前々から『テストだけはちゃんとやってください!成績はそこだけでつけますので』と言っている。おかしい話だがこの学校は過程などはどうでもよくあくまで結果だけで成績をつける。つまり実力だけが物を言う学校である。



(静かになってよかった〜。さすがに集中しないとダメだからね)




カリカリカリカリ………




 5分が経過して周りの手が止まる。生徒たちは中学の問題に差し掛かったのであろうか?そんなことを考えず伊月は鉛筆をおき、じっと時を待つ。



X+4=5



 生徒たちはこの問いがわからず鉛筆を止めていた。算数にXという字がなんの意味を成すのかを小学生の子供たちは全く知らないからだ。それは瑠璃も例外じゃない。



「くーくー」



 伊月はたまらず睡眠モードに入っていた。



「……伊月くん。ちゃんとやったの!?」

「……ん……?やりやしたよせんせ……」

「へえ、アホでバカで騒ぐことしか能のない君が、クラスの誰よりも早くできたというの?」



 いやそれは言い過ぎだろ、下手すりゃ問題発言だぞ。と心でツッコミを入れる。



「見りゃいいじゃないですか。その代わり先生相当恥かきますよ?」



 少しイラついた伊月が先生に反抗する。



「言われなくても見ますよ!恥をかくのはあなたです!」

「…………」

「………………………」



 長い沈黙がクラスの生徒たちの注目を集めた。一部の生徒からは話し声も聞こえてきた。



「………!!」

「どーですか?」



 先生の回答が終わったのか口に手を当てて震えだした。



「あ、合ってる!?全問正解!?」



 ウオォォーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!長きに渡る沈黙が生徒たちの奇声でついに破られる。先生はあまりの驚きに腰の力が入らず地べたに手をつけて座っている。



「どうして……いつもテストはクラス最下位の伊月くんが、なんで」

「せんせー。恥かきましたねー。」



 最高の気分だった。いつも自分を見下していた連中が今では自分より下。なんとも言えない快感が伊月を襲う。



「どうやって解いたんだよ!」「伊月すげーな!」

「中学に行って習ってよ、俺人に教えんの苦手だし」



 一気にクラスの人気者になった。だがそれをよく思わない連中もいる。騒いでたのは4人の生徒たちであとはむすっとした顔で伊月を睨んでいる。



「伊月くん。ごめんなさい」



 先生が謝りだした。それも深々と頭を伏せている。



「いやいいですよ。気にしてないですから」

「伊月くん……!」


 

 これでテストはお開きになった。伊月は満点で1位だった。そして瑠璃は3位という結果に終わった。



「さて、瑠璃さん。俺の勝ちだよね」

『うん、日菜太くんの勝ちだよ』




 瑠璃は続けてスケッチブックに文字を書く。



『悔しいな。日菜太くんすごく頭いいんだね』

「うーん、頭いいというかなんというかね……」



 伊月は死後ルールのキヲクを消すというルールには引っかからずリスポーンしてしまった人間だ。故に大学を卒業できるほどの記憶を持ったままリスポーンしたので頭がいい、と見られて当然なのだ。



『日菜太くん、願いを一つだけきくよ』

「ってもなー。なんも考えてなかったな」



 権利を得たのに何も考えていなかったと定跡どうりの会話をして伊月はこう答えた。



「ならさ、俺と友達になってくださいってのでいい?」

「……!」



 瑠璃は驚いた表情を見せて急いで字を書く。



『本当に、いいの?』

「本当にいいって……逆に俺の方から言いたいけど。なんでそんな驚いてんの?」



 瑠璃は急いで字を書くとスケッチブックを見せてきた。急いで描いたからか所々ぐちゃぐちゃっと字を消されていた。



『しね、とか殺させて、とかじゃなくて……その、友達になってくれるの?』

「なんで死ねとか言わなきゃならないんだよ。瑠璃さん可愛いし友達になってくれると嬉しいんだけど」

「」



 瑠璃は慌てる顔を見せるわけでもなくただ驚いた顔をしていた。



「そこまで驚く?面白いなー瑠璃さん」



 いうまでもなく伊月には恋愛感情など全くない。ただ本心を言っただけだった。



『で、では友達に、なってください』



 いつの間に書いたんだと伊月は驚くがすぐに返事をした。



「なんか逆な気がするけど。よろしくね」



 神原瑠璃は初めて友達ができた思い出の日になるだろう。

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