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一回死んで蘇ったら過去に戻ってた。  作者: 電気便所
1章〜小学生編
3/4

テストなんて何年ぶりだろう①

今年は何をしてたのかわかりませんがもう今年が終わりますね


 4月10日。何十年前の小学校生活。久しぶりすぎて周りのテンションについていけない伊月日菜太、12歳。しかし精神年齢は27歳。無理もないだろう。27歳が小学6年生がのハイテンションについていけるわけがない。が、隣の席の神原瑠璃は違う。おとなしい、というか喋れないのだ。リスポーンして初めて知った事実、意思を伝える時はスケッチブックに言いたいことを書いて見せる。そこに恋愛感情とかはないがなんか可愛く見える。



「…………」

(よくうるさい中で本読めるなぁ。集中力すごいなぁ)



 チラチラと瑠璃の方を見ていた伊月を遮るように先生が生徒に声をかける。



「はーい静かに。これから小テストをはじめま〜す!」

「「ええぇーーーーー!?」」

「ふざけんなよー!」

「そーーよーー!」



 いやうるさっ。こいつらマジで猿かよ。って小学生の頃は俺も猿みたいに喚いてたんだっけ。大人になった今では恥ずかしいな。



「うるさいです!ちなみに、このテストには中学で習う問題も含まれているので頑張ってください!」

(中学の問題?あぁ中学の頃は死ぬ気で勉強したな)



 そう。伊月は有名私立中学を首席で卒業していた。本来なら記憶を失われてもう一回死ぬ気で勉強しなければいけないのだろうが全ての記憶を引き継いだままリスポーンしたのでもう勉強などしなくても大卒までは満点を取れることになる。なんというスペックの持ち主だ。



「そんなんできるわけないだろ!!」

「そうよ!四捨五入ですら怪しいのに!」



 周りはブーイングの嵐。そんな中隣の席の瑠璃が伊月の肩をたたく。



「?」

『テストの点数で勝負しよ?』



 まさかの提案。だが面白そうだ。



「いいよ。負けないからな!」



 即答だった。こんなことあったっけ?っと疑問に思ったが別にそんなことはどうでもよかった。過去がどうであろうと今を楽しもうと考えたからだ。



「……………」

「??」



 瑠璃はまたスケッチブックに文字を書きはじめた。書き終わると顔を赤らめると同時にスケッチブックで顔を隠しはじめた。



『…勝った方がなんでも願いを聞くってルール……ってどうかな?』

「??」



 なぜ顔を赤らめたんだんだ?なんかすごい願いでも考えてんのか?



 伊月の考察が頭をよぎる。



(願いってなんだろ。奴隷?まさか、死ぬまで奴隷になれよ低脳って言われんのかな)



 伊月は少し瑠璃の願いの考察した後少し間を置いて答える。



「いいよ?」



 まあ負けることはないだろ。満点取ればいいとこ引き分けだからな。



「……!」

『本当?』



 

 瑠璃はスケッチブックを伊月の目の前まで持っていきドンっと机に叩きつける。




「お、おぉ。ほんとだよ」



 俺なんか疑われることしたっけ……。そんな疑念を払拭して集中モードに入る



(小学生のテストとはいえ余裕見せてるとケアレスミスするからな。ちゃんと集中しなきゃな)

「はーいじゃあテストを配るよー!後ろに回してねー」



 テスト用紙が前の人から後ろえと渡されていく。伊月の列はすぐにテスト用紙が渡ったが瑠璃だけがテスト用紙をもらってないという事態になった。どうやら瑠璃の前の席の子がそこで止めてしまっているようだ。




「みんなテスト用紙渡りましたね?」

(いや、瑠璃さんもらってないんだけど。早く前のやつ回せよ)




 瑠璃は言葉が話せないせいかオドオドして先生に伝えようとしている。




「よーい……」

「すいませーん」




 周りが伊月を見るが伊月は気にするわけもなくそのまま続ける。




「瑠璃さんがテストもらってないんですけど。ってかそこの前のやつが紙止めてて渡ってないんですけど」

「えっ?あぁごめんごめん。忘れてたわ。はい」



 

 瑠璃の前の席の近藤凛がテスト用紙を後ろに渡す。するとテストが始まる瞬間に瑠璃がスケッチブックを伊月に見せる。またリンゴみたいに顔が真っ赤になっている。



『ありがとう』




 伊月はあーいいよいいよと手を横にブンブン振った。そして先生が声かけを始める。




「いいですか?それでは始め!」



 どちらかの願いをかけたテストが始まった。



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